オープンからもうじき2年を迎える、株式会社ライフコーポレーションによる新業態「BIO-RAL(ビオラル)」第一号店の靭店。「BIO-RAL(ビオラル)」という店舗名は、BIO(有機)とNATURAL(自然)をコンセプトとして取り入れられた言葉だそうです。掲げられた看板には「Natural Supermarket」とありますが、実際にはいわゆる「自然食品店」とは違います。「オーガニックスーパー」ではないし、普通のスーパーでもなく、高級スーパーと言うのもちょっと違うかも?なかなか一言で表現する言葉が見つかりませんが、あえて命名するならば、「オーガニックフレンドリー・スーパー」でしょうか。オーガニックフレンドリーなお店。こんな言い方が一番しっくりくるような気がします。

実は、BIO-RAL(ビオラル)靭店の最寄り駅すぐ近くの交差点、店舗間距離はわずか数百メートルほどの場所には、従来型の店舗「ライフ阿波座駅前店」もあります。2店とも同じ企業が運営しているわけですが、オレンジとグリーンのカラー、四つ葉のクローバーをロゴとするスーパーマーケット、ライフに比べ、BIO-RAL(ビオラル)の方は、入り口や店内フロアも木目調だったり、全体的にナチュラルカラーを基調としているのが印象的!

取り扱う商品のラインナップや販売スタイル、外観も含めて、そのコンセプトを前面に打ち出しています。お店の見た目も、集客の大きなポイントとなるもの。カラーやデザインが柔らかな印象を与えるとともに、オーガニックな世界観を表現。お店のこだわりや提供するサービスを外観でうまくアピールしています。

店舗に入ってすぐが野菜のコーナー。2列になっている右手、入り口すぐの真正面にオーガニック野菜のコーナーが。左は地元の農家さんの直送野菜コーナーになっていました。普通のスーパーマーケットでは、有機野菜の取扱いはあってもごくわずか。売場でコーナー展開をしていても、なかなかここまでの品揃え、ボリューム感を出しているお店はありません。

野菜をカゴ盛りにした1個からの裸売りなど、売り場の印象作りも素敵ですね。「オーガニックとは何か?」「有機JASマークって何?」と、あちこちに啓蒙するツールがあります。まだまだ知られていない、オーガニック。一般の消費者の方への認知拡大に、このような店内POPがもたらす効果は意外と大きいものです。

「有機農産物がお客様に届くまで」と、ボードで認証の流れも紹介されています。

これいいね!と思ったのが、包装されていない有機野菜のプライスとともに提示されている、有機JASマーク。

農家さんからケース販売されている有機野菜を、小分けにせずバラ売りにする際に、段ボールに貼られているマークを切り取って、きちんとPOPのホルダーに入れています。これ、専門店でも意外とやっていないお店が多いんです。

段ボールを雑に切って置いてあるだけ、そのままセロテープなどで簡単に止めているだけというお店が結構多くて、以前から気になっていました。生産者によって、シールの大きさなども異なるうえに、ラベルが汚れていたりヨレヨレになっていたりするので、煩雑な売場という印象を与えてしまいます。クリアなケースに入れるだけで、ピシッと清潔感が出るものですね。

※該当農産物以外のものに、他有機農産物の有機JASマークを提示することはできません。

野菜売り場の先を進むと、グロッサリー売り場が。注目製品や季節の商材などをピックアップする催事コーナーも設けられていました。

調味料から加工食品、菓子まで、オーガニック、ナチュラルな食品はもちろんですが、一般の大手メーカーNB製品も同様に、幅広いラインナップです。現代の多様化するライフスタイルや嗜好、トレンドもしっかりキャッチ!BIO-RAL(ビオラル)では、1つのカテゴリーの中で、価格、ブランド、オーガニック認証の有無、、など、消費者は自分の好みにあった製品を様々な選択肢の中から選ぶことができます。

オーガニック&ナチュラルとNB製品が同じ棚に並べられてはいますが、例えばざっくり左はNB、右にオーガニック&ナチュラル、というように、一定の規則性のもとに考えられた陳列、レイアウトになっています。選びやすく、買いやすい棚割やPOPの活用など、様々な工夫がされていたのが印象的でした。

例えば、調味料売場。油のコーナーでは、定番のオリーブオイル、ココナッツオイルはもちろん、チアシードやえごま、トレンドのギーやMCTオイル、かなりマニアックなオイルも販売されていました。オメガ3、オメガ6、オメガ9・・・など、健康や美容に注目されている「オイル」について、わかりやすい解説のPOPが提示されています。

よく見ると、プライスカードも色分けされていますね。オーガニック&ナチュラルな製品には、茶×ベージュの「BIO-RAL Style」デザイン。簡単な商品説明、こだわりポイントも書かれています。一方のNB製品は、シンプルなプライスカードでした。

また、製品の特長である「オーガニック」「グルテンフリー」「化学調味料不使用」などのポイントをわかりやすく示すPOPや、手書きをプラスするなどの工夫も見られます。スタッフの意見やアイデアを積極的に、売り場に取り入れているとのことでした。

BIO-RAL(ビオラル)はあえて、品揃えを「オーガニック」だけに限定していません。消費者の価値観が多様化する中、オーガニック&ナチュラルとNB製品とのバランスをうまくとりながら、商品選定をされています。決してオーガニックを押し付けず、オーガニック&ナチュラルなライフスタイルをさりげなく後押し。消費者の潜在的な需要を喚起する取り組みがたくさんありました。

今までありそうでなかった、従来型のスーパーとオーガニックスーパーのちょうど中間「オーガニックフレンドリー」なお店が増えれば、オーガニックの裾野はもっと広がりやすくなるのではないでしょうか。有機野菜、オーガニック食品を扱ってはいるけれど、なかなか売れない、どう売っていいのかわからない・・・と感じている一般の小売店の方、また、オーガニック専門店にとっても、BIO-RAL(ビオラル)の売場には、様々なヒントが詰まっています。BIO-RAL(ビオラル)の取り組みが、食品業界にこれからどんな影響を与えることになるのか? 今後の店舗拡大にも期待しています。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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