「オーガニック白書 2017+2016 近未来予測」の完成を記念しての特別セミナーが、2018年3月22日(木)に開催されました。OVJ(一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン)は、1万人規模の「消費者意調査」を実施。一言でオーガニックと言っても認識や理解度には個人差があるため、できるだけ正確に回答してもらえるようオーガニックの定義を明確にし、そのうえで、オーガニックの利用者に対しての厳密な消費者意識調査が行われました。また、消費者像をより具体的に読み取るために「月購入金額」「世帯年収」「世帯年収×オーガニック食品の月購入金額」「オーガニック食品への付加価値認識別」の4つの分析軸を設定しています。

そして、今回ここから生み出された数字が、推定4,117億。格付け量や輸入などの数字が盛り込まれていないため、あくまでもアンケート調査に基づいた消費者のマーケット感覚「市場規模感」としての位置づけとしています。2018年の調査、そして今後様々な機関から出てくるであろう情報なども含め、冷静に見守っていく必要がありそうです。

いずれにしても食品全体の市場から見れば、オーガニックの食品市場はまだごくわずかであることは間違いありません。それでも、「日本のオーガニック市場は伸びている!それも加速をつけてこの先もっと伸びる可能性を秘めている。オーガニックは伸びるしかないのだから。」と、OVJの山口タカ氏。

「日本のオーガニック市場は伸びている!」

その根拠として、本セミナーではいくつかの事例データが紹介されました。

オーガニックを”買わない理由”が変化 

「日本のオーガニックは伸びている!」の根拠となる事例の中でも、特におさえておきたいポイントは以下4項目です。

1.有機JASマークを重視する人が増えている。
2.オーガニック野菜・果物の購入先として、大手や地元スーパーの利用率がUP。
3.オーガニック系外食利用者の、利用頻度が増えている。
4.年代・世代別でみられた「20代・30代男性」の購買意欲の高さ。

今まで「オーガニックを買わない」2大理由と言われてきたのが「オーガニックは高いから」と、「オーガニックを身近で売っているところがないから」の2つでした。

ところが、ここ数年、一般のスーパーでの有機野菜や有機食品などの取扱いが増えたのはもちろんのこと、イオンやライフといった大手流通企業による参入等もあり、より買い場が増え、よりオーガニックが身近に入手しやすくなったと考えられます。実際にオーガニック野菜や果物の購入先として、大手スーパーの利用率は前回の調査から10%以上の増加を示しています。

「オーガニック=有機JAS」を認識し、購入時に有機JASマークを重視するという人も増えてきています。専門店以外での有機農産物の取扱いが増えてきていることが、結果として今まであまり有機(オーガニック)に興味のなかった一般の消費者の方にも、広く啓蒙することへと繋がっています。

また、20代・30代といった、いわゆる「ミレニアル世代」男性のオーガニック購入意欲の高さ、意識の高さも注目したいポイントのひとつ。欧米と同じ消費傾向が、日本のデータにも少しずつ見えてきました。あまりモノを買いたがらないと言われるこの世代ですが、環境や社会貢献の意識が高く、価値観が合うものに関しては価格に関係なく内容や質を重視します。

「オーガニックを買わない」理由のひとつ「オーガニックは高いから」が、ここでは崩れつつあります。「高くても買う」ミレニアル世代が、今後さらなるオーガニック需要を生み出していくかもしれませんね。

1980年代から2000年代生まれ、新しい価値観を持つこのミレニアル世代は、同時にインターネット利用率の高い、ソーシャルメディアを駆使するデジタルネイティブ世代でもあります。SNSなどで積極的に情報発信することがまた、今後、次世代のオーガニック消費に良い影響を及ぼすのではないかと期待されます。

日本のオーガニックは伸びている! 

ORGANIC VISION編集長 山口氏が講演の冒頭に言われた、「結論から言うと、日本のオーガニック市場は確実に伸びています。」という力強いメッセージ。そして、「今までは業界からも、消費者からも、メディアからも『日本のオーガニックは遅れている』といった、ネガティブな発言が多かったけれども、これからは、『日本のオーガニックは伸びている。そしてまだまだ、これからもっと伸びる。』そのような表現に変えていきませんか?」と投げかけられた提案が、とても印象に残りました。

日本のオーガニック市場が伸びてきている、と言っても、欧米の規模や勢いに比べれば差が大きいのは事実。それでも、『日本は遅れてるから・・・』で終わるのではなく、『どうやったらもっと伸ばせるだろう?』という、ポジティブな発想でいきたいものですね。

「オーガニック白書2017+2016」近未来予測

■判型:A4判 ページ数/156P 無線綴じ オールカラー
■印刷部数:2000部(初版限定)
■販売:予約注文販売(*一部自然食品店、通販サイトにて販売)
■定価:10,000円(税別)
■発売日:2018年4月1日(日)
■制作発行:一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ)
■調査協力:株式会社電通CDC
■協力協賛:NPO法人日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会(JONA)

【掲載内容】
消費者意識調査から/ユーザー意識の分析/オーガニック食品購入者の消費実態から見えてきたこと/消費者意識調査から市場規模感の考察/2017 年度版消費者購買意識調査/2016 年度版消費者購買意識調査/識者はこう読み解く など

2018年4月1日発売

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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