ゼロウェイストを目指し、ビニール袋や使い捨てカップなどのプラスチック包装をできるだけ使用しない、量り売りスタイルの八百屋「ORGANIC&CO.(オーガニックアンドコー)」が、2022年1月29日(土)大宮Bibliにオープンしました。

おしゃれなリヤカーをずらりと売り場に並べるという、今までなかった斬新なスタイル。リヤカーの台のサイズに合わせたコンテナBOX を設置して、その中に野菜を入れて販売するというアイディアです。リヤカーを引いて簡単に売り場移動も可能なので、そのまま店頭に移動させたり、屋外のマルシェなどでも活躍しそうですね。リヤカーを活用した売場はインパクトがあるだけでなく、機能的、実用的でもあります。

オーガニックの椎茸は菌床のまま!好きな分だけを購入もでき、その場で収穫気分も楽しめます。だいたいどれくらいの価格になるか?をイメージしやすいように、1個あたりのおおよそのグラム数などもプライスカードに書いてあります。品物によってはあらかじめ袋に入っているものもありますが、裸売りのものが多くありました。

お客様は、欲しいぶんだけをザル、または買い物カゴに入れてレジへ持っていきます。売り場で自分で計量してシールを出すのではなく、こちらのお店の“量り売り”は、レジで店員が計量して清算するスタイルです。清算が済んだら、お客様はロゴの入ったリヤカーが飾られている中央のサッカー台(スーパーなどで袋詰めをするための作業台)へ移動し、持参したエコバッグ等に自分で袋詰めします。

土がついている根菜や、バラバラになってしまうミニトマトなど、古新聞で作った袋に入れてくださいました。一般のスーパーなどによく置いてある、レジ袋ではなくお肉や魚、豆腐などを入れるための薄手の“ポリ袋”も必要なし。懐かしさを感じるとともに、エコでいいアイディアだと思いました。

昔の八百屋さんでは、ざるに入れた野菜や果物が店頭に並んでいましたね。例えば、お客様の「半分だけほしい」「1個だけでいいんだけど・・・」という要望に対し、店員さんがその場で必要な分を計量し、その場で袋に詰めたり新聞紙で包んだり。商店街にある青果店やお肉屋さん、お惣菜やさんなど対面式のお店はまだ健在ですが、最近ではすっかりそんな光景はめったに見られなくなってしまいました。

プラスチックごみの削減とリサイクルの促進を目的に、2022年4月1日よりスタートする、プラスチック資源循環促進法。ゼロウェイスト、環境問題に貢献したいけれども、量り売りの販売に切り替えることに躊躇してしまってる店舗側。一方で、対面のコミュニケーションがちょっと苦手だったり、計量器の操作が苦手だったりセルフ方式の量り売りではちょっと不安・・・という消費者側。「Organic&Co. 」さんのように、会計時に店員さんが計量することで、そんな双方の悩みも解決してくれそうです。

従来の対面式の量り売りともまたちょっと違う、会計時の対面計量。日本人のお買い物の習慣にマッチした、古くて新しい?量り売りのスタイルかもしれません。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

関連記事