ヘルスコンシャスな都市ニューヨークで、南米アンデスの穀物キヌア(QUINOA)が大ブーム。Whole Foods Marketを代表とするオーガニックショップでも、若い女性を中心にこぞって購入している姿を目撃した。ハリウッドセレブやモデルが食生活に取り入れているとか。栄養価の高さに加えグルテンフリー食品であることも後押しし、ここ数年オーガニック&ヘルスフードのトレンドとなっているようだ。

ニューヨークではポピュラーなオーガニックホワイトキヌアの他、レッドキヌアやブラックキヌア、それらがミックスされたものなども販売されていた。さらに、オリジナルのオーガニックキヌアを発芽させたスプラウテッドタイプ(SPROUTED QUINOA)のもの、パフ状のもの、パウダー状のもの、パスタになってるものなどもある。中には、キヌアのスムージーといった飲料や、お菓子など、加工品にも幅広く取り入れられている。

キヌアは粟や稗のように雑穀類のように食されることが多いが、厳密にはイネ科ではなくアカザ科に属し、ほうれん草やサトウダイコン、アカザなどに近いのだそう。10種類の必須アミノ酸を全て含み、たんぱく質も豊富な栄養価の高い植物だ。日本でも、ずいぶん前にTVの健康番組の影響でちょっとしたブームとなったことがある。その後は一般市場においてはすっかり影をひそめたものの、ブーム後もアレルギーの方の代替食として利用されていたり、ベジタリアンの方や健康志向の方、カフェやレストランのメニューにに取り入れられるなど、ナチュラルフード業界においては既に身近な食材の1つとして定着してきている。

SPROUTED QUINOA

アンデス地方に住む人々の間では、古代インカ帝国時代から食べられてきたというキヌアだが、最近になって世界的に需要が高まり価格が上昇。これにより生産者に収入をもたらすようになった半面、以前は身近だった食材が手が届きにくくなり、現地の食生活に影響を与えかねない点も問題視されている。

日本でも再び脚光を浴びつつあるが、以前のように一過性のブームが起こることで、本当に必要としている人の手にキヌアが入りにくくなるようなことがないことを祈っている。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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