
【お話を伺った方】
・チャヴィペルト(有機農家・店主)中山様
【聞き手】
・オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト 山田
・オーガニックプレス 佐藤

飲食店への野菜の出荷
―チャヴィペルトさんはレストランへの卸もされていると伺いました
はい。首都圏のスーパーや自然食品店など小売店舗への卸の割合が多いですが、レストラン等の飲食店にも配達してますし、地元の学校給食でも扱ってもらっています。
いきなり「有機野菜」ってなるとレストランの人たちもかまえちゃう。じゃ価格はどうなの?っていう話になったときに、うちは確かに価格は単価は高いけど、例えば葉っぱも丸ごと全部使うから、それを1個の値段として考えたら安い場合もあります。そんな説明もしていますよ。

―いわゆる“規格”についての認識やお店側の要望は?
例えば、トマト。同じ種、同じ土だとしても、技術で味って変えられるんです。水のコントロールによって、水を多くすると薄くて夏らしい味になる。そのぶんトマト自体が少し大きくなるとか。あるいは何本仕立てにするとか。1本から2つとってるけど、3本にするとか放任にするとか、それによって粒の大きさも変わってくる。放任にすると小さくなるけど個数は増えるとか。
有機で作ってるとどうしても、形や大きさがバラバラになってしまいがち。でも、私たちは市場に出すわけじゃないから、むしろ個性があったほうがいいと思っているんです。不揃いなのも逆にいいんですよね。
それぞれのレストラン、シェフによって求めるものは違っていて、コース料理出すところだと小さめがいいとか、小皿で出すところは大きめがいいとか。シェフたちと話していれば料理の特徴や好みがわかってきます。納品のときに見たりもできるし、食べに行ったりコミュニケーションとったりしているうちに、細かい要望を聞かなくとも先回りして好みのものを選んだりもできるようになってくる。
パスタで出すなら量がとれたほうがほうがいいねとか、焼いて出すならお皿の中で作品になるから、ちゃんと収まるサイズがいいよねとか。「不揃いなのは、むしろ選べる」っていうこと。僕らの強みに、逆にウリになっている。なんでも売れるぞ!とわかっているので、逆に生産の時にこれじゃなきゃダメだという既成概念がなくなるんです。

―学校給食への提供で大変なことはありますか?
僕らは先ほど話したシェフたちと同じように、学校給食の担当の調理師さんと話をしています。だから、この学校はどういう調理師さんのタイプでどういう大きさが好みなのかって、やっぱりそれぞれ違うのがわかるんですよね。話していくうちに、ここの学校はちょっと不揃いでも受け入れてもらえるとか、ここはがっちり固めたストライクゾーン全部決まってるから、それに合わせて出してくとか。そうすると、結果的に作った作物が無駄なく出るんですよ。
例えば、うちのピーマンがでっかいじゃないですか?そのでっかいピーマンの方が逆に学校はすごく喜ぶ。小売店じゃ絶対これダメだよねっていう少し大きく伸びすぎてしまった小松菜も、学校給食の場合だとむしろそれが良いっていうこともあるんです。歩留まりがいいじゃないですか。同じ1㎏でも束数が少なければ調理の手間が減るとか。僕らそのストライクゾーンが全部分かってるんで、逆に、小売店向けでないサイズのものを作ったりします。
関係性を作っていくっていうのは、そこはやっぱりレストランとかとある意味一緒ですね。ただ学校はやっぱり特殊なところでもあるので。そこのハードルをちょっと超えなきゃいけない難しさもあります。
有機農家から見た日本のオーガニック市場
―日本の有機市場って伸びてる印象ありますか?
感覚では増えてるとは思いますよ、それは一部だけなのかもしれないですけど。
あとは加工原料としての需要が可能性があるんじゃないかなと思ってて、そこは中食さんとかも含めてで、やっぱりそういったところの需要はまだまだこれから、上、あるんじゃないかな。
レストランもそうなんですけど、なんかそういう飲食系に絡めたところの、例えば宅食やってるところで有機の野菜を使った煮物を作ってます、みたいな。高齢者に対しての宅食やってるようなところとかのメニューとかは相性もすごくいいんじゃないでしょうか。
もうちょっと大量生産できるようになれば、価格ベースで合うならば、有機はどんどん広がっていくんじゃないかなっていうのはちょっと肌感としてわかりますね。物量がないっていうのは、加工屋さんがもう物量がない、弾がない、原材料がないっていうお話も聞いてるんで。全体としては、全然足りてないと思います。
青果としては結構小さいマーケットにはなってるのかもしれないですけど、加工品の原材料の全体として考えたら伸びしろがある。もちろん価格との折り合いでしょうね。どうしても割高になってしまうから。でも今だいぶそれも緩和されてるというか、全体的にモノの価格が上がってきてるので、むしろ有機との差が縮まってきてる。だからやりやすくなってるって思います。
あとレストランもちょっと価格を上げてもいい雰囲気になってはきてるから、逆に今がやりやすい時期で。これからも有機は増えていくんじゃないかなとは思います。
自分が作った野菜の価値
やっぱり農家さんは絶対的に外の世界知らない人が多いので・・・。自分の作ってる野菜がどれぐらいの価値かっていうのを、ちゃんとやっぱり知ってから作るってことは必要で。そういう面ではマルシェだったりとか、そういうところに出ていって評価を下されるっていう意味ではいいとは思うんです。地元じゃなくてね。その目の肥えてるところのマルシェに出ていたりとかが条件なんですけど。
そうすると自分たちがやってることの意味とかってのは見えやすくなってくるんで。うん。もう本当に僕は都内のインターナショナル系のスーパーでのファーマーズマーケットに出ていてびっくりするのが、ひとならべで9,000円くらいの野菜をざっと買っていく。欧米の方たちの理解度が全然違う。大使館の方やトレーダーの方とか外資系の方とか。ああいう異質なところで売ってみると、世界の価値観ってこうなんだって、日本とのギャップをすごく感じているので。私たちがもっとかみ砕いて、農家の人たちがそれをちゃんと分かるような環境を作らないといけないなと思っています。
本日は有難うございました。
有機農産物は自身で値段交渉ができる、でも売り先があればですよね。ではどのように販路を作るか?年間を通して40〜50品目の野菜を栽培する、いわゆる多品種小ロットは飲食店向けでターゲットを絞る。栽培に得意な野菜があれば集中して量を増やして専門業種とする、市場(マーケット向け)食材・原料供給。商談は付きやすいが「顔は見えない」かも・・都市近郊であれば前者に有利で販売先の要望を聞き入れ栽培計画につなげられるでしょう。
―オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト 山田
ChaviPelto チャヴィペルト
オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト
国産の有機農産物をもっと利用、知っていただくこと。それは「まず、食べてみる」そこで全国にある飲食店さまに有機野菜や有機農業からできた加工品・調味料を使ったお料理を食べてみることからオーガニックを知ることができるのではと考えました。
これからもオーガニックな食材を取り扱う飲食店へのインタビュー取材、コンサルティング行なって参ります。わかりやすく、12月11日(金)・12日(土)には他業種へのアプローチとして展示会「セラピーワールド東京」へグループ出展します。内容は「いただきます、オーガニック」とします。セミナーやワークショップも検討中です。「でも、難しいんでしょう」と思われている方も心配ありません。ぜひご参加ください!
また、BtoBサイトではお店を経営されている方にも有機野菜の扱い方から、マッチングで生産者との出会いの場になる情報をお伝えします。お店のメニューにオーガニックを加えていただくことが今回の私たちのミッションです。
オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト
https://www.organic-btob.com/
