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メドウズ今昔物語-その2 「これまでから学んだことメドウズのこれから」(全3話)

2017 / 08 / 20特集コラム


前輸入者から引き継いだ輸入代理店業務。しかし、これまで弊社はアロマテラピー用品の小売を中心としていたためにいきなりメーカーになっても何をしたらいいかがさっぱりわかりません。その中で救いの手を差し伸べてくれた2人の女性がいました。

現在こちらのコラムで執筆を続ける三木とカタログやチラシを作成する山内です。2人は長年、前輸入者で営業と品質管理に携わり経験を重ねてきました。「このままではメドウズの名が消えてしまうかもしれない。なんとしても最悪の事態を防ぎ、メドウズをお客様に届け続けたい」とあえて火中の栗を拾う申し出をしてくれたのです。私はこの2人の女性とともに3人で代理店業務をスタートさせました。

2人のおかげでお客様との関係が断絶してしまう最悪の事態は回避できました。また、ダーリン・ペインも積極的にサポートを申し出てくれて商品も滞りなく届き、順調に代理店業務をスタートすることができたと思います。売上も徐々に回復し、代理店業務を引き継いだ翌年の2010年、ローズウォーターやオーガニックキャリアオイルなどの新商品を発売できました。また、ダーリン・ペインも商品パッケージのリニューアルで新生メドウズをお客様へアピールする応援をしてくれました。

皆様の手助けにより成長を続けていたものの、2013年に事件が起こります。もっとも大切にすべき関係であるダーリン・ペインとのコミュニケーションが途絶えてしまったのです。きっかけはキャリアオイルのボトルや外箱の製造に関することでしたが、商品製造全般に広がり、終いには回復を見せていた売り上げは再び低迷を始めます。

メドウズ今昔物語-その2 「これまでから学んだことメドウズのこれから」(全3話)

ジュニパー・ベリーの香りを確かめるダーリン・ペイン

しかし、この時にも幸運の神が訪れました。滋賀県近江八幡市に本社を置く株式会社彩生舎の西村社長がメドウズの国内販売業務を支援してくださり、弊社は商品の製造と輸入に注力することが出来たのです。そのうちにダーリン・ペインとの誤解も解け結局は「おたがいの理解と思いやり」が足らなかったという反省をすることが出来ました。

ところで、「おたがいの理解と思いやり」とはなんでしょうか。これまでご覧の通り私がメドウズを引き継いだ時、事業としての絶頂期はすでに過ぎ去り、むしろ衰退の一途をたどっていました。多くの方々の応援と励ましでなんとか商品の販売を続けることが出来ていました。「メドウズを守るために売上を上げなくてはいけない」この部分に私は囚われすぎていたのです。

なんとかしてメドウズの衰退を食い止めたい、売上を伸ばしたい。そして、苦境から早く脱出したい。その思いで歯を食いしばって頑張ってきましたが、売上の増加は必ずしもダーリン・ペインの幸せには繋がっていませんでした。むしろ彼は、「自分が納得した商品を納得がいく方法でお客様にお届けすること」を望んでおり、次々と日本から寄せられる意見や要望に対応できないでいました。

メドウズ今昔物語-その2 「これまでから学んだことメドウズのこれから」(全3話)

ケント州は「英国の庭園」とも呼ばれる

そもそもメドウズは自然のままであることを意味しており、作り手や売り手が無理をして自然のままでないのは本末転倒です。ダーリン・ペインは売上や利益よりも、「自分が信頼する生産者から届く精油やキャリアオイルを最良の状態でお客様へお届けし、アロマテラピーの発展に貢献する」ことを大切にしていました。「お手頃な価格で毎日使える品質の高い商品」というメドウズが日本で発売された時のコンセプトをいつしか見失っていたように思えます。これまで20年以上に渡り日本からのリクエストに全力で答えてきたものの、その時のメドウズは彼の目指す方向性から大きく逸脱してしまっていたのです。

ダーリン・ペインは自然からの恵みを自分が丹精込めて作る商品に凝縮してお客様へひとつひとつ丁寧にお届けすることを望んでいました。私はメドウズの核となるダーリン・ペインのメッセージを見落とす大きな間違いを犯していました。同時に前輸入者が築いてきたメドウズ像に囚われすぎており、商品に自分の思いやメッセージを載せていないことに気づいたのです。

