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オーガニックを食べ比べ![みかん編]

2018 / 01 / 15特集コラム


オーガニックのミカンと普通のミカンを食べ比べ!店舗によって様々で、愛媛県、和歌山県、静岡県、長崎県など各地のみかんが店頭に並んでいましたが、今回、同時期に有機、慣行と両方を入手できたのが愛媛県産だったということで、同県のみかんを比較してみることにしました。できればサイズも合わせたかったのですが、一般のスーパーで販売されるみかんは形の揃ったM~L玉中心。一方でオーガニック専門店で扱っていたみかんは、今回2S~S玉の不揃いのものしか入手できなかったので、これら入手可能なもので比較してみることにしました。

写真左:慣行栽培 / 写真右:農薬不使用(認証なし) / 写真右:有機栽培(JAS認証有)
オーガニックを食べ比べ![みかん編]
一般のスーパーで販売されるミカンは粒ぞろいで色つやもきれいですね。当たり前といえばそうなんですが、普段有機みかんを見慣れてるとあらためて、その違いにびっくりします。一般的に、選果場に持ち込まれたみかんは機械や目視により選別され、サイズ別に仕分けされ箱詰めされます。有機農産物など、農協などを通さず生産者さんから直接小売店へと配送される場合、もちろんサイズ別に箱詰めされますが、無選別の場合も。そして、多少の傷や果皮の表面にできやすい小さな黒いブツブツなども、規格外になることはなく販売されます。

オーガニックを食べ比べ![みかん編]
外皮に傷や汚れがあっても、中身は問題なし!

写真左:慣行栽培 / 写真右:農薬不使用(認証なし) / 写真右:有機栽培(JAS認証有)

オーガニックを食べ比べ![みかん編]
オーガニックを食べ比べ![みかん編]

【慣行みかん】
■産地:愛媛県産 ※M共同選果部会
■品種:温州みかん(品種詳細は不明)
■容量:1袋6個入り (923g) ※153.8g/1個あたり
■実際の購入価格:499円(税込539円)
89.8円(税抜)/1個あたり  54円/100gあたり

【農薬不使用(認証なし)みかん】※オーガニック専門店で購入
■産地:愛媛県産
■品種:温州みかん(品種詳細は不明)
■容量:1袋9個入り (591g) ※65.66g/1個あたり
■実際の購入価格:298円(税込322円)
33.11円(税抜)/1個あたり  50円/100gあたり

【有機みかん】※オーガニック専門店で購入
■産地:愛媛県産
■品種:温州みかん(品種詳細は不明)
■容量:1袋8個入り (604g) ※75.5g/1個あたり
■実際の購入価格:438円(税込474円)
54.75円(税抜)/1個あたり 72円/100gあたり
■有機JAS

オーガニックを食べ比べ![みかん編]

【慣行みかん】
■見た目:大きさがそろっていて皮の色ツヤもきれい。
■サイズ:周囲 平均23.5cm
■可食部:78%
■糖度:13度
■味:とても甘くみずみずしい。薄皮部分も柔らかめ。

【農薬不使用(認証なし)みかん】※オーガニック専門店で購入
見た目:全体的に小ぶりで小さな傷、黒い斑点などあり。
■サイズ:周囲 平均18.0cm
■可食部:80%
■糖度:11度
■味:優しい甘さで香りがよい。
※外皮が薄くはがれにくく、剥きにくかった。

【有機みかん】※オーガニック専門店で購入
■見た目:大きさばらばら。黒い斑点などあり。
■サイズ:周囲 平均18.0cm
■可食部:75%
■糖度:11度
■味:優しい甘さで香りがよい。瓤嚢(じょうのう)、薄皮部分はしっかり固め。

蜜柑が黄色くなると医者が青くなる

「蜜柑が黄色くなると医者が青くなる」と言われるほど、栄養が含まれているみかん。
温州みかんには、じょうのう(袋つき)100gあたり1,700㎍(日本食品標準成分表7訂より)ものβ-クリプトキサンチンが含まれています。この100グラム中には、袋も含まれているので、自ずと砂じょうのみに比べると少ない数値になりますが、みかんは他のフルーツに比べるとダントツに含有量が高い果物。β-クリプトキサンチン、ビタミンPなどは、外皮の部分や袋の筋の白い部分を食べてこそ、効率良く摂取できるのです。つまり、その優れた栄養成分は、普段食べない部分に多く含まれています。

オーガニックを食べ比べ![みかん編]

