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国産春雨の原料は緑豆じゃなかった?

2016 / 12 / 1特集コラム


春雨のスープに春雨サラダ、麻婆春雨にチャプチェ・・・春雨(はるさめ)は、日本の食卓でもおなじみの食材。特にここ数年大ヒットとなった、インスタントのカップ春雨スープは、いまやコンビニやスーパーのインスタント食品売り場ではでも定番商品となっている。

もともと春雨は中国が発祥の食べ物で、中国語では「粉条(フェンティアオ)」といい、「春雨(はるさめ)」は日本で名付けられた。また、粉条(春雨)は緑豆の澱粉からつくられるものだが、日本で販売されているものの多くは、甘藷でん粉(さつまいものでんぷん)や、馬鈴薯でん粉(じゃがいものでんぷん)で作られたものだ。

国産春雨の原料は緑豆じゃなかった?
スーパーの売り場でよく見てみると、中国から輸入された春雨には「緑豆春雨」と書かれているものが多い。(中国産でも緑豆以外の澱粉で作られているものもある。)

いろいろあるけど、やっぱり国産の春雨を選びたい!ということで探してみると、自然食品店などで販売されているこだわりの国産春雨も、国産甘藷澱粉、国産馬鈴薯澱粉を使った無添加(増粘剤や漂白剤、ミョウバン不使用)というもの。国産緑豆100%の春雨というものが見当たらないのだ。現段階では、緑豆100%春雨も、甘藷澱粉と馬鈴薯澱粉で作られた国産の春雨も、オーガニック認証されたものは残念ながら流通していない。

国産春雨の原料は緑豆じゃなかった?
春雨のように身近な食材だと思うようなものでも、やはり有機原料が入手できないとオーガニック製品として流通させるのは難しいもの。私たち消費者がオーガニックの緑豆春雨を食べることができるようになるためには、中国で生産された有機JAS認証を取得した緑豆を使い、認証工場で生産したものを輸入する。あるいは有機認証の原料を日本に輸入し、日本の認証工場で加工する・・・ということが必要。さらに完全に国産のものにするには、日本で有機緑豆の生産からスタートして、澱粉に加工し、春雨を製造するところまですべて国内有機認定の生産工場で行うことが必要に・・・。オーガニックの緑豆もやしが流通するようになったので、いつかは有機認証の「オーガニック緑豆春雨」なるものが誕生するかもしれないが、その道のりは遠い。

欧米では「グルテンフリー」人気が続いているが、春雨も小麦を使用していないためグルテンフリーの部類に入る。欧米ではオーガニックの黒豆や小豆でつくった麺などが、グルテンフリーヌードルとしてたくさん商品開発されている。春雨を食する文化のあるアジアからではなく、もしかしたら欧米からの逆輸入?というかたちで実現するかも?

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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