保存可能、持ち運びにも便利なものから、今度は粉末状のものへ。スムージーの進化が止まらない。そもそも、スムージーはフレッシュな野菜や果物をブレンダーにかけて作るもの。野菜や果物に含まれる、ビタミンやミネラルといった栄養素や食物繊維、フィトケミカル、酵素などを、手軽に、まるごと摂取できるのが魅力なのだ。粉末ともなると、もはやスムージーの定義とは何なのか?わからなくなってくる。
海外のオーガニックスーパーやサプリメントショップなどでは、このような粉末タイプのオーガニックスムージーミックスがずらり。様々なメーカーからたくさんの種類のスムージーパウダーが並んでいた。これらはミネラルウォーターで溶いて飲むほか、通常のフレッシュスムージーにプラスしたり、ヨーグルトやグラノーラなどにミックスして食べるなど、海外の健康志向の人たちの間で人気のようだ。
ナチュラル素材のみということに加え、粉末という性質上、水で溶くだけではあのとろりとした食感は再現できないのだが、もともとのスムージーに近い考え方のもと商品化されている。
コンセプト、キーワードは、「NATURAL」「RAW」「SPROUTED」「SUPER FOOD」「VEGAN」そして「ORGANIC」だ。
オーガニックの原材料を、栄養素を壊さないよう低温(RAW)で粉末加工。フラックス(亜麻仁)やチア、ブラウンライス(玄米)などのシード類は、発芽(SPROUTED)のものを。ゴジベリーやアサイーなど抗酸化力に優れたスーパーフード(SUPER FOOD)を取り入れている。もちろん100%ナチュラルであり、動物由来の成分などは使用していない。
日本でもスムージーブームに目を付けた健康食品メーカーが、粉末タイプのスムージー風飲料を販売し始めている。しかしながら、それはスムージーというよりも、ダイエットシェイクに野菜や果物を取り入れアレンジしたもの。風味や口当たりをスムージー風にしているだけにすぎない。美容、ダイエットをサポートするための、コラーゲン、ビタミンやミネラルが添加されている。人工甘味料や添加物もたっぷりだ。
100%ナチュラルなスムージパウダーの前に、こういったタイプのものが開発されてしまうのは残念。今までの「健康食品」から、もう一歩先を行く、ナチュラルやオーガニックを取り入れた商品開発を、ぜひ、して欲しいと思う。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。