小麦を使わないグルテンフリーのパスタには、米、雑穀、豆、こんにゃくなどで作られたものなどが多いが、干し野菜のパスタが製品化されている。
生のズッキーニをピーラーで麺状にした“ズッキーニパスタ”は、以前からローカーボ、グルテンフリーのレシピとして人気だった。ズッキーニの他にも人参などの生野菜を使い、いわゆる“ローフード”として食する人が多いので、乾燥野菜にして商品化するという発想はあまりなかったかもしれない。
こちらは「SPAGHETTI SQUASH」という、パスタ代替品。日本の錦糸瓜(きんしうり)、通称「そうめんかぼちゃ」を乾燥させたもので、ローカーボ、ローカロリーなパスタとして製品化されていた。USDAのオーガニック認証マークもついている。
しらたきのような感じの形態ではなく、いわゆる干し野菜の状態になっている。私たちが思っている、そうめんかぼちゃの淡い黄色ではなく、少し茶色っぽいので、パッケージの調理例のようにきれいな色になるのかな?と半信半疑だったが、試してみることにした。
鍋にお湯を沸かし、5分程度茹でると、茹で汁が茶色っぽくなって、色は徐々に白っぽく変化していく。
茹でた後冷水でさっと洗って水気をきる。茹ですぎたり、洗いすぎると脱色が進んでしまうのが難点。見た目は、刺身のツマや細めの切干大根という感じだ。
このテの干し野菜を戻したものは、たいていは新鮮な野菜にようなシャキシャキとした歯ごたえが失われてしまう。そこであまり期待はせずに、ひとまず玉ねぎやズッキーニを炒めてオイルパスタにしてみることに。
早速味見をしてみると、これが思いのほか美味しい!気になる食感も、ちゃんとシャキシャキとした歯ごたえがある。
日本ではそうめんかぼちゃは、あまり一般的な野菜ではなく、食べ方も酢の物や和え物などに限定されがち。下処理も手間もかかるので、干し野菜にするというのは良いアイディアかもしれない。パスタとは全くの別物だけど、日持ちもするので、保存食としてもいざというときに使えて便利だし、何より野菜そのものだから加工度も低くて健康的。ちょっと目線を変えれば、ローカーボでグルテンフリー、100%プラントベースのダイエットフード!?
そうめんかぼちゃの生産者のみなさん、規格外のものを干し野菜に加工して、商品化してみては?
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。