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世界を魅了するHERO、抹茶

2016 / 04 / 22特集コラム


異国の人がどうしてこんなにフィーバーするのだろう? 海外の抹茶ブームは、本家本元、日本人の私の方がなんだか引いてしまうほどの勢いだ。この春にドイツで開催されたBIOFACHでも、お茶さんのブースを訪れる人は、ヨーロッパはもとよりアフリカから、世界中からやってきた。

世界を魅了するHERO、抹茶
抹茶を日本の文化としてそのまま売りたい人もいれば、自分たちの食文化に持ち込もうとしている人たちもいる。パリでチョコレート屋さんを営む若い女性オーナーは、抹茶チョコの評判がいいので今年も買いたいという。 ヤムヤムのブースでもグルテンフリーの玄米麺を素揚げし、お茶さんに拝借した抹茶をふりかけて試食テーブルに置いておくと、あっという間になくなった。お抹茶は確実に独り歩きを始めている。

世界を魅了するHERO、抹茶

タイでも抹茶人気には迫力がある。ご覧あれ、このメニュー。このスタンドカフェはフランガーオ駅という、外人よりはタイ人が住んでいるエリアのショッピングモールの地下にある。なんと斬新な!よくもここまで考えたねと脱帽。しまいに尊敬してしまった。

世界を魅了するHERO、抹茶

LEMON MATCHAぐらいは、抹茶のレモンティーかとすぐ想像できるが、MELON MACHAとはどんな味がするのだろう。下の方にあるROASTED RICE MACHA LATTEとはなんじゃ?玄米茶やお茶漬けの中に入っているアラレをトッピングしているではないか!感心しているとタイ人の友達が「昔はね、ココナッツミルクに氷を入れたタイの冷たいデザートには、煎った米を入れたんだよ」と教えてくれた。だからアラレをトッピングにと連想した…筋が通った。日本人の目で見ると、わけのわかんないものが、タイ人の目で見るとそれほど違和感なく美味しそうに映っているのである。

世界を魅了するHERO、抹茶

抹茶がお菓子に使われたのはいつごろからだろう。私の小さい頃にはお茶飴とか宇治羊羹はあったが洋菓子はなかった。初めて抹茶のスイートに出合ったのは昭和の東京オリンピックの頃だ。近所に大きなホテルが建ちはじめ、そこにアイスクリームを卸している店があった。人が入れるほど大きなステンレスのドアが付いた冷蔵庫しかない殺風景な店で、夏になると近所の人たちにアイスクリームを小売する。一つ25円。当初はバニラしかなかっがコーヒー、イチゴとしだいに種類が増え、ある日、抹茶アイスもお目見えした。

ところが買いに行くたびに「食べてもらえない?」と抹茶アイスをおまけにくれる。私は手に余るほどのアイスをもらい大喜びだったが、ひと舐めして失望した。当時は大人も子供も、渋みのある抹茶アイスが理解できなかった。あれから半世紀、まさかこんなに抹茶アイスが市民権を得るとは夢にも思わなかった。

世界を魅了するHERO、抹茶

毎月、タイの雑誌のレシピを書いているのだが、マクロビで、タイ人がおいしいといってくれるものでとなるとアイディアにつまることがある。そんな時のお助け食材が抹茶だ。抹茶のクレープ、抹茶のアーモンドタルト、抹茶うどんなどなど、粉に混ぜればそれなりにまとまるものはいろいろやった。

世界を魅了するHERO、抹茶

しかしそれも悔しい話しではないか。なんかもっと万人が普通に食べてるもので、手軽にできる抹茶料理はないものかと考えたのが、この「抹茶ごはん」だ。お茶のごはんといえば日本人なら茶粥を思い出すが、茶がゆは異国の人に理解してもらうのはやや難関な面がある。

抹茶を炊飯器の中に振り入れて炊いてみると、これがなかなか香りも良く、色もよく、まさか悔しくて出来たレシピとは思えない。抹茶の量で、ベビーグリーンからダークグリーンまで調節できる。タケノコを入れた抹茶混ぜご飯もおいしそうだな~新緑の感じがきっと演出できる。抹茶おにぎりも昆布を中に入れるとそれはよくあい、おにぎりがグリーンなだけで食欲をそそる。

こうだという使い方をのり越えたさきに、未来に人々を魅了する食べ物があるかもしれない。ちょっとこじつけ過ぎというものは、時という振るいにかかり消えていく。まずは頭の中の垣根を取り去って、本物の食材を現在の食生活に取り入れてみる工夫を楽しんでみることである。

世界を魅了するHERO、抹茶

世界を魅了するHERO、抹茶
抹茶とクルミの炊き込みご飯 
・白米   1合
・抹茶   小さじ1
・塩    小さじ1/4
・くるみ  大さじ3
・黒ごま  小さじ2

1.白米をとぐ
2.くるみは炒って小さく切る 黒ごまは炒る
3.炊飯器に1と抹茶、塩、くるみを入れ、水は1の線より気持ち多めで炊く

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木幡恵の「いつだって幸せごはん」木幡恵プロフィール

20代でマクロビィオテックに出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出会ってしまった料理クリエイター。ストイックだけど大胆、本気だけど本音であることがたいせつだと思っている。料理活動の場はバンコク。ベジを基本にアジアの調理法を盛り込んだ料理クラス「gaiatable」を主宰。

タイ語のマガジンHEALTH &CUISINEと日本語のタイ情報誌のDACOにレシピを連載中。
自身が企画した商品をヤムヤムから販売している。

日本語書籍
木幡恵の「いつだって幸せごはん」木幡恵の「いつだって幸せごはん」

タイ語書籍
木幡恵の「いつだって幸せごはん」■つぶつぶクッキング
■無発酵の雑穀パン
■雑穀つぶつぶクッキング
■おいしいマクロビィオテック (タイ語)
■タイの料理雑誌HEALTH&CUISINE(タイ語)
■タイのマガジンDACO 料理エッセイ「大地のめぐみ」(日本語)

 

★Gaia Table 南国食日記
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