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オーガニックチョコレート表示の謎

2015 / 02 / 1特集コラム


ここ数年、海外のフェアトレードやオーガニックのチョコレートが人気だ。有機JAS認証を取得したチョコレートも売り場でたくさん目にすることが多くなった。そんな中、同じブランド、シリーズのチョコレートなのに、オーガニックと書かれてるものと書かれていないものとがある。それはなぜか?有機JASマークがついてはいないのに・・・法律違反じゃないの?そんな疑問を持つ方もいるのでは?

基本的に「有機」「オーガニック」と表示していいのは、有機JAS認証製品のみ。そしてその認証(有機農産物加工食品)を取得するためには、有機農産物を95%以上含んでいる必要がある。また、有機JASマークを製品につけることができるのは、日本国内または海外の事業者により、日本の有機JAS制度により認定、製造されたもの。または、同等国で生産され海外の認証マークがついているものを、輸入業者が手続きをしたうえで有機マークを貼ったものだ。輸入業者は「有機農産物」「有機農産物加工食品」については有機JASマークを貼ることができても、「有機畜産物加工食品」「有機農畜産物加工食品」にマークを貼ることはできない。

以下の2つのラベル例は、いずれも海外のオーガニック認証を取得しているが『有機JAS認証を取得していない』チョコレート。

オーガニックチョコレート表示の謎

お気づきだろうか?よく見てみると、「有機」「オーガニック」の明記がある。さらに

『スイス基準に基づく有機農畜産物加工品』
『欧州委員会有機規制の基準に適合した、農畜産物加工品』

といった説明文が書かれているのに気づく。

◎有機JASマークなし
◎同等国からの輸入品
◎海外の認証あり
◎「有機農畜産物加工品」である旨の記載あり
◎ラベル表記に「有機」「オーガニック」の記載あり

オーガニックチョコレート表示の謎

オーガニックチョコレートは海外で製造されたものを輸入しているケースが多い。チョコレートの基本となる材料はカカオマスとココアバターと砂糖。そして、ダークチョコレートやヴィーガンチョコでなければ、多くの製品に乳製品(全乳粉)が使用される。つまり、乳製品を使用したミルクチョコレートやホワイトチョコレート(有機農産物以外の原料が5%以上含まれるもの)は、有機農産物と有機畜産物の両方を使った「有機農畜産物加工食品」ということになる。よって、たとえ同等国の認証製品であっても「有機JAS」認証は取得できない。

多くのチョコレートのように、有機農産物と有機畜産物の両方を使った加工食品は、有機JASマークの義務付けはなく、マークを付けずに「有機」と表示しても違反とはならないが、原料や作り方が有機の基準であることが前提となる。(有機でないのに表示すれば景品表示法の優良誤認などに抵触)

事例にあるように、海外の認証を受けた同等国のオーガニック製品で、なおかつ「有機農畜産物加工食品」にあたるチョコレートなどは、有機農畜産物加工品である旨、つまり有機JASマークが義務付けられていない製品であることを示したうえで、「有機」「オーガニック」といった表現をしているのだ。

なんとも、難しい。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/