海外のオーガニックコスメやオーガニック精油(エッセンシャルオイル)には使用期限が印字されていることが多いのに、国内で生産されているナチュラルコスメや雑品扱いの精油などには、期限が記載されているものは少ない。

薬事法上では一部指定された成分を含有するものと「製造又は輸入後適切な保存条件のもとで3年以内に性状及び品質が変化するおそれのある化粧品」以外は、使用期限をあえて明記する必要がない。(薬事法 第61条)つまり、通常3年以上品質を保つように製造された製品には、期限を記載しなくても良いこととなっている。 言い換えれば、表示のないものに関しては製造から3年は品質が保証されているということだ。

メーカー直売の場合は基本的にロット番号で商品の管理をし、適切な時期に処分するなどして製造や出荷時期をコントロールするなど、常に品質を管理されているだろう。しかしながら、メーカーから直接購入した場合でも、消費者にはその製品がいつ作られ、これから使ったらいつまで使用可能か?までは通常、問い合わせして調べない限りわからない。

メーカーやベンダーから小売店に納品された段階でも、どれくらいの使用期限が残っているのかは、明らかにされない場合が多いのではないだろうか?さらにいえば、ベンダー側で化粧品の使用期限をロットで管理し、自主的に出荷期限などを設けているところはどれくらいあるだろうか?商品にはロット番号が記載されているので、確認することは可能だが、実際にそこまで徹底できているとは思えないのが正直なところだ。

Supmile(サプミーレ)の箱に設けられた開封日記入の欄

こういった、製品の使用期限や出荷期限などを自主的に設けている国内メーカーがある。R.B.G(株)が製造するナチュラルコスメ「Supmile(サプミーレ)」の製品には箱、そしてボトルの底の部分に「使用期限」が西暦と月で明記されている。箱を開けたところには、「開封日」を記入できるスペースがあり、さらに消費者の方への配慮がある。メーカーからの出荷も、製造してから3か月以内のものに限定するなど、徹底的に管理されている。メーカー直の通信販売だからこそできることかもしれないが、こういった品質管理に対する姿勢は、消費者にとって大きな安心感につながる。

製品に記載された使用期限表示

販売する側にとって、品質や安全性を守るための商品管理は大切なことだが、一方で、店頭在庫の期限表示が複数にわたる場合など、新しいものから購入され古いものが残ってしまいがち、年が変わると、十分に使用が可能なのにもかかわらず敬遠されがち・・・など、食品を販売するのと同様の悩みが発生・・・というのがホンネの部分では少しあるかもしれない。

化粧品の使用期限表示には賛否両論あると思うが、化粧品も食品と同じ。時間がたつほど劣化してしまうものだ。開封して空気に触れれば、開封前以上の速さで酸化して、成分が変質・劣化していく。

化粧品はお肌に直接つけるものだからこそ、鮮度にもこだわりたいもの。ナチュラル系コスメこそ、消費者側から期限表示を強く求められている。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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