2023年度ソーシャルプロダクツ・アワードにおけるソーシャルプロダクツ賞を受賞したオーガニック蒸留酒「Greenbar」は、「緑と共生する やさしいお酒」がコンセプト。

日本においてはワンボトル・ワンツリー in Japanとして、Greenbar公式ショップなどの売り上げを原資として、栃木県馬頭農村塾、宮城県復興祈念公園で植樹を実施しています。

そういったエコロジカル&サステナブルな取り組みとその背景を、多くの方に知っていただくため、定期的に試飲座談会を開催。今回はGreenbarを輸入販売するロジストファームの拠点である柏の葉キャンパスに、日頃からエシカルな活動に取り組んでおられる皆さまをお招きしてご案内。Greenbarを楽しみながら交流していただきました。

公民官が連携して創り上げてきたスマートシティである柏の葉は、暮らす人、働く人々の健康や自然環境を守りながら産業活動との両立を目指し、街全体が省エネルギーな設計でクリーンエネルギーも推進しています。そういったコンセプトを持つ街からGreenbarもサステナブルな活動を発信してきたいと考え、「柏の葉発」としています。

柏の葉スマートシティを歩く

今回、ご参加いただいたのはお互い初対面、そして柏の葉に来るのも初めてという、日頃からエシカルな活動をされている5名の方々。「柏の葉キャンパス」駅前をスタートして、国道16号に面した複合商業施設KOIL16 Gateにあるカジュアルレストラン「Sweedeedee(スウィーディーディー)」まで、柏の葉の街をご案内しながら歩きました。

地域の新しいコミュニティや賑わいを生み出すことを目指して、柏の葉キャンパス駅北側高架下に屋台のような小型飲食店舗が連なる「かけだし横丁」から、従来型の調整池を憩いの場となる親水空間へと整備されたアクアテラスを眺めながらKOIL16 Gateへ向かいます。

KOIL16 Gateには、千葉県産の農産物のサラダレストランをはじめとして、カフェやベーカリー、フラワーショップなど地産地消、サステナブルをテーマとした店舗が並んでいます。また、本格的なものづくりを支援するワーキングスペース「KOIL FACTORY PRO」、先進的な技術開発の実証フィールド「KOIL Mobility Field」などもあり、スマートシティとしての顔を見ることができます。

中でも自然と共生するサステナブルな街、ポートランドから日本初上陸した「Sweedeedee」は、千葉県産のローカルな食材や平飼い自然卵を使用したブランチやランチやデザートなどが人気のレストラン。食材はもちろん、調理器具からスタッフのエプロンまで、環境や健康、そして地域に配慮したオーガニックでエシカルな暮らしをテーマにしています。

私たちを迎えてくれたのはオーナーの森さん。柏の葉での取り組みを説明してくださいました。

いよいよ楽しいランチタイム

店内に入って、メニューを見ると、それもヘルシーでおいしそうなお料理ばかり。皆さん、迷いながらも色とりどりの新鮮野菜が盛られたプレートを注文。お互いの活動の話などで盛り上がっていました。

「THE GARDEN」にて「Greenbar」を囲む座談会

ランチが終わって、また駅の方に戻り、Tea Room & Wine Bar 「THE GARDEN」で「Greenbar」を飲みながらまずは皆さんからの自己紹介です。それぞれどんなエシカルな取り組みをされているのかをお話しいただきました。

【徳竹暢子さん】

「私は光合成を基盤とした循環型社会の構築を目指す会社で広報の仕事をしています。中でも特に、藻類という無限の可能性を秘めた世界最古の生き物によって化石燃料からの卒業を目指すプロジェクトに関わり、それを世の中に広めたいという想いから現在の仕事に就きました。

こういった地球規模のことを考えるようになったきっかけは、幼い頃から『平和』について考える事が多く、若い頃にたくさん旅をして、世の中にさまざまな格差があることを目にしたことです。特にアフリカで経験した事は大きかったですね。さまざまな団体が色々な活動をしていますが状況はなかなか変わらない。当然私一人ではこの世界を変えることはできませんが、変えたいという意識を少しでも多くの人が持てるようになれば、集合意識が変わり叶えることができるのではないかと思ったのです。

そこで、一人ひとりの意識を変えるため、自分自身を癒して外に向けてアクションできるような活動を始めました。でも、自分の心身が良くなっても地球がだめになってしまったら意味が無いですから、並行して地球環境の問題解決に尽力しています。」

【原友哉さん】

「私は子どもが産まれてから、その子が大人になった時、今の自分と同じように、さまざまなことに挑戦できる社会や環境が保持されているか?を考え始めたのがきっかけでサステナブルに関する取り組みを始めました。オーガニックコスメの会社勤務を経て、現在は軽貨物運送業のベンチャー企業に勤める傍ら、『古着は最強のサステナブル』を理念に個人で古着販売を行っています。運送業界全般でいうとSDGsに取り組んでいるところは少ないですね。今後、いかにサステナブルにフォーカスして取り組むかが大事かと思っています。

