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オーガニック野菜の販売スタイルは「セルフスタイルで量り売り」

2009 / 03 / 11特集コラム


欧米諸国のオーガニックスーパーでは、野菜や果物に過剰包装しない「ばら売り」「裸売り」「量り売り」のスタイルが一般的だ。自分の必要な分だけを袋に入れ、ハカリにのせて出てくる料金シールをつけてレジで精算する。通常、販売者側がバックヤードで袋詰めする作業を、買う側がやることになるわけだ。「セルフスタイルで量り売り」は、一般的に、包材などに余分なコストをかけないため、比較的安く提供されやすい。消費者側にとっては手間かかるが、直接鮮度や香りを感じながら、好きなものを好きなだけ、必要な分だけ、無駄なく安く購入できるというメリットもあり、また、無駄なゴミも削減できる。

それなのに、何故か「ばら売り」「裸売り」「量り売り」のスタイルは、日本ではほとんど普及していない。過剰とも思えるような、袋やトレイ、ラップなどでパックされたものがほとんどだ。海外の青果コーナーや市場などの販売スタイルは、ビジュアル的にも素敵で、販売側としても試してみたいと思うところだが、鮮度保持の面だけでなく、消費者側にも受け入れられにくいということで、なかなか取り入れられていない。長年の買い物習慣を変えるのは、大変難しいことなのだ。

オーガニック野菜の販売スタイルは「セルフスタイルで量り売り」

では、日本のスーパーで有機野菜が「しっかり」袋詰めされているのは何故だろう?

日本では有機農産物であっても、有機JASマークが付されていない場合は、「有機栽培農産物」「有機栽培○○」「○○(オーガニック)」等の表示をすることができない。例えば、ケースで有機のじゃがいもが入荷された場合、段ボールには有機JASマークが表示されているはずだが、じゃがいも1つ1つには、当然表示はされていない。お店では、これを適量を袋詰めして価格を表示して販売する。しかし、その小売店が「有機小分け認証」を取得していなかったら、袋詰めをした製品には、有機やオーガニックとは表示ができない。「オーガニック」であることをきちんと明示しつつ、自店による袋詰め、量り売りをするためには「有機小分け認証」を小売店で取得する必要があるのだ。

小分け認証を取得するには様々な条件をクリアすることが必要なうえ、納品から小分け、出荷までの記録を管理するなどに手間や人件費等コストもかかる。店側としては「有機認証」であることで慣行品との差別化を図りたいので、あらかじめ適量に小分けされ有機JASマークが付いているものを仕入れる。

日本における長年の買い物習慣、鮮度保持、売り手側の管理、表示のルール・・・こういった現状が「ばら売り」「裸売り」「量り売り」のスタイルを定着しにくくしている。

オーガニック野菜の販売スタイルは「セルフスタイルで量り売り」

ドライフルーツやナッツの量り売りも同じこと。さらに日本の気候風土では、湿気による劣化やカビの発生、酸化も起こりやすいなど鮮度保持が難しい。異物混入の恐れなどもある。

また、そもそも日本の消費者は量り売りに慣れていない。どれくらいが100gになるのか?の想像できず、対面の量り売りでも店員に声をかけることがためらわれる消費者も多い。総菜売り場などでは、大中小のカップを用意して、これで〇〇〇グラムくらい、これで〇円くらい、という目安を見た目で判断しやすく工夫している。あらかじめ、店側で量り売りしたものを売場に置いて準備しておくことも多い。

ファーマーズマーケットのように、「ばら売り」「裸売り」で陳列したものを、対面で「量り売り」をすることもハードルが高いが、さらに「セルフスタイルの裸売り、量り売り」となると、日本での実現はなかなか難しそうだ。

 

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

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