さまざまな国で、プラスチック素材のストローや容器などの使い捨て製品が禁止されるものの、コロナ禍の生活により、世界中で使い捨てマスクや手袋、抗原検査キットなど多くのプラスチックゴミが増えました。

今回は、シンガポールに8店舗ある、オーストラリア発の量り売り専門店「Scoop Wholefoods」(スクープホールフーズ)へ足を運んで参りました。

これまで数カ国の都市で、量り売り専門店やオーガニックスーパーマーケット内の量り売りコーナーへ足を運びましたが、ここはおおよそ836平方メートルとダントツで敷地面積も大きく、2000以上の種類の豊富さがとても素晴らしいです。

店内に入る前に、アルコールで手の消毒をし、使い捨て手袋を渡されました。(使い捨て手袋は、ウィルスの状況とともに、現在は廃止となりました。)上記、右の写真を見ていただくと分かるように、ステンレス製のスクープを使用し再生紙の紙袋に量り売り商品を入れることができます。

食品コーナーでは、シリアル・ミューズリー・グラノーラ・シード・パスタ・チョコレート・スナック・ドライフルーツ・豆類・米・粉類・穀物・スパイス・紅茶・ナッツ類などがずらりと並んでいます。また、ナッツバター・オリーブオイル・ごま油・しょうゆなどの液体調味料なども複数が取りそろえられています。

口にするもの、肌に触れるものはオーストラリアのNASAAやAustralian Certified Organic(ACO)、そしてアメリカのUSDAのオーガニック認証を得たプロダクトの割合が多く、オーガニックではなくても、自然食品や天然成分の製品が販売されており、私たちにとっても、環境にとっても健康的なライフスタイルを送るには、欠かせないお店です。

上記の写真がナッツバターのコーナーです。

ピーナッツだけでなく、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、その他にチョコレートやココナッツを混ぜたものなど店内で販売されているナッツ類などを材料にして、この機械で作ることができます。そのため、出来立ての香ばしさを楽しめます。

買い物の仕方は、ご存じの通り、欲しいアイテムを紙袋に入れて、重さを計るだけ。

店頭には、とにかくたくさんの商品が並んでいるので、どの商品か分かるよう、それぞれに番号がふられています。その番号を袋に書いておくことで、レジの店員も紙袋の中身を把握できます。

プラスチックの容器や袋は、一目で中身を確認できるため包装として使用されることが多いですが、商品番号で管理することで混乱を防げます。

液体類は、空き瓶やボトルが売られているのでそれに入れて購入できます。

その他、トイレタリーや掃除で使用できる洗剤なども量り売りで購入が可能です。

オーガニックのボディーウォッシュ・ハンドウォッシュ・ボディースクラブ・バスソルト、そして掃除で使用する重曹や粉末洗剤なども必要な分だけプラスチックゴミを出すことなく購入できます。

店内に並べられているプロダクトは、世界各国から取り寄せられており、店内の約80%の商品は、オーストラリアのオーガニック認証を得たプロダクトで、なかには、ニュージーランド、インド・日本・南米産のものもあります。

中華系約75%、それに次いで、マレ―系やインド系が約12.5%の民族が暮らすシンガポールならではのセレクトだと感じたのは、15種類の米類、そしてスリランカ、ネパール、中国が原産の茶葉類、そしてお茶と関連して、ローズペタル、ラベンダー、ローズバッドなど22種類のティーフラワーやフラワーティーです。

シンガポールには、屋台食堂を集めたホーカーセンターが各エリアにあります。そこでは未だプラスチックストローやカトラリーが多く使用されています。そして、テイクアウトの文化も現地人の間では根強く、マイ容器を持参する人をたまに見かけますが、屋台が提供するプラスチック容器を使用している方が一般的な様子です。

また、熱帯地域のためか、マイボトルに水を入れて持ち歩く人が多いことは確かですが、どこでもフレッシュジュースが販売されており、プラスチック容器に入った飲料を手にして歩く人々を多く目にします。

このような背景がありつつも、ゼロ・ウエイストをコンセプトとしたスクープは若い世代に支持され、人気を集めていますが、どの店舗も大型商業施設にテナントとして入っているため、時間帯によっては、シニア世代の姿も見られます。

日本では、プラスチック資源循環促進法が4月1日に施行されますが、今後日本の小売店などではどのような対策を取っていくのでしょうか。これから両国の変化にも注目して行きたいです。

この記事を書いた人

鈴木 聖佳

約8年間、東京にて化粧品業界商社兼メーカーに勤務、Eコマース、カタログ通信販売のマーケティング&法人営業に従事。2012年にイギリスへ移住。3年弱、ロンドンの金融業界で勤務したのち、フリーランスとして活動を開始する。オーガニックやナチュラルに特化した日本のオンラインショッピングプラットフォームの営業として、市場調査を行い、展示会に足を運び、約2000以上のブランドにアプローチをする。そして、多くの生産者やメーカーの日本市場への参入を支援する。

昨今は、「一人ひとりの健康のため、次世代に引き継ぐ地球環境のため、ほんとうに良いものを広めたい」という思いのもと、日本の有機農家や自然活動家のPRに携わり、NHK報道番組やその他の専門雑誌、新聞などのメディアで取り上げられるように尽力している。現在、約10年間のロンドンでの生活を経て、シンガポールに在住。

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