スペインのオーガニック業界からご挨拶

¡Hola a todos! 皆様こんにちは!初めまして。スペイン・セビージャ(セビリア)に本部がございますヨーロッパ有数の有機認証機関、Servicio de Certificación CAAE(セルビシオ・デ・セルティフィカシオン・カーエと発音します)に勤務させていただいている大谷由美子と申します。本サイトを通じ、弊団体が認証させていただいている有機生産物等についての情報をはじめ、スペインのオーガニック業界の情報を皆様に直接日本語でお伝えさせて頂ける事を大変嬉しく思っております。

まずは少しだけ弊団体の紹介をさせて下さい。CAAEは有機生産物認証を行う国際的な認証機関です。1991年以来、有機農畜産物、有機加工食品、食品の安全性、飼料・肥料、コスメティック、エコガーデン、有機レストラン・店舗、ビーガン認証など、セクターのすべてのニーズをカバーする認証を行っています。

CAAEは、スペインにおける代表的な有機認証機関でもあり、スペインで唯一、第三諸国での認証を実施するためのEUからの認定や、米国政府からのNOP有機認証機関としての認定を受けています。

そして、CAAEはこの度、農林水産省により、有機JAS規格に基づいて認証を実施するための登録外国認証機関としての承認を日本政府から受け、スペインで唯一この認可を取得する機関となりました。

オーガニック業界の現状について

まず初めに、世界で有機生産が行われている面積は、年々絶えず成長しています。最新のデータは20.7%の上昇を示しており、この割合は過去20年間で533%に上昇しています。世界の有機栽培のヘクタールは7000万を超え、うちヨーロッパは21%を占めています。

ただ、増加しているのはこれらの生産に関する数値だけではなく、消費量も増加しています。

全世界での消費は920億ユーロ(約11 兆400億円)を超え、そのうち373億ユーロ(約4兆5348億円)はヨーロッパにおける消費量で、スペインは世界で最も消費量が多い10か国のうちの1つです。

ヨーロッパのみに焦点を当てると、スペインは2百万ヘクタール以上の有機生産面積を誇り、ヨーロッパでは第一位(全世界では第四位)、これにイタリア、フランスが続きます。尚、それは国内の農地面積の9.7%に相当します。さらに、スペインの有機生産総面積のうち、100万ヘクタール以上がCAAEの認証を受けています。

スペインで最大の耕作面積を持つ作物は穀物で、20万6119 ha。これに19万5,114 haのオリーブが続きます。続いて、ナッツ類:14万6,977 ha、ブドウ園:10万6,897 ha、 マメ科植物:3万484 ha、野菜2万573 haとなります。

スペインの有機農業事業者の数は現在4万4,282で、昨年比で5.3%の成長を記録しました。この数値は今後も成長の一途をたどり、2020年にはその事業者の数は5万を超え、21億ユーロ以上の市場価値が生み出されると推定されています。

スペインのオーガニック製品の消費量は、昨年だけで16.4%、2012年以降で約96%の増加を記録しました。また、スペインの消費者の購入額は過去3年間で7億ユーロ増加し、一人当たりの支出額は、1年あたりで42ユーロから46.5ユーロ(ヨーロッパ平均:47ユーロ)になりました。

消費者の傾向にも変化があり、10人中6人が過去5年間でオーガニック製品の消費を始めたと答えています。購入傾向については、43%が非専門の通常店舗で、28%が専門店で、29%が通常店舗と専門店の両方で購入しています。

スペインの有機生産はまさに成長を続けている状態で、さらなる市場拡大の機会がこれからも大いにあると見られています。

認証機関としての見解

この、スペインにおけるオーガニック業界の成長は、消費者による健康に関する関心の高まりのみでなく、環境への配慮や尊重する意識の高まりにもよるものが大きな要因です。安全な製品を求め、なおかつ環境問題に対して消費者自身も積極的に関わるという意味で有機農産物を購入する動きが今後も更に広がっていくでしょう。

認証機関としての弊団体の主な使命は、有機生産部門への専門的な認証サービスの提供に焦点を当て、社会に奉仕し、認証する製品とプロセスの完全性と信頼性を保証すること、安全な製品であると保証することです。

さらに、地球規模の危機的状況である環境問題に対し、気候変動の影響を緩和することができる唯一の規制システムは有機生産であると確信しています。

このことは学術的にも裏付けされており、コルドバ大学の有機生産の教授、Clemente Mataの研究で、Ecovalia(エコバリア)が編集した「地中海の有機生産と気候変動について:現状の知見」(研究の英語版をこちらからご覧いただけます)によると、有機農業で生産された冬の穀物、オリーブ、亜熱帯作物および柑橘類は、従来の生産方法と比較して、それぞれ42%、100%、40%および60%以上、二酸化炭素排出量を削減する事が分かっています。

また、有機生産は、化学物質を省くことで空気、土壌、水の汚染を防ぎ、さらに、より環境に配慮した方法を採用することにより、土壌の生物活性が促進されます。

気候変動は軽視することが出来ない現実の問題です。社会の意識も強まっており、日に日に有機生産の分野への関心が高まり、それに関わる人がより一層増えており、市場の成長に貢献する事実となっています。

この記事を書いた人

大谷由美子(おおたにゆみこ)
兵庫県出身。2000年よりスペイン・セビリア在住。スペインの文化に興味を持ち、語学留学。のちに現地の語学学校に就職、17年半に渡り外国人向けスペイン語コースのプロモーションに従事。大好きなスペインと日本の橋渡しをすべく新たな可能性を模索する中、日本でのスペインの食文化のブームや人々の食に対する安全や環境保護への関心の高まりを受け、スペインの食品産業に注目。徹底した品質管理が行われた、安全でクオリティーの高いスペインの有機生産物を認証し、国内をはじめ世界に届けるための一端を担う事ができるCAAEに転職。有機JAS認証の窓口を皮切りに新しい分野での業務に日々研鑽を積んでいる。

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