小麦の代替品のラインナップに大きな変化が!今まで、グルテンフリーで小麦粉の代替品として使われてきた代表的な食材は、米粉、そば粉、そして大豆やひよこ豆など豆類の粉だったが、今回の「Natural Products Expo West 2019」では、GLUTEN FREE(グルテンフリー)、GRAIN FREE(グレインフリー)、NUT FREE(ナッツフリー)の3つの要素を満たす、キャッサバやアロールートなどの粉末が多くみられた。

これらは、PALEO(パレオ)ブームの流れからきているもの。「パレオダイエット」とは、旧石器時代、農耕や牧畜を開始する前の狩猟採集を基本とする時代の食生活を取り入れた食事法。そのため、小麦はもちろん米や豆もNGなので、イモ類や植物の根っこの部分などで炭水化物を摂取する。

例えば、キャッサバ。“タピオカ粉”と言った方が日本ではなじみがあるかもしれない。キャッサバは南米産のイモの一種で、キャッサバの根茎から作られたでん粉が、キャッサバ粉だ。昔から小麦や米にアレルギーがある方の代替食として、日本でも自然食品店等で販売されていたが、タピオカのほかにも、片栗粉やコーンスターチのように食品にとろみをつけるのに使用されたりする。

PALEOブームも後押しし、粉だけでなく、様々なグルテンフリーの加工食品に、小麦の代わりとして利用されている。

アロールート(Arrowroot)は、クズウコンのこと。日本でいう“葛”とは別物。葛がマメ科の植物であるのに対し、クズウコンはショウガ目クズウコン科。ウコンのような根茎があり、そこから葛のようにでん粉がとれることで“クズウコン”と言われるようになったらしい。別物とはいえ、多くのでん粉を含み同じようにとろみづけなど、料理に利用できる。

片栗粉やコーンスターチのように、主にとろみをつけるような用途として使うが、日本でもでん粉を使ったお子様用のおやつ「たまごボーロ」があるように、グルテンフリービスケットやクラッカーなどに使われている。

小麦粉や穀類、乳製品、大豆を使わずに使ったクラッカー。ベースの粉にアロールート(クズウコン)を使用し、アーモンド粉、オーガニックの平飼卵の白身、オリーブオイル、海塩が主な原料。このようにグルテンフリーのパレオスナックとして商品化されているものもある。

小麦粉と比べるとタンパク質が少ないことから、パンや焼き菓子などにそのまま使用しても味や食感の完全な再現は難しい。それでも新たな代替食材の登場とともに、各社レシピや技術の開発も進んでおり、グルテンフリー製品の選択肢はますます広がっている。

牛乳の代替として豆乳が登場し、続いてアーモンドミルクやオーツミルクなど、いわゆる“第3のミルク”がすっかり私たちの日常生活に定着したように、“第3の粉”小麦粉の代替食も、市場の広がりの可能性を秘めている。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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