オーガニックと食育の関係性

2005年に「食育基本法」が制定されて8年が経過しました。と言われてもピンとくる人は少数派でしょう。しかし、2011年の調査では“食育”という言葉と意味を知っている人が42.7%、言葉だけを知っている人は34.8%、実に77.5%の人が食育という言葉を知っている時代となっていた。ちなみに2005年の第1回の調査では52.6%が知っていると回答しており、年々その認知度は向上している。今年あたりは80%を超えているのではと思う。特にその意味を知っているという人も26.6%から34.8%に上昇しているので、これからは実践者がどれくらいなのかを知りたいところだ。

ところで、オーガニックと食育になんらかの関連性があるのかどうか?

食育と言えば行儀作法や料理教室、農業体験ばかりをイメージしてしまう傾向があるので、オーガニックとは直接的には関連性を感じにくい。実際のところ、食育活動を積極的に実践している現場でもオーガニックの意識は希薄だった。人によっては言葉すらはじめて聞いたということもあった。しかしどうやら事情は違ってきたようである。

誌を14冊、書籍を1冊編集している。そして今回、5年ぶりに「家庭の食育」(監修・服部幸應)を発売した。縁あって食育は服部先生の食育の考え方をベースに編集制作してきた。そして、ここにきてオーガニックと食育が急接近していることを実感。

食育の世界も目まぐるしく変化、成長している。その印象を編集後記とした。

<山口タカの食育後記>

本誌の広告媒体資料の表紙に「この国の食の安心・安全は食育が育む!」と書きました。取材を進めるほどに、食育活動を長く実践し、食の安心・安全を突き詰めていくとオーガニック志向になると実感。それは食の世界に止まらず、衣食住にわたるライフスタイルの新しい価値観に成長しているとも感じました。食育を実践すればするほどオーガニックとの距離が急接近しているのです。食は社会的、家庭的、個人的とそれぞれのシーンでいろいろな問題を抱えたままです。そのひとつの大きな要因として農薬、化学肥料、化学合成食品添加物、遺伝子組み換え食品、放射能など人為的なものから端を発しています。いまや何が安心で、安全なのかわからないのが現状です。そんな中で安全についてはさまざまな規則を作り、規制をかけて安全策を図ろうとしていますが、誰も安心はしていません。つまるところ安心は他力本願、受身では得られないのです。安心を得るには、もっと食を知るしかないのです。そして、自らを安全と安心を選択できるように育てる。それが食育なのです。その方向がオーガニックなのだと強く実感しました。

この国の
食の安心・安全は
オーガニックがにない、
食育が育む!

5年ぶりの食育本「家庭の食育」が完成!

「服部幸應の食育の本」vol.3から5年。食育はいまや全国各地で草の根運動として浸透し、さまざまなスタイルで実践されています。とはいえ、食の現場は偽表示をはじめ新たな問題が山積みされています。だからこそ、もっと食育を推進しなければという思いに駆られます。実践現場を取材し、また全体を俯瞰で見る視点ももちながら編集しています。

食育のすべてがわかる完全保存版「家庭の食育」
監修 服部幸應
B5判変形 オールカラー 200p
定価1500円+税
発行 株式会社オーガニックパパ
発売 キラジェンヌ
*全国書店にて発売中

この記事を書いた人

山口タカ
大分県佐伯市出身 や組代表 クリエイティブディレクター(編集制作/マッチングコンサル) オーガニック、アウトドア、食育をテーマに活動。1997年に日本初の一般消費者向けのオーガニック専門誌「ORgA(オーガ)」創刊。 2001年に「オーガニック電話帳」を自費出版。以来、”ひとり出版社”と称してオーガニックの普及をライフワークとし、全国の篤農家や食品メーカー、レストランなどを取材している。漫画「美味しんぼ」第101巻“食の安全”をコーディネートし、作中に“有機の水先案内人”として登場。2020年4月、「東京オーガニックレストラン手帖」を辰巳出版より刊行。

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