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オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]

2018 / 02 / 23特集コラム


オーガニックのさつまいもと普通のさつまいもを食べ比べ!芋ほりシーズンといえば9月~11月頃のイメージで、さつまいもの旬は秋なのですが、実際には掘りたてより少し貯蔵してからの方が、甘みが増して美味しいそうです。

今回、同時期に有機、慣行と両方を入手できたのが「紅はるか」だったということで、同品種のさつまいもを比較してみることにしました。できれば産地やサイズも合わせたかったのですが、概ね販売されているものの産地は千葉や茨城など関東のもの、九州の鹿児島、または徳島県のもの。一般のスーパーで販売される慣行栽培のさつまいもは形が揃っている一方で、オーガニック専門店で扱っていた有機さつまいもは、不揃いのもの。全く同じ条件での比較はできませんが、これら入手可能な「紅はるか」で比較してみることにしました。

【慣行サツマイモ・紅はるか】
■産地:茨城県産
■品種:紅はるか
■重量:604g / 1袋4本入り
■実際の購入価格:299円(税込323円)
■100gあたりの価格:49円(税抜)/100g

【有機サツマイモ・紅はるか】
■産地:鹿児島県産
■品種:紅はるか
■重量:656g / 2本
■実際の購入価格:643円(税込694円)
■100gあたりの価格:98円(税抜)/100g
※有機は慣行に対し2.0倍
■有機JAS

写真左:慣行栽培 / 写真右:有機栽培
オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]
左4本が慣行栽培のもので、右2本が有機栽培のもの。初め見たとき、カタチも違いますが皮の色も全く違うので、「本当に紅はるかなの?」と疑ってしまいましたが、、、

有機栽培の方は、洗ったら皮の色が見えてきました。

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]
半分にカットしてみると、慣行栽培の方からは白い液体「ヤラピン」がじわっと。サツマイモに多い食物繊維とともに腸の働きを助けるそうです。また、ヤラピンが多いほうが甘い?説も聞きますがどうなんでしょうか?そのまま少し時間がたつと切り口が空気に触れてポリフェノールが酸化を起こし、皮部分からやや黒っぽく変色していきました。

写真左:慣行栽培 / 写真右:有機栽培
オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]
輪切りにして蒸してみました。左の小さいほうが慣行栽培です。

【慣行サツマイモ・紅はるか】
■色:淡いイエロー
■味:甘い
■食感:ねっとり感がある。なめらか。繊維少ない?

【有機サツマイモ・紅はるか】
■色:ややくすみのある淡いイエロー
■味:甘さ控えめ
■食感:ねっとりの中にややホクホク。繊維多め

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]
皮の色も内側の黄色い部分も、慣行栽培の方がきれいです。色はいまいちですが、繊維が多くてホクホク感もあったのは、有機栽培のサツマイモ。色に関しては貯蔵の仕方に問題がある可能性もありますね。もしくはアクが多い?ということは、実際に測れませんが、ポリフェノールが多いのでしょうか?味については好みが分かれるかもしれませんが、今回の場合は「甘さ」は慣行栽培の方が強く感じました。皮の色、中の色も美しい方、見た目重視で選ばれることが多いと思いますが、それでも皮も食べることを考えると、やはり有機を選びたいと思ってしまいます。ただ、味や食感は微妙な違いしかなく、有機の価格が2倍というのは、少し残念ではあります。

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]
同じ品種のさつまいもであっても、加熱調理の仕方で甘さや食感がずいぶん変わってきます。長時間じっくり加熱した焼き芋はしっとり、ねっとり。「焼き芋」といえば、昔はのどがつまるようなホックホク感のあるものでしたが、最近は甘さが強くねっとりとしたものが好まれているようです。

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]

焼き芋の断面

皮ごと食べて、さつまいもの希少な栄養を摂る 

実は私、さつまいもが苦手です。

さつまいものデンプン質が、口の中の水分をすべて奪っていまうようなホクホクとした食感と、土臭さが気になって、小さいころから、出来るだけ避けたい野菜のひとつでした。

さつまいもに関しては、先入観があるのですが、今回、真剣にさつまいもを食べてみて、さつまいもも随分進化したものだと実感しました。

まず食感です。今回使ったさつまいもの「紅はるか」は、ほくほくではなく、ねっとり感が優位でした。食物繊維量が少なく甘味が強い品種とのことで、やきいもにすると、そのままスイートポテトのような味わいです。さつまいもを輪切りにした際に、白い分泌物のようなものが湧き出てきますが、これはヤラピンという成分で、腸の蠕動運動を促進してくれる働きがあります。

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]
■やきいもが甘い秘密~麦芽糖 

「電子レンジや蒸したさつまいもは、甘さが弱い」と感じたことはありませんか?
それは、麦芽糖の量によるものです。生のさつまいもの麦芽糖量は、0.1g。やきいも約15倍近く増えます。さつまいもに含まれる消化酵素が、でんぷんに作用して麦芽糖をつくります。70℃前後で酵素は働くので、低温で長時間焼くことで、甘さが抜群に増すわけです。
ちなみに、麦芽糖水飴も、この性質を利用して穀類のでんぷんなどからつくられます。

