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麺は水で戻すのが常識

2015 / 06 / 25特集コラム


朝から月間雑誌の料理撮影をしている。今回はタイ人に人気のソーメンを使うのだが、異文化の中では日本人同士のようにはいかず、基本的な調理手順をいちから説明することからはじまる。熱心にメモを取ったスタッフはソーメンの束をつかんで台所に消えていった。
続いてカメラマンとの打ち合わせがはじまったが、ソーメンが気になる私は、撮影の直前に茹でることを伝えようと台所にいった。するとカウンターの上に水の入った見慣れぬボールがのっていた。のぞくと世にも不思議な景色が目に飛び込んで来た。乾麺のままのソーメンが水に浸かっていたのだ。

「乾麺は茹でる」は、世界共通の常識ではなかった!少なくてもここタイでは……。ここでは麺と言えば米の麺である。そして「米麺は水に浸けて戻す」のである。くどいが茹でないのである。もちろんバンコクにも茹でるパスタや中華麺はあるが、ソーメンはタイの細麺にどこか風情が似ているから、つい水に浸けてしまったのだろう。

最初につまずいたがそれ以外は順調に進んだ。いよいよソーメンを茹でる段になった。私は気合いを入れタイマー片手に茹で加減に集中し、ここぞというタイミングで素早く冷水に取りザルに揚げた。その時だった。「なにを大騒ぎしているのだろう」とでも言いたげなタイ人スタッフの視線に気づいたのは……。そういえば、タイのヌードルショップにはそんな気合いはみじんも無い。戻した麺はいつも無造作にガラスのショーウインドに一日中積まれ、お客がくれば麺を引っ張りだして料理にかかる。麺へのきくばり度は、ジャーに入った御飯と同じようなものなのだ。

麺は水で戻すのが常識

麺を水に浸けて戻す!これは日本人にとって未経験のゾーンであり不安な調理方法である。だが慣れてしまえば、茹で鍋が省略できる便利な調理法なのだ。小麦の麺のコシを真っ向から否定したような米の麺のいいところは、もたれない軽さと消化の良さである。オーガニック米を使った玄米麺も玄米だというのにふにゃふにゃしてるが、玄米の栄養分はそのまま持っている。それになんせ元はお米なのだから、異国の麺と特別扱いしなくても、和の素材や調味料にもよくあうのである。

このところ欧米ではグルテンフリーといって小麦製品を控える人が増えている。米が主食の私たちにはピンとこないが、小麦はこの半世紀、大規模な品種改良が進み異種配合や遺伝子組み換えが繰り返された結果、グルテンの構造が大きく変わり、血糖値の急上昇を起こしたり、心臓病、癌などの現代病の原因になるといわれている。玄米麺は糖質が気になる人にとっては朗報かもしれない。

麺は水で戻すのが常識

戻す時は、麦茶を冷やすジャグを利用し、麺がクタッとするまで置いておく。麺の太さによって戻し時間はやや違うがそう長くはない。後は水をきって料理するだけだ。延びないので水切りした後の麺は容器に入れて2~3日冷蔵庫で保存も可能である。
料理中に切れやすいという声をたまに聞くが、それは麺をいじり過ぎている場合が多い。コツは、気合いな~し、緊張感な~しで、やってみること。きっと上手にできると思う。

■玄米太麺のパッタイ  2人前

麺は水で戻すのが常識

玄米太麺フォー輸入発売者(株)ヤムヤム

・玄米太麺フォー  40g
・厚揚げ      薄切りちょっと
・豆腐または卵   1/6丁または1こ

野菜
・キノコ   ほぐす    ちょっと
・モヤシ   片手でつかめるぐらい
・ニラ    長さ3cmで鉛筆の太さぐらい
・キャベツ  千切り  1枚
・人参    千切り  ちょっと
・ピーナッツ 粗くきざむちょっと
・油      大さじ1強

麺は水で戻すのが常識

玄米太麺のパッタイ

A
・醤油     大さじ1と1/3
・レモンの汁  大さじ1/2
・ココナッツシュガー 小さじ1

1.玄米太麺フォーは水に30分浸けて戻す
2. Aを混ぜ合せる
3.フライパンに油をいれ豆腐(卵)を炒める
4.玄米麺と厚揚げを入れ、水をふり入れながら麺が柔らかくなるまで炒める
5.Aを加え野菜を入れ、火が入ったらOK。レモンをそえピーナッツをかける
*ナンプラーの場合は醬油より少なめにいれる

 

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木幡恵の「いつだって幸せごはん」木幡恵プロフィール

20代でマクロビィオテックに出合い、30代で雑穀に出合い、50代でタイに出会ってしまった料理クリエイター。ストイックだけど大胆、本気だけど本音であることがたいせつだと思っている。料理活動の場はバンコク。ベジを基本にアジアの調理法を盛り込んだ料理クラス「gaiatable」を主宰。

タイ語のマガジンHEALTH &CUISINEと日本語のタイ情報誌のDACOにレシピを連載中。
自身が企画した商品をヤムヤムから販売している。

日本語書籍
木幡恵の「いつだって幸せごはん」木幡恵の「いつだって幸せごはん」

タイ語書籍
木幡恵の「いつだって幸せごはん」■つぶつぶクッキング
■無発酵の雑穀パン
■雑穀つぶつぶクッキング
■おいしいマクロビィオテック (タイ語)
■タイの料理雑誌HEALTH&CUISINE(タイ語)
■タイのマガジンDACO 料理エッセイ「大地のめぐみ」(日本語)

 

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