ドイツ観光局によると大都市だけでも2,500を超えるクリスマスマーケットが開催されるというドイツ。多くは11月末の週末からクリスマス前までの4週間にわたって開催され、国内外から多くの人を引きつけています。

その一方で多くの電力を消費し、膨大なゴミを生み出していると問題視する声も。高まる環境への意識から、オーガニックやエコ、フェアをキーワードとしたサステナブルなクリスマスマーケットも登場してきています。

その中でも特に注目なのがヴィーガンクリスマスマーケットです。ドイツ初のヴィーガンクリスマスマーケットが登場したのは2010年のこと。その数は年を重ねるごとに増え、今年はベルリンやミュンヘンなど17都市19箇所となりました。

そのほとんどは1~2日間だけの単発イベントですが、今回紹介するのはドイツで唯一、初めて長期間にわたって開催されているヴィーガンクリスマスマーケットです。

場所はドイツ西部の港湾都市・デュースブルクの旧市街。大通りで開催されている通常のクリスマスマーケットから数百メートルほど歩いた先、商店が立ち並ぶ小さな通りの広場に温かみのある木製の小屋が集まる一角があります。

このヴィーガンクリスマスマーケット「Anis & Zauber(アニスと魔法)」は今年で2回目の開催。屋台の数は10軒にも満たない小規模なクリスマスマーケットではありますが、2019年11月21日~12月30日までひと月以上開催されています。

飲食の屋台を覗いてみると、今注目のビヨンドバーガーやイチジクで作られたヴィーガンサラミ、オーガニックワインを使用したヴィーガングリューワインなどがそろいます。

ビヨンドバーガーやヴィーガンソーセージ、フライドポテトなどを提供する屋台

ヴィーガンワッフルを提供するワゴン

食事だけでなく、サステナブルな雑貨や工芸品を扱う屋台や環境団体のインフォメーションスタンドなども並びます。

ヨガやDIYのワークショップ、ライブステージなどのプログラムも充実しており、昼間から夜まで様々な人が楽しめるよう考えられています。

奥に見えるのがライブステージ

通常のクリスマスマーケットでは見られない点としてヴィーガンの食事だけでなく、環境へ配慮したマーケット運営も挙げられます。

木製の屋台は古い扉などの資材を再利用し、運営スタッフで自ら建てたもの。マーケット全体の照明も抑えられており、結果として落ち着いた温もりのある空間をつくり出しています。

寒さや雨を凌いで寛げる休憩小屋はまるでおしゃれなカフェのような内装

電熱ではなく直火のヒーターで暖をとる

また、通常のクリスマスマーケットだとデポジット形式でカップ入りの飲み物が提供されますが、洗浄に電気や水道のコストがかかるためマイカップを推奨。持参した場合は飲料代を50セント割り引くサービスをしています。

持参したマグカップにホットジュースを入れてもらい、ヴィーガンマフィンと合わせてひと休み

全体的に見てヴィーガンや環境について押しつけがましさを感じなかったのが印象的でした。主催者によると去年の来場者のうちヴィーガンの人はおよそ半数であったとのこと。誰でも楽しめる食事やプログラム、リラックスできる雰囲気づくりが人気の理由なのでしょう。

クリスマスマーケットは多くの人にとって欠かせない、楽しみなイベントです。その存在はなくならないまでも、そのスタイルは時代に合わせてよりグリーンに、よりクリーンに変わっていくことが求められています。私たちも賑やかなクリスマス商戦から一歩離れて、クリスマスの在り方を考えてみるのもいいかもしれません。

この記事を書いた人

神木桃子(こうぎももこ)

ドイツ在住オーガニックライター
オーガニック専門店を運営する会社での販売・バイヤー職、地域産品のコンサルタントや販売を行う会社での営業・バイヤー職を経て、2014年秋よりドイツに移住。商品企画から流通、販売まで幅広い経験を積んだエキスパートならではの視点で、ドイツのオーガニック&サステナブル情報を発信している。3歳になる娘を子育て中。

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