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ホンモノのみりんは美味しいお酒

2013 / 04 / 5特集コラム


「みりん」はお酒

照り焼きや煮物など、和食の味付けに欠かせない調味料「みりん」。もともと「味醂」とは、酒税法上の分類では混成酒類にあたる「酒類」であることをご存知だろうか?

みりんは、江戸時代やもっと前から女性や下戸の方に人気が高い甘いお酒だったとか。実はお正月に飲まれるお屠蘇は、数種類の生薬を調合した屠蘇散(とそさん)をみりんに漬け込んだ薬酒。現在は、お正月にお屠蘇をいただくくらいで、調味料としての用途として使うことがほとんどだが、みりんは、餅米と米麹に焼酎またはアルコール(場合によっては糖類)を加え糖化熟成させて濾したもので、アルコール分が15度未満のれっきとした「お酒」なのだ。

みりんは酒税法上の酒類であるため、ビールや日本酒、ワインと同様に、製造はもちろんのこと、販売をする際には「一般酒類小売業免許」を取得する必要がある。免許を取得していないお店では当然扱うことができないわけだが、食品を販売するお店では調味料の品ぞろえとしてはみりんは必要なもの。そこで、「みりん風調味料」や「発酵調味料」など、みりんと同じように使える調味料が販売されるようになったというわけだ。

あなたのキッチンにある「みりん」のラベルを読んでみて欲しい。今までみりんだと思ってお料理に使っていたものも、実はそうではないかもしれない。名称の欄には何と書かれているだろうか?酒類である、本物のみりんには「本みりん」と書かれ、アルコール分も14度前後の表示があるはず。 みりん風調味料、発酵調味料、醸造調味料などと書かれているものは、「みりん」ではない。みりんではない製品には「本品は酒税法上の酒類に含まれません」と書かれているので、よくパッケージを読んでみよう。

ホンモノのみりんは美味しいお酒

良いみりんの見分け方

スーパーの棚に並んでいるものの多くは、パッケージに「みりん風」とか、「みりんタイプ」の文字が書かれていて、パッと見ただけなら「みりん」だと勘違いしてしまいそうだ。また、酒類の販売免許を持たないお店では「本みりん」が棚に並んでおらず、選択の余地がないこともあるだろう。

しかしながら、「みりん風調味料」や「発酵調味料」がすべてニセモノだからいけない!というわけではないので安心してほしい。米、米麹、食塩を原料とした発酵調味料、米や米麹など有機原料を使用しているみりん風調味料など、とても良い製品も販売されている。実は「本みりん」でも焼酎ではなく醸造アルコールを使っているもの、糖類を添加しているものもある。「本みりん」と名がつくものなら何でも良いわけではないのだ。本みりんの中には、「もち米・米・米麹・醸造アルコール・糖類」のように、本格焼酎の代わりに醸造アルコールを使用し、糖類などを加えて、短時間で製造されているものがある。もし「本みりん」を選ぶなら、原材料が「もち米・米こうじ・焼酎」のみのように、原材料がシンプルであることがポイント。伝統的な製法でじっくり時間をかけて作られているものを選ぼう。

「みりん風」を選ぶ場合は、余計な添加物を使用していないものを選ぶようにしよう。糖液に化学調味料を加えたアルコール1%未満の「みりん風調味料」は、あまりおすすめできない。酒税がかからない分、お値段もお手頃だが、本みりんとは全くの別物だ。このような製品は、たいてい原材料の一番トップに「水あめ」などの糖類が書かれている。最近は、低カロリーでヘルシーなものと謳った、還元水あめ、エリスリトール、ステビアなどの甘味料を使用しているものなども出ているようなので要注意だ。

自然食品店などで販売されるものの中には、米と米こうじを原料に、日本酒の基もろみを醸造して食塩を加えゆっくりと糖化熟成させた、アルコール分を10%以上含む醗酵調味料などがある。塩分を含み、本みりんのようにお酒としては飲むことはできないが、決して引けを取らない美味しさだ。お料理に上品な甘さとコク、うま味やよい風味を与えてくれること、間違いない。

ホンモノのみりんは美味しいお酒

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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