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オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]

2017 / 11 / 20特集コラム


オーガニックの人参と普通の人参を食べ比べ!実は、泥人参と洗い人参、そして全く同じ品種のものを比較したいところではありますが、実際に買いに行ってみると、前回の「栗かぼちゃ編」同様またもやつまずくことに・・・。その理由は

1.そもそも、「泥人参」を売っているところが見つからない!
2.ごく一般的な人参(洗い)1種しか置いていないお店がほとんどで選択肢がない。
3.産地は書かれていても「品種」まで書かれていない。

・・・というわけで、今回はすべて「洗い人参」で、有機人参は同じ産地のもので違う生産者の方のもの2種を用意し、慣行栽培のものと比較してみることにしました。

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]
【有機にんじん A】※オーガニック専門店で購入
■産地:北海道産
■品種:人参(五寸人参?)
■サイズ:周囲=16.5cm 長さ=17cm
■重量:430g (中太め2本入り)
■有機にんじん 平均価格:270円(税抜)/1袋 (中2本、小3本で400g~450g入り)
■実際の購入価格:270円(税込292円) ※ 62円(税抜)/100g
■有機JAS

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]

【有機にんじん B】※スーパーで購入
■産地:北海道産
■品種:人参(五寸人参?)
■サイズ:周囲=14cm 長さ=16cm
■重量:412g (中細め3本入り)
■有機にんじん 平均価格:270円(税抜)/1袋 (中2本、小3本で400g~450g入り)
■実際の購入価格:238円(税込258円) ※ 57円(税抜)/100g
■有機JAS

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]
【慣行にんじん】
■産地:北海道産
■品種:人参(三寸人参?向陽二号?)
■サイズ:周囲=13cm 長さ=17cm
■重量:472g (小太め3本入り)
■慣行にんじん 平均価格:153円(税抜)/1袋 (中2本、小3本で400g~450g入り)
■実際の購入価格:138円(税込149円) ※ 29円(税抜)/100g

写真左:慣行栽培 / 写真中:有機栽培A / 写真右:有機栽培B
オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]

【慣行にんじん】
■色:薄めのオレンジ系
■食感:ポリポリ・固め
■生で食べたときの味:後から味を感じる。ややえぐみあり。

【有機にんじん A】
■色:濃いめのややオレンジ系
■食感:サクサク・固め
■生で食べたときの味:甘くてしっかりとした、比較的人参らしい風味を残す

【有機にんじん B】
■色:薄めのやや黄色めのオレンジ系
■食感:シャリシャリ・水分が多い感じ
■生で食べたときの味:甘いがさらっとしている。フレッシュな感じ

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]
すりおろしてから、しぼって糖度を計ってみました。色の薄い人参はやや糖度が低め。生で食べると、3つ全て大きな差を感じることなく美味しく食べられますが、すりおろして絞ったジュースで比較すると色も味も、より違いが出てくる気がします。糖度自体は慣行栽培の人参と有機人参とで大きな差は無く、一般的に飲みやすい(食べやすい)のは、くせのない慣行栽培人参なのかもしれません。ジュースにするなら、断然有機Bがフルーティーで甘く美味しいです。有機Aは味が濃く独特の風味が感じられとても美味しいのですが、おそらく好みがわかれるところです。

そういえば、昔の人参はもっと「人参らしい」味がしていましたが、慣行、有機にかかわらずどれも食べやすく、美味しくなったなと感じます。あえて言うなら今回の有機Aが一番昔の人参に近い感じでしたが、それでも、断然食べやすい。

昔のマズイ人参はいったいどこへ行った!?

写真左:慣行栽培 / 写真中:有機栽培A / 写真右:有機栽培B

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]

【慣行にんじん】
■色:オレンジ系
■糖度:8度
■しぼり汁の味:甘くて飲みやすい。

【有機にんじん A】
■色:やや黒っぽい濃いオレンジ系
■糖度:8度
■しぼり汁の味:比較的人参らしい風味を残す、濃厚な甘み

【有機にんじんB】
■色:薄めのやや黄色
■糖度:7度
■しぼり汁の味:甘くフルーティーで一番ジュース向き

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]
次に、皮ごとカットした人参を蒸したものを比べてみました。

写真左:慣行栽培 / 写真中央上:有機栽培A / 写真右:有機栽培B
オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]

【慣行にんじん】
■甘み:あまり主張しない味。後から甘み。★★★
■食感:固め。

【有機にんじん A】
■甘み:甘くて濃い ★★★★
■食感:固め。歯ごたえのある、繊維がしっかりしている感じ。

【有機にんじんB】
■甘み:うすくて水っぽい ★★
■食感:やわらかめ

加熱することで、また生で食べる時とは違う味わいに。ややくせがあるかと思った有機Aは、加熱したときには美味しさと食感の良さが際立ちます。煮物などにするなら有機A。搾り汁で美味しかった有機Bは水っぽくて煮物には合わないですね。サラダやジュースなど生食向きです。

