余剰水田などを活用し、岩手県奥州市胆沢において栽培されたJAS有機のオーガニック米を、奥州市内の自社工場にて発酵・蒸留してエタノールを作ってきた、株式会社ファーメンステーション。同社が製造したエタノールが、USDA(米国農務省 United States Department of Agriculture)の定めるオーガニック認証を取得しました。オーガニック認証を取得したエタノールは世界でも少なく、国産のオーガニックエタノールには大きな需要が期待されます。

お米でできたオーガニックエタノール(Organic Rice Ethanol)

エタノールは、化粧品やアロマ製品などの原材料として幅広く使われています。化粧品、子供用防虫スプレーなど、幅広い分野での活用が可能です。エタノールをとった後に残る米もろみ粕(蒸留粕)も、セラミドを含むなど保湿効果を中心とする機能性のある化粧品原材料となります。同様にオーガニック認証を取得しました。

また、自社が持つ発酵技術を利用し、JR東日本スタートアップとともに、青森県のりんごのしぼりかすからエタノールの抽出にも成功しております。このリンゴエタノールを使ったオリジナルルームスプレーやアロマディフューザーは都内の商業施設で販売され好評です。

ファーメンステーションでは、エタノールや米もろみ粕を原材料として販売する他、自社製品として洗顔石けんや消臭スプレー、アウトドアスプレーなども作っています。自社オンラインショップの他、AKOMEYA、百貨店などで販売しているこれらの製品についても、2020年以降、オーガニック認証を取得した原材料を使用する予定です。

代表取締役 酒井里奈さん

ファーメンステーションについて
ファーメンステーションは「発酵で楽しい社会を(Fermenting a Renewable Society)!」をミッションに、発酵技術で循環型社会を構築していくスタートアップです。岩手県奥州市にて、独自の発酵・蒸留技術で提携農家が作ったオーガニック米を活用したオーガニックエタノールと発酵粕を製造。100%天然由来、かつトレーサブルな原料で、化粧品や雑貨の原料として大手化粧品メーカーに販売するほか、大手セレクトショップ向けのオリジナル商品の企画販売も実施しています。エタノール製造過程で生成される副産物は、化粧品原料だけではなく地域の鶏や牛の飼料として利用し、さらに鶏糞を水田や畑の肥料に利用。廃棄物ゼロで環境への負荷が低い地域循環型事業を実現しています。このサステナブルな取り組みは農産物に付加価値を与えるだけでなく、地域に観光客を呼びこむコンテンツとなっており、農家と協働でツアーなども展開しています。

▽ファーメンステーション
https://www.fermenstation.jp/

▽オンラインショップ
http://shop.fermenstation.jp/

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