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オーガニックを食べ比べ![大根編]

2017 / 12 / 5特集コラム


オーガニックの大根と普通の大根を食べ比べ!今年の冬は台風や長雨の影響で出荷量が落ち込み、野菜の小売価格が高騰。高値が続いているというニュースが連日報道されている中、大根の価格が高くてびっくり!そして、大根の生産量ランキング全国2位という千葉県産の大根も今が収穫のピークの時期というのに、例年のサイズよりかなり小ぶりのものが店頭に並んでいます。都内では慣行栽培でも1本300円前後が多く(都内調査日時点)、1本のままだと割高に感じることもあって、1/2~1/3サイズにカットし、購入しやすい150円前後ほどの価格帯で販売しているお店が多いようでした。

オーガニックを食べ比べ![大根編]
何軒も回ってようやく出会えた、通常サイズの葉付きの青首大根(慣行栽培)。長さも太さも、今店頭に並んでいる大根のおよそ1.3倍。重量は1.5倍以上。これがこの時期よく見る一般的な「青首大根」の姿ですよね。

オーガニックを食べ比べ![大根編]
写真左から3本めまでは千葉県産の慣行栽培大根。右から2本目は、千葉県産有機大根A(スーパーで購入)、一番右は長野県産有機大根B(オーガニック専門店で購入)。右2本の有機大根は、曲がっていたり、ひげ根の穴が目立ちます。

ほぼ同じサイズの3本で、食べ比べしてみることにしました。

【慣行大根】
■産地:千葉県産
■品種:青首大根(品種詳細は不明)
■サイズ:周囲=21.5cm 長さ=31cm
■重量:820g
■実際の購入価格:299円(税込323円) ※ 36円(税抜)/100g

【有機大根 A】※スーパーで購入
■産地:千葉県産
■品種:青首大根(品種詳細は不明)
■サイズ:周囲=21cm 長さ=33cm
■重量:801g
■実際の購入価格:298円(税込322円) ※ 37円(税抜)/100g
■有機JAS

【有機大根 B】※オーガニック専門店で購入
■産地:長野県産
■品種:青首大根(品種詳細は不明)
■サイズ:周囲=19.5cm 長さ=32cm
■重量:776g
■実際の購入価格:490円(税込529円) ※ 63円(税抜)/100g
■有機JAS

写真左:慣行栽培 / 写真中:有機栽培A / 写真右:有機栽培B
オーガニックを食べ比べ![大根編]
まずは「大根おろし」として比較してみます。
※大根上部を、皮ごとすりおろし。

【慣行大根】
■色:薄めのやや黄色
■糖度:5度
■味:ピリピリとした辛さ

【有機大根 A】
■色:薄めのやや緑色
■糖度:6度
■味:辛いがみずみずしい。青っぽさを感じる。

【有機大根 B】※オーガニック専門店で購入
■色:白
■糖度:4度
■味:辛くて後から少し苦みも感じる。

オーガニックを食べ比べ![大根編]
続いて、生のままスライスを味比べ。すりおろすと辛くなるのに、そのまま食べると甘く感じるから不思議です。

【慣行大根】
■食感:シャキシャキ
■味:甘くて食べやすい

【有機大根 A】
■食感:コリコリ
■味:みずみずしい。味はうすめ。

【有機大根 B】※オーガニック専門店で購入
■食感:かため
■味:水分少ない?後から苦み

写真左:慣行栽培 / 写真中:有機栽培A / 写真右:有機栽培B

オーガニックを食べ比べ![大根編]
続いて、厚めにカットして蒸し器で蒸したものを味比べ。加熱することで辛さは消え甘くなります。

【慣行大根】
■食感:固めで歯ごたえ有
■味:甘くて食べやすい

【有機大根 A】
■食感:やわらかく、繊維もあまり感じない
■味:味はうすめ。水っぽい。

【有機大根 B】※オーガニック専門店で購入
■食感:やわらかい。繊維感はある。
■味:土っぽい味・・

写真左:慣行栽培 / 写真中央上:有機栽培A / 写真右:有機栽培B

オーガニックを食べ比べ![大根編]

流通する大根の9割以上は「青首大根」 

いつごろから青首大根ばかりになったんだろう?