一度試してみて!にんじんのすりおろし

いつも、嫌いな野菜のランクに入る人参。
「色、グニュとした食感、味・・」など嫌いな理由は様々。存在感がわからないように刻んでハンバーグに入れたり、みなさん工夫をされていると思いますが、一度人参をすりおろし、キッチンペーパーで絞ったジュースを味見してみて欲しい!人参独特の味わいは影を潜め、甘さが立っています。スライスして生で食べた人参とは全く違う味ですから。

人参100%は抵抗がという方は、みかん果汁をミックスすると更に飲みやすくなります。絞った後の人参は捨てずに、スープ、ハンバーグやカレーに活用してください。

これから冬の時期に旬をむかえる人参は甘味と栄養成分が最高になります。すりおろすことで細胞膜が破壊されて栄養効率も良くなります。絞った後は、酸化しやすいので直ぐに召し上がってください。

さて、人参の栄養ですが、色素に含まれるβ-カロテンは体内で必要な時にビタミンAになります。健康な皮膚や粘膜をつくるために必要なβ-カロテンは、風邪予防にも効果が期待できます。

Comment:藤原 たかこ
栄養士・食生活アドバイザー、日本元気シニア総研研究委員
コラムや女性の美と健康をサポートするためのレシピを雑誌・WEBマガジンなどに提供。商品企画開発にも携わっている。

オーガニックを食べ比べ![ニンジン編]

料理監修:藤原 たかこ

今回の比較で使用した人参は、搾り汁や搾りかす、蒸し人参の残りも含めすべて、美味しくいただきました。

・有機人参のドレッシングと
・有機野菜のサラダ
・すりおろしニンジン入りドライカレー
・蒸し人参
・人参のカラフル白玉
・人参ジュース

泥人参を最近見かけない理由

今回の調査では、まず慣行人参と有機人参の価格差が大きかったことに驚きました。有機人参がさらに値上がりしたという印象はなく、むしろ、「慣行栽培の人参ってこんなに安かったっけ?」という印象です。量り売りよりは大体400g~450g程度になるように2本~3本で袋詰めされて販売してるところが多いようですが、今回の調査では100gあたりの価格比較で、有機は慣行栽培の2倍以上にもなりました。
※慣行:29円(税抜)/100g 有機:62円(税抜)/100g

次に驚いたのは、泥付き、土付きの、いわゆる「泥人参」に出会えなかったこと。もちろん扱っているお店はあるとは思うのですが、有機の専門店でも、普通のスーパーでも、百貨店でも、今回は出会えず。昔は専門店で販売している人参は「泥人参」というイメージもあったので、どうして売ってないのかと気になりました。そこで、長年、有機野菜の流通に携わっている友人に「泥人参を最近見かけない理由」を探ってみました。

何故「洗い人参」が主流なのか?

最近は「泥人参」のニーズが低くなってきて、扱っている人参のうち9割は「洗い人参」。ごく一部の有機専門店から「泥人参」の引き合いはありますが、特に都内中心部にある店舗や百貨店内に入っている店舗、宅配なども、ほとんどが洗い人参をオーダーするそうです。それは小売店としての鮮度管理上や小分け作業上の要望というよりは、結果的に消費者が「洗い人参」を好んで買うから。泥を洗い落とす手間、手が汚れるなどを嫌がる方も多いだろうし、煮物などをする家庭が減り、ジュースやサラダといった調理の用途が生食が多いのかもしれませんね。最近は甘くてフルーティーな味を好む傾向にあるのでしょう。「泥人参」は売れない、ということで、徐々に扱い数は減っていったようです。

また、たまにカラフルな海外の品種の人参も売っていたりしますが、スーパーの売り場には洗い人参1種しかないところが多いと感じます。しかも、どれも同じくらいの大きさで揃っていて、形もきれいなものばかり。これも、見た目で選ぶ消費者が多いから?野菜もビジュアル重視、SNS映えの時代かっ!?と突っ込みたくなります。

京都の金時人参などは、おせちなど特殊な用途で使われる時期にはよく見かけますが、日本古来の品種や、その土地ならではの地域ブランドなど、もっと個性的な形や色、味、品種の人参が選択できるといいですね。そして、そのときは是非「名称」と「原産地」だけでなく、きちんと「品種」までプライスカードに記載して販売してほしいものです。

Photo / Text : 佐藤アキ
http://www.organic-press.com/about/