日本食品標準成分表7訂より

もちろん、みかん果汁の部分にも栄養はあるのですが、みかんを丸ごと食べるには、「農薬が気になる。固くて食べることが難しい」と思っている方も多いと思います。有機みかんは、安心という点で、丸ごと食べることが出来るメリットがあります。また、料理次第で「美味しく丸ごと食べられる」ことが今回あらためてわかりました。

オーガニックを食べ比べ![みかん編]

料理監修:藤原 たかこ

【今回作ったみかん料理】
・みかんのパスタ
グルテンフリーのライスフェットチーネを茹でて、みかん、みかんの皮を加えた豆乳カルボナーラソースで和えました。みかんを加える際は、最後に加えてください。皮を使うと、香りがグッと増します。

・にんじんとみかんのサラダ
にんじんをせん切りにして、塩もみした後、オリーブオイル、こしょうで味付け、みかんの皮と実を加えて和えます。和える際は、手でみかんの実をつぶすようにします。酢は使用せず、みかんの果汁を生かしました。

・豚肉のソテーみかんソース
豚肉の生姜焼きに匹敵かるほどの美味しさ!使用する調味料は「みかん果汁と醤油のみ」食べてみると、みかん感はゼロです。豚肉を焼いた後、混ぜておいたみかん果汁と醤油を加えます。みかん果汁の量は、醤油と同量くらい。お好みで調整してください。みかんの皮を加えても美味しいです。

・みかんのパウンドケーキ
これは「焼きみかん」で作りました。オーブントースターで焼いたみかんの皮は細かく刻み、中の実は袋ごとミキサーにかけてパウンドケークの生地に加えました。

Comment:藤原 たかこ
栄養士・食生活アドバイザー、日本元気シニア総研研究委員
コラムや女性の美と健康をサポートするためのレシピを雑誌・WEBマガジンなどに提供。商品企画開発にも携わっている。

有機みかんが全部甘いわけではない

「有機のみかん」のイメージは、一般の方からするとおそらく「甘くておいしい」なのだろうと思いますが(実際自分もそう思っていました)、食べ比べて、そして糖度を比較してみたら、実際には違いました。もちろん、産地によっても、銘柄や生産者によっても異なるのだと思いますが、特にみかんの有名な産地では、美味しいみかん作りのための技術を確立させてきた結果、一定のクオリティが保たれています。必ずしも糖度の高さが実際に感じる「甘さ」や「美味しさ」に直結するとは限りませんが、概ね高い糖度を誇るブランドが多いようです。

それでも人によって味の感じ方は様々。やはり甘さだけでなく適度の酸味や香りなどのバランスが美味しさの決め手になるのではないでしょうか。今回、糖度、甘さでいえば慣行みかんが高かったのですが、有機みかんは甘さが控えめであっても香りの良さが際立っているように感じました。オーガニックの専門店で販売されるみかんの多くは、産地だけでなく「生産者」で選ぶことができます。誰がどのように育てたのか?がわかり、味にも個性があります。色々な生産者の方のみかんを食べ比べて、自分の好みの味を見つけるというのもおすすめです。

オーガニックを食べ比べ![みかん編]

今回の調査では味も大きな差がつくことはなく、有機と慣行の価格差もそれほど大きくありませんでした。むしろお店によっては慣行栽培のみかんの方が高かったりします。決定的な違いは「見た目」。農薬を使わない栽培方法では、どうしても皮に小さなすり傷や黒ずみ、黒い斑点が多くあったり・・・あまり見栄えが良くないものが多いですね。皮を剥いてしまえばきれいな実が詰まっていて美味しく、食べても体に害はないのですが。一般の消費者の多くは、まだその見た目に慣れておらず躊躇してしまうのかもしれません。だからでしょうか?今回は残念ながら、一般のスーパーで慣行栽培のものと「有機みかん」の両方を販売している売場を見ることはできませんでした。見た目が良くない理由、見た目が良くなくても美味しい、ということを地道に伝えていく必要があると、あらためて感じました。

そういえば、昔はみかんといえば、冬になると「箱買い」していた家が多かったですよね。いわゆるミカン箱、段ボールも必ず一家に1つはあったりして。籠に入ったみかんがこたつの上にあるという懐かしい昭和の風景は、今はもうほとんど見られないかもしれません。みかんは足がはやく、段ボールの中で傷ついたり潰れたりするとあっという間にカビが発生します。そのため、最近は返品やクレームを想定して、あらかじめ何パーセント分かを多めに入れていたり、店舗でケース販売の場合は、段ボール内をチェックしてお客様にお渡しするなど配慮しているお店もあります。昔は箱入りみかんでカビ発生!なんて当たり前のようにあったので、家庭内で処理して終わり。おおらかでしたよね。

Photo / Text : 佐藤アキ
http://www.organic-press.com/about/