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よりカラフルに、よりヘルシーに。有機野菜がメインの「ヴィーガンスプレッド」

2017 / 10 / 12特集コラム


ヨーロッパのスーパーへ行くと、グロッサリー売り場で必ず目にする「パテ」などのスプレッドやペースト類。まずはじめに思い浮かぶのは、鶏レバーのパテや、豚肉のパテ(リエット)など。主となる原料は動物性素材で、ムースなどには乳製品や卵等も使われることがある。そんなパテを、野菜やきのこ、植物油脂等を使い、ベジタリアン、ヴィーガン仕様にしたものは以前から販売されていたが、今回オーガニックスーパーにおける「ヴィーガンパテ」(スプレッド・ディップ類)の品揃えの豊富さには、あらためて驚かされた。ひょっとしたらジャムやピーナッツバターなど、甘いペースト類の売り場より、もっと販売スペースをとっているかもしれない。

よりカラフルに、よりヘルシーに。有機野菜がメインの「ヴィーガンスプレッド」
赤いとんがり帽子のロゴデザインでおなじみ、BIOジャムやスプレッド、ソース等のパイオニア的ブランド「Dwargenwiese」。ドイツ・アウグスブルグで開催された、オーガニック見本市「BioSüd」でも大人気だった。ずらりと並ぶ試食に、現地バイヤーたちの人だかり、行列ができるほど。

よりカラフルに、よりヘルシーに。有機野菜がメインの「ヴィーガンスプレッド」

オーガニックスーパーの棚でも大きくスペースをとっている。これら、多くのパテ、ディップ、スプレッド類に共通する傾向が、BIO(オーガニック)、VEGAN(ヴィーガン)、GLUTEN FREE(グルテンフリー)だ。この3つのコンセプトは、同カテゴリー内において、もはや特別なことではない。むしろ、これがスタンダードだ。

ヴィーガンのパテやスプレッド類は、一昔前までは、本来動物原料で作られる「パテ」やクリーム系の「ディップ」を、植物性素材のみを使ってその味や食感を再現したものという、加工調味料のひとつという認識だったが、いまや一つのカテゴリーとしてその存在を確立したともいうべき、圧倒的な品揃え。そして、より美味しくヘルシーに、よりカラフルに、進化していた。

よりカラフルに、よりヘルシーに。有機野菜がメインの「ヴィーガンスプレッド」

まず、原材料について。ヴィーガンパテは、有機ポテトやその他野菜類、シード類をベースに、ヤシ油やヒマワリ油といった植物油を加える事で乳化、ペースト状にする。その基本的な考え方は変わらないのだが、製品によっては、その油脂の量が多いケースも。オーガニック認証でヴィーガンと言えど、やはり使用される調味料や脂質の量など、気になる部分はある。

今回、店舗で通常の棚の他にもエンド陳列などで大々的に販促されていたのが、このAllosの「HOF GEMÜSE」のシリーズ。こちらの訴求ポイントは、先ほどのBIO(オーガニック)、VEGAN(ヴィーガン)、GLUTEN FREE(グルテンフリー)の3点に加え、野菜の含有量が多く、脂肪分が控えめ、という点だ。野菜は最大70%。最大でも脂肪含有量は20%、それ以下におさえている。精製糖、酵母エキス(イースト,yeast)は使わないなどの点においてもこだわっている。およそ20種ほどのラインナップだ。

よりカラフルに、よりヘルシーに。有機野菜がメインの「ヴィーガンスプレッド」

また、ペーストの色についてだが、従来のヴィーガンパテ(ペースト・ディップ)の色は、どうしても単調になりやすかった。乳白色、ベージュ系に、きのこ類やハーブの色味、トマトやパプリカなどが入れば赤い色がつく程度。ところが、かぼちゃやトウモロコシの黄色、ビーツのピンク、グリーンピースブロッコリー、ズッキーニ、バジルなどのグリーン、トマト、パプリカの赤系など、より野菜本来の美しい色を活かした製品が登場。カラフルで楽しく、ヘルシーで、しかも美味しい。

よりカラフルに、よりヘルシーに。有機野菜がメインの「ヴィーガンスプレッド」
こちらは、ビーツと西洋わさびがメインのもの。ペーストの中には細かく刻んだビーツも入っていて、胡瓜のピクルスや玉ねぎといった野菜類で70%。お砂糖は使用せずアガベを使っているようだが、あまり甘くなく爽やかな酸味で、お酢の酸っぱさを調整する程度に使われている。水分量も多くやわらかめだから、パンなどにスムーズに塗ることもできる。野菜類のディップ、サラダのドレッシング、マヨネーズ代わりに和え物に使うなど、アレンジも楽しめそうだ。何より色がきれいなので、食卓も華やかに!ちょっとしたパーティーやおもてなしなどにも活躍しそうだ。

日本でもオーガニックのドレッシングや、裏ごし野菜、ベビーフードなどペーストやピューレはあるが、複数の食材を組み合わせた加工食品はまだそう多くない。パンに合わせるスプレッド類は果物を使ったジャムやナッツ類のペーストなど甘いものが多く、野菜がメインのヘルシーなものはあまりない。また、国産で無添加系のディップソース類などは販売されているものの、マヨネーズ系の卵、クリームチーズなどの乳製品などが使われることが多く、VEGAN対応のものではない。消費者の様々な食のニーズに合わせ、楽しくて美味しい、便利な加工食品がもっと広がるといいなと思う。規格外の有機野菜などを使って実現することは、そんなに難しいことではない気がする。

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佐藤アキ (Aki Sato)プロフィール

大学時代は社会福祉を専攻。老人福祉を学びボランティア等の経験から「健康」「食」「環境」に強い関心を持つようになる。自身が幼少期から現在に至るまでアレルギー体質であることも、自然・健康産業分野に従事するきっかけのひとつとなった。首都圏を中心にオーガニック専門店を展開する企業で経験と実績を積んだ後、健康関連商品を扱う日本最大級の通販サイトへと活躍の場を移す。リアル店舗の現場からE-コマースの分野へと、当時オーガニック業界とは真逆の文化とも言えるであろう、インターネットという未知の世界に飛び込み、それぞれに黎明期とも言われる時代に経験を積んだユニークな経歴を持つ。それぞれの分野で蓄積された知識と経験を活かし、さらに消費者という情報の受け手側に立った視点も加えたソリューションを提供することを決意。業界先駆けとなるオーガニック専門の情報サイト『TOKYO ORGANIC LIFE (東京オーガニックライフ)』、『ORGANIC PRESS (オーガニックプレス)』を立ち上げた。

http://www.organic-press.com/about/