今年のトレンドはCBDオイル
今年もロンドンで行われたトレードショー、『Natural & Organic Products Europe』へ足を運んできました。昨年は、ターメリックやクルクミンが大きなトレンドのひとつとして多くの企業がそれらを使用した商品を並べ、各ブースをにぎわせていました。今年はCBD(カンナビジオール)オイルが目立っていました。ピュアなCBDオイルがほとんどでしたが、CBDオイルを使用したスキンケアやチョコレートも所々で目にしました。
Natural Products Global.comのチーフエディター、ジムマンソンも「CBDオイルは、素早く価値のあるカテゴリーへと成長した。しかし、未だマスマーケットではターメリック、クルクミンへの興味が根強い。どちらもアダプトゲン、脳の健康や気分、腸の健康に焦点を置いており、両方合わせての成長が見られる」とヨーロッパのオーガニックに関する専門新聞『BIOECO ACTUAL』で述べています。
脱プラ・エコへの動きも忘れてはならない大きなトレンド
これまで、プラスチック製の透明フォルダーに企業名・名前入りの入場チケットを入れ、それを首からさげた状態で会場を回っていました。しかし、今年からプラスチック製のフォルダーが廃止されました。以前使用していたものは、再利用できるフォルダーでしたが、主催者側が徹底して回収できず、結局は来場者に持ち帰りされゴミ箱に入ることが多かったと思います。今年は、これまで以上にやや厚めの紙を使用し、フォルダーに入れずに紙をクリップで留め、首からかけるストラップをつけるという形になりました。
会場を回ってみると、脱プラスチックの影響か、リサイクル可能なアルミ缶を使用している飲料メーカーが目立ちました。その他、脱プラスチック・エコをテーマにしたホーム関連の雑貨、例えば、何度も繰り返し使えるステンレス製のストローや竹のストロー、使い捨てでも小麦粉を使用したパスタストロー、再利用できるビーズラップやコンポスト化できるゴミ袋などが目立ちました。
700以上の展示ブース、91カ国以上から約10,000人以上の来場者
700以上の展示ブースがある中100近くは、ヴィーガンエリアにブースを持っており、それ以外の展示スペースも含め、総計数百ものヴィーガンプロダクトがありました。ヴィーガンもオーガニックも、海外では環境や人道的な動物の扱いを保護するという観点で支持されているため、2つの異なるカテゴリーを組み合わせると相性がいいのだとか。確かに、大手のスーパーマーケットでは、ヴィーガンコーナーの勢いがすごいので、そのマーケティング手法にはまり、ヴィーガンでなくてもついヴィーガンプロダクトに手が伸びてしまうのも事実です。
人が集まるセミナーやアワードコーナー
毎年このトレードショーでは、約20分から1時間程度のセミナーを会場内の3カ所のスペースで行っています。食品や飲料に関するトピックはナチュラルフードのセミナー会場で、画期的な成分や美容に関するトピックはナチュラルビューティーのセミナー会場で、市場や研究結果等に関することはナチュラルプロダクトのセミナー会場で、聞き・学ぶことができます。どれもほぼ席が埋まり、人気のトピックに関しては立ち見のオーディエンスが壁を作るほどです。
その他、毎年『The Natural & Organic Beauty Awards』という賞をトレードショーの開催中に発表しています。ノミネートした中から、来場者の投票により受賞プロダクトが決定されます。そのため、ブースへ回ると「ぜひ投票してね!」と声をかけられることもあります。
700もブースがあるため、毎年参加していない来場者にとっては、限られた時間で何を見たら良いか分からないことも多いでしょう。そんな時は、ぜひアワードにノミネートしているプロダクトが一斉に見られるコーナーに立ち寄ってみるのもおススメです。そこには目新しい画期的なプロダクトや面白いアイディアや機能的なプロダクトが並んでいます。
毎年にぎわいを見せているトレードショーですが、今年の来場者数は昨年に比べ、3%ほど上回ったそうです。2020年は4月19日、20日と開催をロンドンで予定しています。ぜひ一度足を運んでみてはいかがでしょうか?
この記事を書いた人
鈴木 聖佳(すずき さとか)
約8年間、東京にて化粧品業界商社兼メーカーに勤務、Eコマース、カタログ通信販売のマーケティング&法人営業に従事。2012年よりロンドンへ移住し、3年弱、金融業界で勤務。そして、日本と「繋げる」・日本に「伝える」を仕事にし、現在は、ネゴシエーター・フリーランスライターとして活動中。特にオーガニック・ナチュラルプロダクトの食品・化粧品に関するマーケットリサーチ、インサイドセールス、ライティングをプロジェクトベースで行っています。