ヨガインストラクターさんは、お肉を食べないベジタリアン?そんなイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。実際、どんな食生活をしているのか、今回、インストラクターのサユリさんにお話を聞きました。
ヨガインストラクターのサユリです。私はふだん、マクロビオティックの陰陽の考えを取り入れながら、和食中心の食事をしています。
無農薬の玄米、時には家族と同じ分付き米や、麦、アマランサスなど雑穀を混ぜて炊き、1日1杯は味噌汁を飲むよう心がけています。有り難いことに父や母の友人もオーガニック野菜を栽培しているので、頂くことも多く助かっています。
調理法は、「煮る・炒める・蒸す・漬ける」など、バランスよく。夏でも体が陰性に偏って冷えないよう、生野菜のみではなく根菜の煮物など火を通したものをプラスしています。
味付けは、シンプルなものが多いですね。
昆布やカツオ節・醤油・味噌・塩麹など発酵したもの、練り胡麻やリンゴ酢、天然塩、コショウ、てんさい糖、にんにくや生姜などで整え、できる限り質の良いもので、化学調味料を取らないよう気をつけています。
私はもともと、小さい頃から肉があまり得意じゃなかったのでほとんど食べません。でも、うちは厳格なベジタリアンでも、マクロビオティックの食事でもないんです。
高校生の息子は運動部ですし、主人も肉は好きなので、食卓にはよく登場します。肉料理の日は、(私も時々頂きます)私のメインを魚や豆製品に置きかえて、海藻や野菜をたっぷり摂るようにしています。
ハンバーグや餃子を作る時は、デトックスを期待して無農薬の玄米ぬかを混ぜたり、野菜をすりおろして混ぜて、こっそり肉の量を調整することもあります。
マクロビオティック料理のリマ・クッキングスクールに通い出した頃は、厳格にマクロビオティックを実践していました。
私はもともとさっぱりした味や、和食が好きだったので抵抗がなかったのですが、主人や息子は、肉も好きなので物足りなかったようです。
子供が幼稚園に入ると、お友達と遊びながらお菓子やジュースを頂く機会が増えてきて……。
伸び伸び育てたかったですし、みんなが食べているものを息子1人だけ「食べちゃダメ!」っていうのも私の顔色を伺うようなってしまうし、何か違うような気がして……。すごく葛藤しましたが、ある時友人から、みんなで一緒に食べる食べ物は、「子供にとって心の栄養だね」という言葉を聞いて納得できたんです。
本来、「体と心を健やかにする」のがマクロビオティックのはずなのに、何か間食すると、罪悪感や自分や家族を心の中で非難している自分に気づいたんです。「健やかな体と心」を目指していたはずなのに、いつの間にか頭が固くなって心がギスギスしてました。笑
家族や友人との調和を乱してまで実践する食生活は、はたして「真の健康」って呼べるのか?私の目指す「調和」なのか?という疑問が湧き、家族が満足しながらも健康をサポートしようと、今の食生活に落ち着きました。
そもそもマクロビオティックでは、よく肉は食べないと知られていますが、健康な人や状態によっては、週に何回かはOKなんですよ。
食は、感情や思考も作ると考えられているので、私1人違う食事をするよりは、ある程度家族と同じものを食べて繋がりを保ちたいと思っています。
私にとって、食もヨガも、バランスを取るためのものなんです。
自分の心と体、大切な人との調和の中で、ニュートラルな自分の軸から、感謝を忘れずに、その時々に必要な選択をしてゆきたいと思っています。
時にはエゴの自分に引きずられることもありますが。笑
そんな時は、自分を責めることなく、またバランスを取る選択をするだけ。
私たちの心も体も、人生も、常に揺れ動くものだから。
そうして、その時々の「調和」を見つけながら、より良い方向に進んでゆくのが、私にとってのヨガかなと思っています。
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よいというものでも、それを優先するあまり、本来目指していた「健やかな体と心」から離れていくようでは本末転倒ですよね。いったん実際に厳密なマクロビオティックを実践した末に、家族とのバランス、自分の心のバランスに行きついたお話は、とても心に響きました。
私も鎌倉に行ったときにランチで訪れたことのある自然食レストラン「ソラフネ」。素敵な古民家で、まるでお友だちのおうちに遊びに来たような親しみのある空間でした。あとから、サユリさんのお姉さんとお母さんが営んでいると知り、えーっ!とうれしい偶然を喜びました。
サユリさんのお気に入りレストラン
穀菜カフェ ソラフネ
鎌倉・大町。築100年の古民家を利用した自然食のレストラン。
サユリさんのコメント
「ソラフネでは、体も心もほっとするので、安心して食べられます。時々、ソラフネのスペースで、ヨガやマントラのクラスを開催するのですが、クラス前後に、ランチをいただきます。姉の作った玄米スコーンや、マクロビオティックの生チョコケーキも、私のお気に入りです。」
サユリ(奈良輪 小百合)
ヨガインストラクター
腰痛をきっかけに体のバランスを整えようとヨガを始める。心身が健やかになるだけでなく、自分と向き合い、ありのままを受け入れることで、自分を癒せることを学ぶ。ヨガを続けるうちに、体と心、自然とのつながりを深く感じるようになる。食が心身に及ぼす影響に興味を抱き、マクロビオティックを学び、日々の家族との食事に取り入れている。
・studio yoggyティーチャー・トレーニング・コ―ス(TTC11)ほか、数々のヨガトレーニングを修了。
・ヴィヴェーカナンダ・ヨーガ研究財団ヨーガ教師
・リマ・クッキングスク―ル初級、中級コ―ス修了
現在、スタジオ・ヨギー渋谷、中目黒、横浜で、「アロマヨガ」「リラックス(ヨガ)」「リストラティブ(ヨガ)」「ヨギー・ヨガ イン・フロー・ベーシック」「マタニティヨガ」などを担当しているほか、Heat of yogaで横浜エリアを中心に地域の人に向けたヨガクラス開催など活動している。マントラやサンスクリット語の響きを味わう音の瞑想、Heart of soundの学びを深めている。
この記事を書いた人
スタジオ・ヨギー/ヨギー・マガジン
コンテンツディレクター 七戸 綾子
studio yoggy presents「ヨガをする人たちのほんとうのところ」
ヨガスタジオ「スタジオ・ヨギー」を全国20カ所に展開する株式会社ロハスインターナショナルにて、コンテンツディレクターを務める。音声アプリ「音ヨガ」「寝たまんまヨガ」の企画・制作、広報誌やオウンドメディアの編集を経て、2016年「ヨギー・マガジン」を立ち上げ、ヨガにまつわる記事やストーリーを発信している。
これまで一番効果があったダイエットは、炭水化物、脂肪、糖分を抜く“リセットダイエット”だったが(-9kg減)、元来の食いしん坊が災いしてあっという間にリバウンド。鍼灸師であり食事療法士の辻野 将之氏に、東洋医学に基づいたホリスティックな視点を学び、食養生ジュニアコーディネーターに。現在は、旬のもの、ナチュラルな素材のものを美味しく食べることを心がけている。