2002年に設立されたスペインのオーガニックスーパー、VERITAS(ヴェリタス)。設立から15周年に当たる現在、バルセロナを中心に30店舗以上を有する大手オーガニックスーパーチェーンとなり、スペインのオーガニックマーケットを代表する存在となっている。

店舗によってその規模や扱いカテゴリーは異なるようだが、青果、肉・ソーセージ類、乳製品、パン、加工食品、ワインなどの酒類・・・日用品から化粧品まで、生活に必要なBIO(オーガニック)製品がなんでも揃う。

入り口入ってすぐ左手にレジ。奥に進むと大きく4つのスペースに分かれていて、まずは加工食品や日用雑貨、化粧品などのフロア。ここを抜けスロープで降りると、パン(対面)やチーズ、ハムやソーセージ、ワインのスペースへ。

その先にあるのが青果コーナー。

最後の奥のスペースには、鮮魚や肉類の対面販売の売場となっていた。

同じヨーロッパでも鮮魚を扱うオーガニックスーパーは珍しいかもしれない。
※VERITASの店舗により扱うカテゴリーやレイアウトは異なります。

とにかく、幅広い品ぞろえに加えて、広々ととられた通路が印象的。段差のある作りだがスロープも用意されていて、車いすの方やベビーカーを押すママたちにも優しいつくりだ。

加工食品全体的には、フランス、ドイツ、イタリアといったほかのヨーロッパのお店とは大きな違いはないが、日本をはじめとするアジアの有機食品、マクロビ系の食品が比較的豊富だった。そしてやはり、グルテンフリーのコーナーは大きく設けられている。

こちらは、加工食品コーナーにあった特設コーナー。「BROWNIE DE REMOLATXA」、ビーツのブラウニーのレシピをPOPやカードで紹介するとともに、オーガニックのビーツ、そば粉、ヘーゼルナッツ、デーツ、キヌアポップ、カカオパウダー、アガベシロップ、塩、刻みココナッツといった、このレシピに書かれている食材を陳列している。

このポストカードサイズのレシピは、自由に持ち帰ることができる。また、レシピ提供は料理専門家やシェフ、またはブロガーさんの場合もあり、実際に店内で食材を選んでいるシーンや調理シーンなどを撮影し、自社WEBサイト内にYouTube動画を掲載。持ち帰ったレシピカードにはYouTubeアカウントなども掲載されているので、後からチェックすることができる。

また、このほかにも毎月発行しているVERITAS(ヴェリタス)のフリーマガジンがあるのだが、この中でもやはり同じレシピを紹介していた。レシピカードも、フリーマガジンも、写真がキレイ。どちらも思わず手に取って「こんなの作ってみたいなあ。」と、自然と思わせてくれる。YouTubeアカウントを掲載して、紙面からWEBへと誘導し、レシピ提供者のインスタグラムのアカウントも載せるなど、SNSとも連携している。

さらに、自社Webサイトのレシピ紹介のページでは、Youtubeを埋め込みするとともに、テキスト情報でレシピを記載している。このレシピに書かれている材料名からオンラインショップページの該当商品ページへとリンクし、自社通販サイトへと誘導することも忘れていない。

ついついチラシなどの販促物で紹介した商品などは、SALEの対象にしたり、商品を前面に出してしまいがちだが、商品を実際に手に取れるのは店頭と、Webサイトのレシピからの誘導のみ。フリーマガジンにはインスタグラム風のフレームに入れて、1商品のみ広告枠(?)として製品画像があるだけで、商品の詳細説明はない。

売りたい商品押しではなく、作ってみたくなるレシピや、憧れのライフスタイルを想像させるようなコンテンツを、手に取る販促物(紙)、動画やSNSなどWEBのツールを利用して情報提供。「モノ」より「コト」を、スマートに魅せている。売場での展開と販促ツールとなる配布物、そしてWEBとをうまく連動させており、きちんと導線設計がなされている好例だと思う。よくあるようで、意外と日本の店舗では上手にできていないこと。見習いたい。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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