Amazon Go(アマゾンゴー)が誕生してから約5年。2019年にAmazon Goのサンフランシスコ2号店で買い物体験をし、その後どうなってるだろう?と思っていたところだった。Whole Foods MarketがAmazonの“Just Walk Out”を導入したということで、今回2番目となるSherman Oaksの店舗を訪れた。事前に「Whole Foods MarketかAmazonアプリのQRコードをスキャンする」という情報があったので、是非体験してみようとAmazon Goのアプリを確認したのだが、なぜか閉鎖?されているようで使用できず。その時はわからなかったのだが、Amazon Go の8店舗 (シアトル2店舗、ニューヨーク2店舗、サンフランシスコ4店舗) を4月1日に閉鎖するというニュースを、帰国後知ることとなった。

Just Walk Outの利用方法は、Amazon Go同様に、アプリのQRコードをスキャンするか、Amazon One(手のひらをかざす生体認証)か、Amazonアカウントに紐づけされたクレジットカードまたはデビットカードを挿入するか。店内にあるカメラや重量センサーなどで、棚から取り出したり棚に戻したりする商品が検出され、商品を追跡する仕組みだ。店内で欲しいものを手に取って、そのままバッグに入れても大丈夫!買い物を終えたらレジを通らず、そのまま入店と同じ方法でゲートを通れば決済でき、買い物の明細は、店舗を出た後にアプリに届く。

Amazon Goと異なるのは、アプリなどが無くても、通常の買い物もできるところ。セルフレジもあるがスタッフのいるレジで、クレジットカードはもちろん現金でも決済が可能だ。

▽Amazon Go(アマゾンゴー)とオーガニック
https://organic-press.com/world/world_report109/

しばらく、レジ前で様子を見ていたが、Just Walk Out用のゲートから出ていくお客様はたまにいる程度で、今のところは圧倒的に通常の会計をする人が多い。レジが少ないので、時間によってはレジ待ちの列ができてしまっている。入り口も出口も、ゲートは3つもいらないのでは?1つで良くない?と思ってしまったくらいだ。

とはいえ、このシステムなら、意外と定着するかも?という印象を受けた。何故なら、以前のAmazon Goの店舗で感じた、何か人のいない冷たさとか、整然としすぎた商品陳列などの違和感がなかったから。高齢の方など、あまりアプリなどを活用しにくい方であっても利用できるし、Whole Foods Marketらしい生鮮食品なども豊富にある。お客様を限定しない、拒否しない、というのもなんだかほっとする。

現地在住の方に「Amazon Go は何故あまり上手くいかなかったんでしょうね?」という話をしたら、「なんだかんだ言っても、アメリカの人はコミュニケーションが好きだからね。」という答えが返ってきた。特に、高齢になるに従い、よりその傾向は強くなるのでは?という印象なのだそうだ。だから、「今のデジタルネイティブが年を重ねたときに、全員がそのままITを活用するかというと、必ずしもそうでもないのかもしれないね。」と。

Amazon Goが話題になってから、日本でも同様の仕組みができたりしてるが、運用としては、Whole Foods Market に導入した「Just Walk Out」のように、自動決済システムと、セルフレジ、有人による従来型のレジとのハイブリッドが現実的なのかもしれない。あるいは、年齢確認が必要なタバコやアルコールなどに関しては、不快に思われない年齢確認の方法として、ゲートで生体認証するなどの仕組みを導入するとか。

日本でも、スマホアプリでの決済や、コンビニやスーパーのセルフレジなどが浸透してきたところ。

そろそろウォークスルー決済の時代が来る?

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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