もともとビンテージやアンティークが好きで、自分でもそういった古着を販売できないだろうかというところからスタートしています。ここ数年は服を捨てたことが無いんですよ。売るとか買うとかして、身に着けているのは全て古着です。

もちろん、新しいものを生み出すことは大事ですが、アパレルメーカーさんが環境に配慮した新しい素材や新しいデザインで作ることはやってくださるので、それはメーカーさんにお任せして、私自身は古着やリサイクルにこだわっていきたいです。デザインも昔からあるものはそれはそれでよいですし、丈夫だったりしますし。それらをいかにしてうまく使うか、いかに古着をポピュラーに普通に使えるモノにできるかというところを考えています」

【富野沙希さん】

「仕事は建築関係です。環境問題に興味をったのが3年前。個人的にビーチクリーンを始めて環境問題やその他さまざまな社会課題に取り組むようになりました。調べていくと、海の中のごみ拾いをする活動が沖縄にあって、そこに連絡したらダイビングライセンスが無いとできないということで、安くとれる時にライセンスを取得。さらにダイビングショップで、モバイルラッコ隊という藻を再生する活動に参加している方とつないでもらい、半年後に葉山で藻場再生の活動があるとお誘いを受けて参加しました。

また、同じようにビーチクリーン等をしている人と繋がり様々なことを知っていくうちに、環境問題も社会問題も、全部がつながっているのだとわかりました。その根本を変えていくには、どうしたらいいのか自分なりに突き詰めていったところ、『教育』にたどり着いたんです。人は自分の心が健全で幸せであることをベースに、地球が健康でないといけないと感じています。

基本的に活動をしている人同士を繋いだりするのが好きで、”大人の学び場”としてスタートしたオンラインコミュニティ「アップサイクル大学」運営事務局もやっています。本業の建築分野では産業廃棄物を出すので、そこを変えていきたいですね。ゴミを出さないとか材料を再考する等いう風に、まずは個々の意識を変えたいです」

【渡邉駿さん】

「サーフィンとビーチクリーンをきっかけに、今まで見えていなかった海ゴミが目に付くようになりました。自分が行く海になると、余計にいやだなと感じるようになって、ビーチクリーンをしています。

また、この問題を少しでも多くの人に知ってもらうために『アフターブルー』というサスティナブルファッションブランドを運営しています。ゴミの問題は、やはり一人ひとりの意識を変えないと無くならないと思っています。服なら皆さん着ますし、デザインが良ければ興味を持ってもらえるのではないかと思い立ち上げました。会社員だったのですが、7月からはこちらに専念します。

ペットボトルのキャップのリサイクルもできるようになるのでもう一つ会社を立ち上げようとしています。難しく考えずに誰もが無理なく気軽に参加できる仕組みになればいいなと思っています」

【梶原美樹さん】

「3年前に九州から江古田に移住しまして、商店街の方々との温かい交流の中から個人商店の魅力を感じてきました。そのことをきっかけに、以前から考えていた環境問題への取り組みを江古田で始めたいと思い、夫婦でごみとむだを減らす量り売りのゼロウェイストショップ「Violetti」をオープン。パッケージフリーの量り売りで、人と地球にやさしいオーガニック、フェアトレードなどのナチュラルな製品を取りそろえています。お客様には使いすてない容器をお持ちいただくようにしています。

現在は新桜台に移転・機能拡大して全体を「エシカルHOUSE」と呼んでいます。1階は「まちのキッチン」の機能で、今までの量り売りの「Violetti」だけでなく、飲食店営業許可も取得のうえ、ナチュラルな食材や調味料を使った、お惣菜などの販売からアイスクリームやオーガニックドリンクのカフェとしても営業を始めました。

2階は「まちの公民館」として、音楽の演奏会や映像上映などのイベントや、ワークショップなどを開催。大人から子どもまで、みんなで学んだり、ひとりで本を読んだり気軽にすごせる場所として開放しています。屋上は「まちのガーデン」として、生ごみから作った堆肥を使って野菜やお花を育てる、コミュニティガーデンを考えています。まちづくりも仕掛けてみたいので、大学生と一緒にゴミ拾いのイベントをしたり、2階のイベントスペースでいろんな方と繋がって、エシカルな暮らしを提案できたらと考えております」

精力的にエシカルな活動をされている皆さん。それぞれ個性的で魅力的な取り組みですね。すっかり打ち解けてきたところで、いよいよGreenbarを味わっていただきましょう!

【後編】につづく

関連記事