禁煙するとデトックス(解毒)で有機を実感できる?

街には禁煙ゾーンが増え、愛煙家にとっては強烈に肩身の狭い思いに悩まされる日々でしょうか。それでもやめない、やめられないが愛煙家たるもの!?

しかし、思い返せば不思議なもので、ひと昔前は映画館や地下鉄のホームだろうが、レストランのどのテーブルだろうがタバコは当たり前に吸われていた。周囲もさほど気にするほど迷惑そうな気配はなかったように記憶している。(ホントは嫌だったらしい)

それが25年位前(正確には?だけれど、ニューヨークからそんな過激なニュースが入り始めていた)から禁煙ゾーンと嫌煙気分が、はじめはゆるやかに広まっていった。   今となってはもう誰もこの勢いを止められない。  そろそろ一箱、一気に千円なんてこともありそうである。嫌煙権はさらに強く主張される。対抗して喫煙権を主張しようものなら、火に油を注ぐ勢いで喫煙マナー、伏流煙の健康被害が指摘されるだろう。

残念ながら、愛煙家が「タバコは身体に悪いが・・・」と感じ、まだ「ポイ捨て」を見かける以上、かつ周囲への悪影響をシャットアウトできなければ形勢逆転はない。むしろ周囲からの冷たい視線の圧力で禁煙しやすくなり、さらに禁煙者が増えるだろう。これも常識の変化による劇的なる世の流れなのだろう。

そんなことを考えていたら、農薬・化学肥料をふんだんに使う農家が、ある日突然、無農薬・無化学肥料の有機(オーガニック)農家になるのと、愛煙家がキッパリと禁煙してタバコを止めるのはすごく似ていると思えてきた。

この畑は2013年現在で、すでに約40年間、無農薬、無化学肥料、無施肥で野菜を作り続けている。野菜がおいしいのはもちろんで、土さえウマそうに見えるのは錯覚でしょうか?

タバコを止めてはじめて気がつくけれど、タバコを完全に吸わずに3年経っても、自分の身体からニコチンがまだ染み出ていることを思い知るときがあった。私の場合はプールで泳いでいたときだ。クロールでひと汗かく程度泳ぎ込みながら息継ぎをした瞬間、タバコの匂いがした。帰宅してそのことを家人に話すやいなや、「ひさしぶりに身体がタバコ臭い」といわれた。それが何回か続いた。まさに解毒、デトックスを実感した体験だった。それからはなくなった。と思いきや、5年目、7年目にも同じことが起きた。身体からタバコの毒素が出尽くすのに3年とも、5年かかるとも聞いたことがあるが、それ以上かかったわけだ。田畑もそうだ。基準(有機JAS法)としては農薬、化学肥料が田畑から消えるのに3年間を必要とする。農家はその間、収量、収入は安定せず、病気も発生しやすい。3年過ぎても、その状況が好転するとは誰も保障してくれない。

愛煙家はニコチン切れにイライラとストレスを感じ、口寂しさについ食べて、太り過ぎの道へと進む危険性を抱えた日々を送る。まさに、農家も愛煙家も並々ならぬ意志の強さと忍耐力を要する。

しかし、ひとたびやりきったなら、かつての愛煙家は毎朝の快適な目覚めと食生活の自然な変化による健康な身体を手に入れる。有機農家はおいしい野菜とそのファン(顧客)を獲得し、あわよくば後継者が育っていたりする。

追伸
タバコを吸わなくなった身体は、いまやタバコの煙が漂っている喫茶店や居酒屋に紛れ込むと、おもしろいことに翌朝かならず痰がからむ。デトックス作用は迅速だ。

この記事を書いた人

山口タカ
大分県佐伯市出身 や組代表 クリエイティブディレクター(編集制作/マッチングコンサル) オーガニック、アウトドア、食育をテーマに活動。1997年に日本初の一般消費者向けのオーガニック専門誌「ORgA(オーガ)」創刊。 2001年に「オーガニック電話帳」を自費出版。以来、”ひとり出版社”と称してオーガニックの普及をライフワークとし、全国の篤農家や食品メーカー、レストランなどを取材している。漫画「美味しんぼ」第101巻“食の安全”をコーディネートし、作中に“有機の水先案内人”として登場。2020年4月、「東京オーガニックレストラン手帖」を辰巳出版より刊行。

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