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ナチュラルなのに添加物?ナチュラルチーズとプロセスチーズ

2016 / 02 / 1特集コラム


正方形にスライスしたチーズ、円形のチーズを食べやすく6等分にカットして小分けにしたチーズ、タテに裂けるチーズにピザ用のとろけるチーズなど、日本人におなじみのチーズは「プロセスチーズ」と呼ばれるもの。一方で、百貨店などの専門店など量り売りなどでおなじみの熟成された「ナチュラルチーズ」も、最近はワインブームとともにスーパーやコンビニエンスストアなどでも購入が可能となり、とても身近なものとなってきた。チーズ本来の熟成の味わいや美味しさを楽しみたい方、ワインに合わせたいときなどは、断然ナチュラルチーズがおすすめだ。

では、この「プロセスチーズ」と「ナチュラルチーズ」は何が違うのか?

食品衛生法に基づく「乳及び乳製品の成分規格等に関する省令」(通称:乳等省令)では、以下のように定められている。

「ナチユラルチーズ」とは
1.乳、バターミルク(バターを製造する際に生じた脂肪粒以外の部分をいう。以下同じ。)、クリーム又はこれらを混合したもののほとんどすべて又は一部のたんぱく質を酵素その他の凝固剤により凝固させた凝乳から乳清の一部を除去したもの又はこれらを熟成したもの

2.前号に掲げるもののほか、乳等を原料として、たんぱく質の凝固作用を含む製造技術を用いて製造したものであつて、同号に掲げるものと同様の化学的、物理的及び官能的特性を有するもの

「プロセスチーズ」とは
ナチユラルチーズを粉砕し、加熱溶融し、乳化したものをいう。

ナチュラルなのに添加物?ナチュラルチーズとプロセスチーズ

ナチュラルチーズは原料の乳の種類や製造方法、乳酸菌やカビなどの微生物、生産地の風土などにより形状も風味も大きく変わる。そのまま置いておくと熟成して、風味も変わり、食べごろの時期などもある。「ナチュラルチーズ」が乳から作られ発酵熟成させるのに対し、「プロセスチーズ」はナチュラルチーズを溶かしてから乳化剤を添加し、再び固めて成型して作られる。主となる原料はナチュラルチーズなのだが、加熱溶融により乳酸菌は死滅して発酵が止まることから長期保存が可能となる。

・・ということは、プロセスチーズはナチュラルじゃないから良くないの?という声が聞こえてきそうだ。たしかに、プロセスチーズには固めるための乳化剤や、安定剤をはじめとする添加物を使うことが多い。

ナチュラルなのに添加物?ナチュラルチーズとプロセスチーズ

【プロセスチーズ】スライスチーズの表示例

【プロセスチーズ】とろけるタイプのスライスチーズ

【プロセスチーズ】とろけるタイプのスライスチーズ表示例

では、「ナチュラルチーズ」はナチュラル=自然なのかというと、実は必ずしもそうだとは限らない。あるナチュラルチーズの例でみてみよう。一般的に、チーズは牛や山羊、羊などの乳に乳酸菌やレンネットを加えて凝固させてカードと呼ばれるものを作る。そこからホエーを取り除いた後、菌やカビを植え付けて発酵熟成させて作られる。通常であれば、記載される原材料表示は「生乳」と「塩」のみ。ところが、「アナトー色素」や「ナタマイシン」という文字が書かれている。

ナチュラルなのに添加物?ナチュラルチーズとプロセスチーズ

【ナチュラルチーズ】ゴーダーチーズ熟成タイプの表示例

「アナトー色素」は、ベニノキの種子から抽出される色素。カロテノイド系色素のノルビキシンやビキシンを主成分とするもの。もともとは天然由来の色素ではあるが、化学処理を施されたものもある。「ナタマイシン」は、防カビのために使われる食品添加物(抗生物質)だ。

ナチュラルなのに添加物?ナチュラルチーズとプロセスチーズ

チーズを購入する際は、原材料名の欄もちゃんとチェックして。「種類別」の欄にナチュラルチーズと書かれていても、ナチュラル(自然)なものだとは限らないことを覚えておこう。

海外ではオーガニックチーズの種類も豊富だが、まだ日本ではあまり入手がしにくいもの。そんな中、最近は国産の牛乳やヨーグルトなども有機JAS認証のものが増えてきた。ごくわずかだが、「有機生乳」を使った国産ナチュラルチーズなども販売されるようになったのはうれしい限り。日本の有機畜産物、乳製品がもっと身近になるよう応援していきたい。

ナチュラルなのに添加物?ナチュラルチーズとプロセスチーズ

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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