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「遺伝子組み換え不分別」の意味

2017 / 02 / 1特集コラム


食品の原材料表示などで「遺伝子組換えでない」という文字はよく目にするが、「遺伝子組み換え」「遺伝子組み換え不分別」という文字は、そういえばあまり目にすることがない。オーガニック食品や国産の無添加食品などを選んでいるから当然といえば当然なのだが、それでも、特に輸入食品の原材料ラベルを注意深くチェックしていると、ごくたまに「遺伝子組み換え不分別」という表記に出会うことがある。

例えば、ポテトチップス。

「遺伝子組み換え不分別」の意味
原材料はジャガイモと油と塩だけ。いわゆる化学調味料などの味付けはなされていないのだが、よくよく見てみると、じゃがいも(遺伝子組換え不分別)と記載されていた。

「遺伝子組み換え不分別」の意味
遺伝子組み換え不分別」とは、適切な分別生産流通管理が行われていない、ということ。「分別生産流通管理」とは、遺伝子組換え農産物と非遺伝子組換え農産物を、農場から食品製造業者まで生産、流通及び加工の各段階で相互に混入が起こらないよう管理し、そのことが書類等により証明されていることをいう。分別生産流通管理が適切に実施されている場合には、5%以下の意図せざる混入はやむを得ないものとして認められている。

▽参考資料:農林水産省
遺伝子組換え食品の表示 参考資料1-5
http://www.maff.go.jp/j/jas/kaigi/pdf/kyodo_no28_shiryo_sanko_1-5.pdf

「遺伝子組み換え不分別」農産物は、遺伝子組換えの農産物が混在しているかどうか管理されておらず、遺伝子組み換えでないと言えない、つまりは遺伝子組換え農産物である可能性がある、ということだ。

現在、日本で使用が認められている遺伝子組換え農産物は、大豆、とうもろこし、ばれいしょ、菜種、綿実、アルファルファ、てん菜、パパイヤ。これら8作物と、これを原材料とする加工食品33食品群には表示義務がある。ただし、組み換えられたDNAやたん白質が最新技術で検出可能とされているものに限られ、検出が不可能とされている油(大豆油、コーン油、菜種油、綿実油など)や醤油、異性化液糖、てんさい糖などの加工食品については、遺伝子組換えに関する表示義務はない。また、表示義務があるのは、重量に占める割合が「上位3位以内かつ5%以上」の場合となっている。

例えば、ポテトチップスの揚げ油が「遺伝子組み換え」された原料からつくられたものであっても表示義務はなく、また、味付けのために「遺伝子組み換え不分別」原料が使用されたとしても、ごく少量(5%以下)、4番目以降の表示となるならば表示しなくてよいことになる。

「遺伝子組み換え不分別」の意味

また、トウモロコシが原料であるはずの「コーンフレーク」は、”コーングリッツを主な原材料とするもの(コーンフレークを除く。)”となっており、表示義務がない。そのためか、流通しているコーンフレークについては、あえて「コーングリッツ(非遺伝子組替え)」「とうもろこし(遺伝子組換ではない)」といったように、表示義務はないのにわざわざ任意で表示しているメーカーが多いようだ。ただし、多くのコーンフレークには甘味料などが使われていたり、栄養強化のための原料が添加がされている。先ほどのポテトチップスの例と同じく、ごく少量使用されるケース(5%以下)、原料の表示順位4番めからは表示義務はないので、コーンが非遺伝子組み換えであっても、その他原料が必ずしも非遺伝子組み換えではない、ということだ。

「遺伝子組み換え不分別」の意味
トウモロコシを原料とする澱粉の「コーンスターチ」には表示義務がある。スーパーなどに売られているコーンスターチ製品そのものには、当然「とうもろこし(遺伝子組換ではない)」「とうもろこし(遺伝子組換不分別)」といった表示がなされている。しかしながら、コーンスターチの用途の多くは、凝固剤としてや料理にとろみをつける為、食感をよくする為など。加工食品にはよく使用されるが、大量に使われることは少なく、表示義務の対象外となることがほとんどだろう。私たちは知らず知らずの間に、遺伝子組換え、遺伝子組換え不分別の食品を口にしているのだ。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/