文科省認可校の私立学校リンデンホールスクール小学部・中高学部が、日本農林規格(JAS)に基づく「有機料理を提供する飲食店等の管理方法」(JAS0004)の認証を取得。小学校・中学校・高校全ての課程において、通年でオーガニック給食を提供する学校法人として、日本初※となる認証取得となります。
※株式会社オーガニック認定機構 oco調べ
リンデンホールスクールオーガニック給食の特徴
「身体は食べたもので作られる」という考えから、リンデンホールスクール小学部・中高学部では、子どもたちの健やかな成長と環境保護を最優先に考え、2019年9月から学校給食の一部にオーガニック野菜の使用を開始し、2021年4月からは野菜が100%オーガニックになりました。小・中高それぞれのカフェテリア内の厨房で調理しています。オーガニック野菜を育てる農園の方、旬の食材を生かしながら、子ども達の成長にふさわしい栄養バランスを考える管理栄養士、子どもの味覚に合わせ美味しさを追求する調理師たちが、チーム一丸となって作っています。
献立について
※献立には、有機食材の配合割合がわかりやすく表示されています。
【献立の特徴】
◎和食を中心とした献立
◎野菜とお米は全て、地元にある有機農法、農薬を使用せずに栽培を行う農園で採れたもの、 卵は地元養鶏場から魚は地元市場からの朝採れ、肉は国産のものを使用
◎有機玄米は一晩水につけた発芽玄米を使用
◎発酵食品を積極的に取り入れ、徹底した管理のもと自家製のぬか漬けや甘酒も提供
◎調味料は福岡県産や九州内で栽培された作物を主原料としたものを中心に使用
また、食育の一環として、給食で出た野菜や果物の皮などは、生徒がコンポスト(堆肥)にし、それを使って校内にある畑で野菜を育てる取り組みも行っています。
この活動により、循環型の仕組みを理解し、環境問題やフードロスなどの社会課題にも意識を向けるきっかけになっています。
認証までの経緯
JASの対象となる品目は、飲食料品、油脂、農産物、林産物、畜産物、水産物など。これらの品目の品位、成分、生産行程、流通行程、取扱方法、試験方法等を定めたものがJAS(日本農林規格)です。今回取得したJAS0004は有機料理を提供する飲食店等が対象となるものです。
「有機料理を提供する飲食店等の管理方法」(JAS0004 )は、もともとレストラン向けに設計された非常に厳しい規格であり、学校給食に適用するには多くの困難が伴いました。
例えば、80%以上の有機原材料を使用すること(月間最低 5 日以上の提供)が前提とされ、これを 1年間通じてすべてのメニューに渡り検討・維持する必要があります。
小学校・中学校・高校の全ての課程において、認証を取得した学校法人はリンデンホールスクールが日本で初めてとなります。
このオーガニック給食は、「地産地消のオーガニックにより子ども達と地球に優しい給食を提供したい」という想いにご賛同いただいた、近隣の筑紫野市の有機野菜専門の契約農園「オーガニックパパ」を始め、地元農園や有機農産物宅配事業者様の協力を得て実現しました。
また、毎月の献立の作成方法を見直し、提携する有機農家の皆様の生産状況や収穫計画を反映させる形で、旬の有機野菜を取り入れた献立を作成しています。
調理現場においては、単に有機原材料を多く使用して 80%以上の使用割合を満たすだけではなく、生徒たちの栄養管理にも細心の注意を払っており、料理長・管理栄養士スタッフチームは、毎日の献立ごとに栄養価やカロリーを厳密に計算し、バランスの取れた食事を提供するために多くの努力を重ねてきました。
オーガニック野菜による給食は、すなわち、全てが旬の食材ということになります。学校給食では、通常、献立に合わせて通年流通する食材が選ばれますが、オーガニック給食では、自然の摂理に合わせ、季節ごとに採れた新鮮な食材に合わせて献立を考える必要があります。また、オーガニック野菜は下処理に時間を要しますが、体を作る基礎である食材に妥協しないことは、子どもの成長にとって非常に大切です。
給食で認証を取るのは困難で、途中、心が折れそうになりましたが、どうすればクリアできるかを考えました。
生徒・児童の皆さんは、今現在は体にどれくらい影響があるか分からないかもしれないけれど、将来、「成長期に毎日食べていたオーガニック給食って凄かったんだな」と思ってもらえる日が来ることを願っています。本校のオーガニック給食の取り組みもまだ完璧ではなく、今後も改善と挑戦を続けていく決意です。
リンデンホールスクール小学部・中高学部(都築学園グループ / (学)都築育英学園)
https://lindenhall.ed.jp/