・・・なんて思いながら料理をしました。

スーパーに行くと、大根がカットされているので、久々にちゃんとした1本の大根と対面しました。大根1本は、こんなに重かったんですね! 大根は、上、真ん中、下と味わいが違うのですが、大根の辛味が好きなのでカットした大根を買う時は下の部分を選びます。

大根はスライスして食べると全く辛くないのに、大根おろしにすると劇的に辛くなります。
それは、おろしたことで細胞膜が壊れイソチオシアネートという成分が出てくるからです。
イソチオシアネートは免疫アップが期待できる成分です。体に良いからと、空腹時に大根おろしを食べると胃の刺激になることもあるので、ご注意ください。

大根はほんどが水分です。作った料理の中で「大根のステーキ」は大根をじっくり焼くことで、水分が少なくなり大根の風味と甘さが楽しめます。ピーラーで削ってパスタ風に仕上げたメニューは、今流行のグルテンフリーの野菜パスタ。低カロリーなので、ダイエット中でも安心して召し上がれます。紅芯大根は、細切りにした後、酢に漬けると鮮やかさが増します。

今回は、一般のものとオーガニックを比較しましたが、残念ながら大きな差異は認められませんでした。栽培方法も大切ですが、ストーリーが知りたいですね。「どこの誰が作った」というのは既に広まっていますが、その作物が誕生したストーリー、種の種類(詳しい品種)などが知りたいのです。

そして、かぼちゃにんじん、大根と比較してきましたが、先入観なしに実際に食べてみることが大切だと実感しました。

Comment:藤原 たかこ
栄養士・食生活アドバイザー、日本元気シニア総研研究委員
コラムや女性の美と健康をサポートするためのレシピを雑誌・WEBマガジンなどに提供。商品企画開発にも携わっている。

オーガニックを食べ比べ![大根編]

料理監修:藤原 たかこ

今回の比較で使用した大根は、すりおろしたものも含めすべて美味しくいただきました。

・有機大根のペペロンチーノ(大根パスタ)
・有機大根のステーキ 柚子味噌がけ
・米粉の餃子と大根おろし
・蒸し大根
・紅芯大根とカイワレ大根のサラダ

高~い!有機大根。結局、味はどうなの? 

野菜の高値が続くいている最中の調査だったということもありますが、それにしても価格の高さに驚いた、有機大根(B)。いわゆるオーガニックの専門店で購入したものですが、いくら有機とは言え、あの大きさで、鮮度で、この価格、、、。1本500円を超えてしまうと、さすがに手が届きません。同じ有機栽培の大根でも、一般のスーパーで販売されていた有機大根(A)は、慣行栽培との価格差があまりなく良心的な価格設定でした。最近一般のスーパーにおける有機野菜の扱い量が徐々に増えていますが、有機というだけではなかなか厳しいのでしょう。慣行栽培野菜との価格差を少なくしているお店も多いようです。消費者にとっては嬉しいこと。でも、これにより、オーガニックスーパーや自然食品店などの野菜の「売価設定」の高さが際立つようになってしまったような気がしています。

それでも、味がすばらしく良ければ納得もできるのですが、大根の場合、有機栽培と慣行栽培に大きな差は感じられず、むしろ、鮮度がどうかな?と思える専門店も多いようです。今回は有機だからといって必ずしも美味しいわけではない、を実感してしまいました。

有機野菜に限らず、オーガニックが一般のスーパーでも、ネットでも購入できる時代。有機だからといって、同じものを販売して同じような売り方をしていたのでは、低価格競争に陥ったその先、小規模のオーガニック専門店は生き残っていけません。どこで買っても同じモノだったら、価格の安いほうを買いたいと思うのが消費者心理です。産地や価格、認証についての情報開示は当たり前。大根1本といえども、生産者の土づくりへのこだわり、品種の情報、種の情報などを丁寧に紹介すること、大量に流通していない品種を品揃えすること、地域に根付く個性的な野菜を積極的に扱うことなどが、専門店の”生き残り策”として、これから必要となってくるかもしれません。店頭での魅せ方、販売者の専門的知識とともに・・・。

Photo / Text : 佐藤アキ
http://www.organic-press.com/about/