2012年9月8日〜11日イタリア、ボローニャにて開催された「SANA2012」。イタリアのBIO認証の野菜、肉、乳製品をはじめ、BIO加工食品を中心に化粧品からエコ関連、サプリメント、ダイエットフード、農業関係、・・・など、さまざまなオーガニック&ナチュラルなメーカーや生産者、認証機関などが一堂に集まる見本市だ。
Natural Products ExpoやBioFachに比べ、イタリアのローカル色が強い展示会。スローフード発祥の地らしく、地元の有機農家が作る保存食など、ベーシックで伝統的なオーガニックメーカーの出展が多い印象だった。
もちろん、ナチュラル&オーガニックであっても、インスタント食や便利な加工品などもあるし、ベジタリアン向け、マクロビオティック、ローフード、グルテンフリー、ダイエットフード、サプリメントなどの製品もマーケットにあわせて存在はしている。しかし、これといって目立ったブームのような製品はみられなかった。
良い意味で、トレンドに安易に影響されない国民性、スローフード哲学のようなものを垣間見た気がした。
伝統的な製品が多いとは言っても、バラエティは豊富だ。例えばパスタ。変わった形のもの、有機野菜やハーブ、チョコレートなどの素材をパスタの生地に練り込んだ、色とりどりのパスタ、全粒粉、古代麦、グルテンフリーで米粉やコーンなどで作られているもの、、、など。本当に様々なものがある。
なのに、何故か日本のオーガニックショップで販売されるオーガニックパスタというと、定番のものに商品が絞られてしまい、扱い数はせいぜい3~5種類程度。ベーシックなものしか扱っていないのが残念だ。インポーターもリテーラーも、もっと「食を楽しむ」「食卓を彩る」を意識した、ユニークな製品の扱いを増やしてもいいのでは?
また、パスタにパスタソース、ジャムやピクルス、ドライフルーツにハーブ・・・ベーシックな有機農産物加工品が、どこかおしゃれに感じてしまうのは、さすがイタリアだ。基本的にはシンプルなものが多いのだが、容器のカタチ、素材の色の魅せ方、パッケージの色やラベルのデザインなど、センスがきらりと光るものがたくさんある。
バイヤー目線だけでなく、商品開発の目線で海外の展示会を見てみるのもおすすめだ。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。