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「天然」でも加工魚に食品添加物

2015 / 09 / 1特集コラム


魚を買うときに、「天然」か「養殖」の表示を見て選ぶ人は多いだろう。一般的に養殖魚は、生簀(いけす)など狭いスペースの中で、人間によってエサを給餌(きゅうじ)されて育つ。生産性を高めるため、過密状態のストレスのかかる中、栄養価の高い配合飼料を与えられる養殖魚。病気を予防するために抗生物質などの薬を投与されることも知られており、魚の安全性への懸念から、「天然魚」を積極的に選びたいと考える消費者が増えている。

例えば、鮭。9~11月頃、産卵のため生まれた川に戻ってきた「秋鮭」。旬の生秋鮭は天然物なので、養殖の鮭に比べれば脂は少ないがヘルシーだ。身の色が赤いのは、鮭が食べているエビやカニなどの甲殻類などに含まれる、アスタキサンチンによるもので、当然天然の色だ。

「天然」でも加工魚に食品添加物

国産の天然「生秋鮭」

海外から輸入される養殖サーモンは、とてもきれいなオレンジ~ピンク色をしたものが多い。養殖された鮭は身の色を美しくするため、エサの中に人工的な添加物を混ぜるケースもあるという話も聞くが、表示で確認はできない。まずは国産なのか輸入品なのか?原産国を確認。そして「天然」か「養殖」かをチェックして、できれば天然ものを選ぶようにしたい。

また、それに加え、流通段階で使用される「添加物」をチェックすることを忘れないようにしよう。なぜなら、切り身や刺身など加工度が低い水産物にも、酸化防止剤や発色剤などの添加物が、パック詰めなどの際に使用されることもあるからだ。

「天然」でも加工魚に食品添加物

米国産の紅鮭の切り身

上の写真にある海外産の紅鮭は、養殖ではなく沖合で漁獲された「天然」ものであるとシールで表示されていた。洋上で捕獲した紅鮭を塩蔵していることから、食塩も使われているが、その次に「発色剤(亜硝酸Na)」の文字がみられる。赤身の色を保つために添加されているのだろう。

水産物の表示については、JAS法による表示が定められている。国産品には、水域名又は地域名を記載。水域名の記載が困難な場合、水揚港名か水揚港が属する都道府県名を記載する。輸入品は、原産国名を記載(水域名を併記可)する。また、養殖されたものである場合には「養殖」と記載。冷凍したものを解凍したものである場合には「解凍」と記載しなければならない。消費者は、これらの表示を見て購入の際の判断基準のひとつとしているわけだが、「天然」であるものを選んだとしても、切り身などの水産物加工品となっているものなどは、念のため原材料表示もよく見てみることをおすすめする。

ちなみに「刺身の盛り合わせ」については、加工販売事業者による自主的な原料原産地等の表示の取組を推進するにとどまっており、自主指針は設けられているものの、産地表示は義務対象外となっている。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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