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メドウズのこれから

ダーリン・ペインが望む「自分が納得した商品を納得がいく方法でお客様にお届けすること」とは以下のように解説できます。

1.作り手との距離が近い・顔が見える
ダーリン・ペインが信頼する生産者が丹精込めて作り上げた原料からハンドメイドで作られる商品を弊社が輸入、お客様へ直接販売をしているためお客様との作り手の距離が近いのが特徴です。

2.原料・製造法に偽りがない
天然原料をハンドメイドで加工し作られるメドウズの商品はごまかしが効きません。例えば原料のグレードを変更するとすぐに香りや質感に変化が生じるため、偽りが判明してしまいます。

3.マーケティングの力で売ろうとしない
商品の魅力を地道にアピールすることで、商品を本当に必要としているお客様にのみお届けしています。

日本には数多くのアロマテラピーに関連する企業がありますが、果たしてこのような方法で商品を販売する企業がどれだけあるでしょうか。どの企業も、他社との競争に勝ち抜くため戦略を考え、宣伝、広告に余念がありません。その中で、このような方法でメドウズは生き残っていけるのでしょうか。

私は生き残っていけると断言しますし、その道こそがまさにメドウズなのです。無理をせず自然のままであり続けること、meadowsというブランド名そのままであることがお客様のご期待にお応えすることにつながると思います。原点に立ち返りメドウズらしさをこれからも追求していくこと。これが私に課せられた使命だと思っています。

メドウズ今昔物語-その1 「メドウズのこれまで」(全3話)

私は年に2回、それぞれ10日前後ダーリン・ペインと時間を共にします。特に最近は、彼の家に泊まり彼が何を考え、何を希望しているのかをじっくり聞くようにしています。自然を愛し、自然と共に生きることを希望する彼は、現在ハーブガーデンを備えたエコハウスの建築に力を注いでいます。これまで、すれ違いやコミュニケーションの断絶はあったものの、現在の関係は最良です。ビジネスパートナーの関係だけではなく、友人としても関係を深める。これは私たちにしか出来ないことであり、それがメドウズのオリジナリティーにつながると信じています。この関係性で得られる彼のメッセージを商品に載せて皆様にお届けしたいと考えています。

メドウズが日本で発売されて今年で23年。アロマテラピーを取り巻く環境は大きく変化しました。一部の専門家だけではなく、多くの方がアロマテラピーを楽しむようになり、日本アロマ環境協会が行うアロマテラピー検定も老若男女問わず多くの方々の受験をされています。しかし一方でエッセンシャルオイルも安価なものから高価なものまで幅が広く、どれを選んだら良いか分からないというお声も多くいただきます。誤った使い方を推奨するメーカーもあるなど、現在の業界の動向に私たちは疑問を感じております。

メドウズ今昔物語-その2 「これまでから学んだことメドウズのこれから」(全3話)

気候変動等で良質な原料が手に入りにくくなっており、ダーリン・ペインの言う「自分が納得した商品を納得がいく方法でお客様にお届けすること」の実現が年々難しくなっています。しかし私たちは、ダーリン・ペインが願う「メドウズの商品がアロマテラピーの発展に貢献する」ことの実現に向けてこれからも確かな商品の提供を続けていくと共に、メドウズらしさを貫き、売上のための商品製造や販売は一切行いません。

引き続き皆さまのご期待に添える商品づくりを心がけてまいりますので、今後ともよろしくお願いいたします。

▽メドウズ今昔物語-その3 「メドウズの商品作り」(全3話)
http://organic-press.com/feature/meadows_column_vol12/

植物で人と人を繋ぎたい。ダーリン・ペインの想い

株式会社メドウズアロマテラピープロダクツ
http://www.meadowsjp.com/

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鈴木 壮哉
株式会社メドウズアロマテラピープロダクツ代表取締役。東京でのサラリーマン生活を経て、アロマテラピー用品のオンラインサイトを立ち上げる。2009年から国内輸入代理店としてメドウズ商品の販売を開始。小売とメーカー両方の経験からお客様の声を大切にした商品づくりを心がけている。近年はヨーロッパのサプライヤー開拓に力を入れており、イギリスだけでなくアロマテラピーの本場フランスの企業からもエッセンシャルオイルの輸入を行い、同業他社向けのOEM事業を強化している。