伝統食材から世界初のオーガニックコスメへ~前編~では、九州・福岡芦屋産の資源を活用し「農商工連携」の取り組みにより誕生した、新スキンケアブランド「SHIZOOJU|シズージュ」について、パルセイユ株式会社・代表取締役の金井誠一社長にお話を伺いました。
続いて後編では、SHIZOOJU(シズージュ)のブランディングを手がける、株式会社ヌリーの石田さんにお話を伺います。
日本のハーブにこだわる
>それにしても、赤紫蘇の香りがすごいですね!
まさに日本のスーパーフード、赤紫蘇の力ですね。
開発側としては、はじめは「赤紫蘇」の香りを前面に出すことに抵抗があったようです。
当初は、一般的に人気のあるローズやラベンダーとか、アロマで有名な香りで紫蘇の香りを緩和した試作品が届きました。既存の価値観からのチョイスになっていたんですね。
ところが、他の香りを配合しても、赤紫蘇の香りが勝ってしまい、残り香が、梅干しになる…笑
もう一つ、せっかく地元の文化を担う材料でコスメをつくるのであれば、配合成分は可能な限り地元産の原料にこだわりたいと思い、何度も何度も試作を重ねました。最後、これでだめならもう出すものがない・・・と、出来上がった製品は、あの特徴的な香りを消すどころか、むしろ前面に出したものとなりました。
この強い香りは、赤紫蘇の葉茎の精油によるもの。赤紫蘇のエキスに加え、精油を作り、配合することにたどり着いたのです。赤紫蘇の精油って、実は今まで、化粧品の登録がなかったんですよね。そこで、化粧品の原料として申請することに。世界初の原料が、ここ、芦屋から生まれました。
赤紫蘇の独特な香りは賛否あるかもしれませんが、赤紫蘇をブランディングする上では、赤紫蘇自体の個性を引き出し、アピールしてこそです。
赤紫蘇の独特な香りは、シズージュの「アピールポイント」なのだと思っています。
国産のオーガニックコスメ
>ところで、石田さんはパッケージデザインなども担当されていますが、最近のオーガニックコスメのデザインについてどう思われますか?
随分おしゃれなものが増えましたよね?
でも、本当にコンセプトに合った、パッケージデザインは少ないように思います。
まったくデザインされていないか、すでに認知されている海外のものをアレンジしたようなデザインが多いですよね。どっかで見たな、みたいな。欧米で売れているものをまねしているものもたくさんありますが、実際NYに行くと、こっちでおしゃれだと思うものはスーパーマーケットのレベルで、日本はまだまだと思い知らされます。
シズージュも、最初は所謂さらっとした「ナチュラル系」、白いスモーク調に白い柄のものを考えていたんですよ。
>それがなぜ、黒になった?
出来上がった製品が、明らかに白じゃなかった。和の濃厚な成分と個性の強い香りは、他には無いものだったので、それに負けないもの、それをアピールするデザインにしたい!と思って。既存のオーガニックコスメのイメージにとらわれる必要はないと思いました。白のイメージが西洋だとしたら、和のイメージは漆黒、マットブラックですね。
欧米のまねではなく、日本の素晴らしい文化を共有し、受け継いでいきたい。そして、世界にも発信していきたいという思いから、シズージュのパッケージ、ボトルは、漆黒を選びました。ボトル自体も、あえて重みのあるガラスを使いました。貴重な原料を使っているのですから。それを尊重するようなデザインにしたかった。
製品のコンセプトにあったオリジナルデザインであることが大切だと思います。
地産地消。九州芦屋発コスメ「シズージュ」
>おすすめを教えてください。
全商品、肌につけるものも食品を同じように、全て無農薬で低温処理にこだわっていますが、強いて言うなら、オイル。日本ハーブにこだわって、日本の気候と日本人の肌に合った、髪や爪にも使える万能オイルです。
次に有機オイル100%の石鹸。これは、試作でいくつか使い比べをした時に、やぱっりオーガニックはぜんぜん違う!と感動。化粧品は、たとえ同じ配合率であっても、使っているオイルのクオリティによって、まったく別物になるのだと、実感しました。
ローションも、とても贅沢な処方になっています。全成分を見ると一番最初に「シソ葉エキス」と書かれています。水は抽出溶媒として使っていますが、製品に水を加えることはありません。つまり、薄めてないんです。
また、セラムにはヒアルロン酸が配合されていますが、原料として買うとキャリーオーバーが心配ということで、ヒアルロン酸自体も、自社で水溶液にして防腐剤の混入を防いでいます。
是非一度、使っていただき、赤紫蘇のパワーを実感していただきたいですね。
>今後の展開は?
2019年2月にリンス・コンディショナーのいらない、コンプリートシャンプーと地肌と髪のケアが一度にできるヘアマスクを発売する予定です。
原材料やオリジナリティだけじゃなくて、泡立ちや流しやすさ、香りや質感など、忙しい毎日に、手軽で安心して使えるように、こだわり抜いています。
まず自分が毎日使うことがわくわくできる商品に仕上がる予定ですので、ぜひご期待ください!
▽前編も読む
【対談】伝統食材から世界初のオーガニックコスメへ~前編~
九州・福岡芦屋の特産品・赤紫蘇の「蘇り力」を活かして地域に貢献
▽「SHIZOOJU シズージュ」ブランドサイト
http://shizooju.com/
▽公式オンラインショップ
https://wacosme.com/
▽株式会社ヌリー
http://nourrir.jp/