半導体やディスプレイの製造現場で使用される精密温調装置の開発・生産を行う装置メーカー、伸和コントロールズ株式会社が、川崎市麻生区の本社社員食堂を「オーガニック社員食堂」として2018年4月リニューアルオープン。早速取材訪問させていただきました!

明るく開放的、清潔感のある社員食堂です。

食堂と同フロアにある休憩スペースも、素敵な北欧系家具やインテリアで統一されていておしゃれ。ゆったりリラックスできる贅沢な空間でうらやましいですね。社員の家族も集まるようなイベントもあるということで、小さなお子様も楽しく遊べるようなグッズなども置いてあります。書棚にはビジネス書をはじめ、ジャンルを問わず様々な書籍があり、中にはオーガニック関連の本も置かれていました。

訪問した4月9日(月)は、初めての「ミートフリーマンデー(MEAT FREE MONDAY)」の日。社員食堂がオーガニックというのも珍しいですが、さらにミートフリーマンデー、つまり週に一度動物性の食べ物をやめる、VEGAN(ヴィーガン)メニューの日がある社員食堂は、日本ではなかなか無いのではないでしょうか?今まで聞いたことがありません。

※2018年4月現在、第一月曜日を「MEAT FREE MONDAY」としています。

何故、社員食堂にミートフリーマンデー(MEAT FREE MONDAY)を取り入れたのか?と尋ねてみたところ、海外からのお客様にはベジタリアン(菜食主義者)の方も多く、日本に来られた外国人のお客様のために、安心して食べられるレストランなどを探す経験をしたことが、きっかけの一つでもあるそうです。多様な食文化や食習慣を理解することが大切であり、社会とのつながりの意識や国際理解にもつながります。肉食を避けることで実現できる環境保全活動への理解も促進したいと考えているそうです。

奥の厨房では、この日のメニューが準備されていました。野菜は有機、無農薬や減農薬のものを採用。お味噌汁の出汁には粉末やパックの出汁ではなく、昆布やしいたけからとっています。リニューアル前の厨房には、冷凍をストックするため冷蔵庫より冷凍庫のスペースが多く、オーガニック社員食堂になった今、冷凍庫はガラガラ。野菜などを入れる冷蔵スペースが足りない!というエピソードも。作り置きはしない、冷凍素材や保存料や化学調味料は使わない、手間を惜しまず最高の食事を提供するオーガニック社員食堂です。


午前中の新入社員研修を終えた新入社員の皆さんが、12時になり続々と食堂に集まってきました。トレイにおかずをのせ、ご飯やお味噌汁は自分でよそいます。良く見ると、ご飯茶碗のサイズや柄がばらばら。プラスチックではなく、すべて陶磁器です。長崎にも事業所があることから、磁器で有名な焼き物の町、長崎県波佐見町の波佐見焼(はさみやき)のお茶碗が採用となったとのことでした。適度な重みとホンモノの手ざわり。本物の和食器で食事をいただくことは「食育」にもつながります。

ご飯は、玄米から胚芽やぬかの部分を一部残して精米した「分づき米」。玄米より食べやすく、白米に比べ栄養価も高い分づき米。噛み応えがあり、自然と咀嚼の回数も増えます。


男性新入社員さんの、大盛りによそられたご飯が微笑ましいですね!

この日のAランチは、

・車麩のフライ
・ひじきとじゃがいもの煮物
・ワカメサラダ
・和風ピクルス
・分づきのごはん
・季節野菜のお味噌汁

ちなみにBランチは、季節野菜のスパゲッティでした。

揚げ物は、カツやフライのように見えますが、ミートフリーマンデーということですべて植物性素材。お肉の代わりに「車麩」を使っています。気になる味の感想は?「お肉ではないことはわかるけど、違和感ない」「ボリュームも満足」「美味しい」と、男女ともに評価は上々のよう。具だくさんのお味噌汁や分づきのご飯も、皆さん残さず完食されていました。

「世界中の顧客から寄せられる厳しい品質要求に、社員は、常に真剣勝負で応えなければなりません。社員の最高のアウトプットのためには、最高のインプットを。」

そんな想いからスタートした、伸和コントロールズ株式会社のオーガニック社員食堂。多くの人は社会人になってから、多くの時間を会社で過ごすことになります。だからこそ、お昼のひとときや食事はとても大切。食は仕事のパフォーマンスを左右するだけの影響力があります。

社員食堂をオーガニックに!食育は社員食堂から!

今後こういった取り組みの企業が増えるといいですね。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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