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椎茸の菌床栽培と原木栽培、どんこと香信の違いとは?

2017 / 01 / 5特集コラム


干し椎茸(乾しいたけ)を買うときに一番気になるのが原産地、そして「菌床栽培」か「原木栽培」かだ。1メートル程度に切り出したクヌギやナラなど樹木(原木)に菌(菌駒)を植え付け、自然の環境を利用して栽培する「原木栽培」。この菌駒を打った「ほだ木」で菌を培養し、椎茸が発生するまでにはおよそ2年の歳月を要する。また、気候や天気、虫害菌など自然環境にも左右されやすい。より自然に近い栽培方法とはいえるが、発生する時期も限られ年間の安定生産が難しい。このため、必然的に原木栽培の多くは乾燥椎茸で出荷され、生椎茸にはめったに出会えない。国産生産の生椎茸のほとんどは菌床栽培の椎茸なのだ。

「菌床栽培」は、樹木を粉砕したおが屑に、米ぬかやふすまなどを栄養分を加えて成形した「菌床」に菌を植え付け、菌床室で栽培される。狭い面積でも効率よく多くの椎茸を栽培することができ、植菌してからの成長も早く、安定して収量を増やすことが可能だ。

乾しいたけの場合、パッケージに「冬菇」「香信」などと書かれた文字にお気づきの方も多いと思うが、意外と購入の際に気にしていない人も多い。椎茸には大きく分けて「どんこ(冬菇)」「こうこ(香菇)」「こうしん(香信)」の3つの呼び方があるが、これらはブランドや品種ではなく、椎茸の傘の開き具合によって分類されているもの。冬菇(どんこ)は傘が開ききる前、6分程度の開き具合で収穫したもので、香信(こうしん)は、傘が7分以上から全開となり扁平の形をしている。香菇(こうこ)はちょうど冬菇と香信の中間の開き具合のものだ。

椎茸の菌床栽培と原木栽培、どんこと香信の違いとは?

冬菇(どんこ)

椎茸の菌床栽培と原木栽培、どんこと香信の違いとは?

香信(こうしん)

乾燥した状態では少しわかりにくかった椎茸も、水で戻せば違いは歴然!傘が開ききっておらず内側に巻いていて、肉厚なほうが冬菇(どんこ)。傘が開いていることで、巻き込み具合は少なく肉厚でないほうが香信(こうしん)だ。

椎茸の菌床栽培と原木栽培、どんこと香信の違いとは?

肉厚でしっかりとした歯ごたえが特徴の冬菇は煮物、鍋、炒めもの等に。薄めでスライスして使うのにも最適な香信はちらし寿司の具、炊き込みご飯、汁物等に・・・など、それぞれ厚みや食感が違うので、おすすめの用途も戻し時間も異なる。袋に入った乾しいたけの状態では見分けるのが難しいため、「どんこ(冬菇)」「こうこ(香菇)」「こうしん(香信)」の文字を見て、料理によって合うものを選択しよう。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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