「オーガニックビレッジ宣言」をした山梨県北杜市は、北杜市立武川小学校の5年生(10名)の授業の一環として、武川米(農林48号)の作付けを行っています。今年度は、国の「みどりの食料システム戦略」や市の「オーガニックビレッジ宣言」を踏まえて、農薬および化学肥料に頼らない有機農業にチャレンジ。
有機米デザイン株式会社が開発した水田の自動抑草ロボット「アイガモロボ」を動かすためのプログラミングを活用した、ICT教育のモデル授業を実施し、子どもたちが自らプログラミングした「アイガモロボ」を田んぼに投入し、農業が抱える問題を最先端技術で解する喜びを体験しました。
ICT教育モデル授業への「アイガモロボ」導入の背景
北杜市では、日照時間日本一、雄大な山々が育む清らかな水、肥沃な土壌など、農業にとって欠かすことのできない豊かな自然環境を有しています。令和5年3月23日には「オーガニックビレッジ宣言」し、有機農業の推進に取り組んでいます。また、この宣言の実現を図るために、令和5年6月12日には、北杜市、梨北農業協同組合および井関農機株式会社がオーガニックビレッジに関する連携協定を締結しました。
有機米デザイン株式会社が開発し、井関農機株式会社が販売する「アイガモロボ」は、水稲の有機栽培において重要課題である除草対策において、雑草の繁殖の抑制が可能であり、市が推進している有機農業の面積拡大という課題の解決策の一つとして、活躍が期待されています。
こうした中、有機農業の普及を推進していくには、生産や消費の拡大も必要であると共に、次代の担い手である子供たちへの理解の促進も必須と考えます。そこで、武川小学校において従来から実施されていた総合的な学習の稲作体験において、スマート農業やICT教育、有機農業の推進を図ることを目的に、有機米デザイン株式会社が実施する「アイガモロボ」を活用した教育事業(ICT教育や有機農業の普及)の実施に至りました。
「アイガモロボ」について
アイガモロボは、代掻き後の水田を太陽光発電で得られる電力によって自律航行して、水中を撹拌し泥を巻き上げることで光を遮るとともに、土の物理性に影響を及ぼし、水面下にある雑草の生長を抑制します。除草剤を使わずに雑草が生えにくい状態をつくることで、除草にかかる労力を大幅に削減できます。
武川小学校の武川米(農林48号)の令和5年度作付け年間スケジュール予定
6月9日 オリエンテーション
6月15日 田植え
6月21日 「アイガモロボ」授業
8月28日 かかし作り
10月中旬 稲刈り
11月中旬 お米を使った調理実習