■さつまいもの緑変にびっくり~クロロゲン酸

「さつまいもを切って焼いてみたら、緑色になってしまった」
これは、皮に含まれるクロロゲン酸によるものです。クロロゲン酸は、燃焼系を目的としたトクホや機能性表示食品にも使用されています。コーヒー、さつまいも、ごぼうなどに含まれています。このクロロゲン酸は、アルカリと反応すると緑色に変色します。調理方法やさつまいもの種類、品質も関わるようです。

■栄養効果を期待するのなら、皮ごと食べられる有機のさつまいも 

さつまいもの皮は紫色をしていますが、これはポリフェノールの一種であるアントシアニンによるものです。クロロゲン酸は皮の部分に多く含まれているので、皮も一緒に食べるのがオススメです。

■さつまいもはシンプルに料理するのがオススメです  

◎豚肉とさつまいもの香味炒め
フライパンで、豚のバラ肉を焼きます。脂が出てくるので、この脂で乱切りにしておいた「さつまいも」を炒めます。さつまいもに火が通ったら、酒を加えます。斜め切りにした長ねぎ、みじん切りにした生姜を加えて、全体を炒めます。最後に、醤油で味付けします。
お好みで、唐辛子を加えて、ピリ辛にしても美味しいです。

◎台湾風さつまいも団子(地瓜圓)のココナッツスープ
茹でたさつまいもをペースト状にします。片栗粉を加えて、小さな団子状にして、熱湯で茹でます。団子が浮き上がってきたら、ココナッツミルクを加えます。
お好みで、砂糖や蜂蜜で甘味をつけてください。

Comment:藤原 たかこ
栄養士・食生活アドバイザー、日本元気シニア総研研究委員
コラムや女性の美と健康をサポートするためのレシピを雑誌・WEBマガジンなどに提供。商品企画開発にも携わっている。

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]

料理監修:藤原 たかこ

【今回作ったさつまいも料理】
・台湾風さつまいも団子(地瓜圓)のココナッツスープ
・豚肉とさつまいもの香味炒め
・グルテンフリーパンケーキ~さつまいもロースト&さつまいもの皮チップとメープルくるみトッピング
・焼き芋&蒸かし芋

ホクホク vs ねっとり

最近はまるで蜂蜜でも入ってるの!?というくらい、ねっとりやわらかくて甘~い焼き芋が人気のようですよね。昔の石焼き芋やさんのお芋、もっとホクホクしていませんでした?個人的には昔ながらのホクホクのお芋の方が好み。焼き芋だと甘すぎてしまうので、シンプルに蒸かしたものの方が美味しいと感じます。スーパーのお惣菜として販売されている焼き芋を食べたことがありますが、もはやサツマイモとは別物、焼き芋というよりは完全にデザートみたいです。昔の家庭のおやつには、蒸かし芋がよく登場していたものですが、最近はあまり家庭で蒸かしたりしないのでしょうか?スーパーやコンビニなどでも焼き芋やおやつタイプの芋が手軽に買えるので、それも時代の流れなのかもしれません。

今回比較に使った「紅はるか」は、2010年3月に品種登録されたという比較的新しい品種で、その甘さとねっとりした食感が特徴です。売り場を色々まわってみると、店舗によって扱う品種は様々でした。やはり「紅あずま」が主流。「紅はるか」「鳴門金時」「五郎島金時」などが多かったようです。この時期だから(貯蔵した芋の在庫問題)かもしれませんが、一般のスーパーで、慣行、有機の両方を扱っているお店には出会えませんでした。

オーガニックを食べ比べ![さつまいも・紅はるか編]

この時期販売されていたサツマイモの多くは等級Sサイズ、大体1本150g程度の細めのものが4本くらい入って500g~600g程度が袋詰めされたもの。流通しやすいように、規格サイズの揃ったさつまいもが、一袋200~300円くらいの比較的手ごろな価格で販売されていました。生産者が収穫してからスーパーに届くまでの間に洗浄からサイズや等級の分別、袋詰め等の様々なコストがかかっているはず。それでいて、販売価格は抑えられているとなれば、生産者の方たちは見合う対価が得られているのかと、心配になってしまいました。

一方のオーガニック専門店で販売されている有機さつまいもは、もちろん、大体同じサイズのものを袋詰めされているものもありますが、不揃いで個性的な形のものが量り売りで販売されていることが多いです。農家さん直送の場合は特に、収穫したさつまいもすべてが同じようなサイズで揃うことはありませんので当然のことかもしれません。カタチや大きさが違えば調理の効率も良くないかもしれませんし、凸凹とした表面の土汚れをしっかり洗い落とす手間もかかります。それでも、長い期間土の中で成長する根菜や芋類は、良い土壌で育ったものを選びたいなと思います。

Photo / Text : 佐藤アキ
http://www.organic-press.com/about/