ドクターインタビュー「日本のがん患者増加と食事の関係を探る」

プロフィール
石黒　伸　アクアメディカルクリニック院長
医師　愛媛大学出身
著書に「告白します。僕は多くの認知症患者を殺しました」(現代書林)
URL： http://www.aqua.clinic

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医療の現場では食に関してどのようにとらえていますか？

医学は進んでいるのに、今、ガンをはじめ、いろんな病気が増えています。それを目の当たりにして、やっぱり食べ物が影響していると思い、私自身、栄養学の勉強を始めました。

わかりやすいのが、糖尿病です。そもそも糖の取りすぎ、つまり食事に原因があることが多いのですが、その治療法にも問題があります。

現代は、血糖値を下げるいい薬があります。でもそのままでは低血糖になるから、インスリンをうって炭水化物を食べなさいと指導するんです。それでは病気が治るはずもなく、日本の糖尿病患者数は一千万人に到達しようとしています。

「それはおかしい！」っていう医師も増えてきて、糖尿病学会などでも、改善する動きがでています。医療の世界でも、食事を見直す時代の潮流が始まってきています。

ガンと食事にも関係があると考えられますか？

栄養学的な話をすると、ガンの患者さんに特に必要な栄養素は、ビタミンCやビタミンD、マグネシウム、さまざまなミネラルなどです。

これらが不足していると、体がそれを補おうとしていろんな対処をするんですが、その結果として、ガンやほかの病気が発症するといえます。

もう1つ、ガンに関して言うと、体の酸化にも深く関係しています。さきほどの栄養素は、酸化を抑える働きもあるのですが、これらが欠乏すると酸化が進み、ガンになりやすい環境になります。

なので、ガン患者さんには、これらを補う食事や生活習慣（日光浴・運動など）をおすすめするのですが、治療に必要な量を摂取するのはなかなか難しい。そこでサプリメントやビタミンC点滴療法も行ったりしています。

病気が増えているということは、栄養素が欠乏している人が増えているということでしょうか？

その通りです。みなさん食べすぎているって思っているかもしれませんが、現代の日本の食事のスタイルでは、必要なものは確実に欠乏していきます。先ほどの糖尿病の話に戻りますが、調べてみると、砂糖の消費量は、昔より減っているんです。でも甘いものの消費量は増えている。それは、加工食品に入っている人口調味料のせいなんです。いわゆる添加物ですが、これらが大量に消費されるようになると同時に、食物繊維の摂取量が減るようになりました。厚生労働省の基準は1日20gですが、現代の日本人の特に若い人の平均だと約14g。全然足りてない。

加工食品ばかり食べていると、マグネシウムやビタミン類なども摂れるはずもなく、必要な栄養素が欠乏する事態になっているのです。

ガンや糖尿病などの現代病の根本には、慢性的な栄養不足があると言えます。

まずは何から変えればよいかアドバイスください。

わが家では、加工食品をなるべく排除しました。ソース、焼肉のタレ、ケチャップ、マヨネーズ、ドレッシングなどは、添加物・人工甘味料の塊です。

チェーン店などのサラダは、海外から冷凍輸送されたものを化学液につけて回答、水道水で洗ったもの。化学液の浅漬けみたいなものですので、これも無し。チーズは、加工食品のプロセスチーズではなくナチュラルチーズを選ぶようにしました。

他にもいろいろあるのですが、あまり細かいことをいうと混乱しますので、患者さんには「野菜を増やしましょう。できればオーガニックで！」とお伝えしています。

※この記事は「ORGANIC VISION」第１１・１２号の連載「オーガニックの可能性」からと「ガンが嫌なら野菜を変えなさい」の記事を引用し、構成しています。

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ガンが嫌なら野菜を変えなさい(veggy5月号増刊)
監修・石黒伸(アクアメディカルクリニック院長)

雑誌概要
誌　名：　ガンが嫌なら野菜を変えなさい（veggy5月号増刊）
監　修：　石黒　伸　（アクアメディカルクリニック院長）
著　者：　サルベストロール研究会
判　型：　A４判
定　価：　864円（本体800円）
発売日：　2019年4月15日
発行元：　キラジェンヌ株式会社
発売元：　キラジェンヌ株式会社

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一般社団法人オーガニックヴィレッジジャパン(OVJ)発行
「ORGANIC VISION」 vol.11　vol.12