「オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト」は、オーガニック商材の需要拡大に向け飲食店にターゲットを絞って有機農業(自然栽培)によって作られる有機農産物の利用拡大を考えています。今回は、外食事業者及び中食事業者における有機農産物等の利用に関する取り組みや今後の展望について等、実需者へのインタビューという形式でお話を伺いました。

【お話を伺った方】
・野菜とお酒のバル スバル   店主 田中様
・チャヴィペルト(有機農家・店主)中山様

【聞き手】
・オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト 山田
・オーガニックプレス 佐藤

オーガニックとの出会い

―オーガニックレストラン認証取得のきっかけとなったのは

チャヴィペルトさん(以下チャヴィさん)との出会いがきっかけです。飲食店でずっと働いてるとはいえ、実はオーガニックに興味はなかったし、そんなに意識をしたことが無かったんです。

それが、チャヴィさんに出会って、初めてオーガニックの野菜はどんなものかっていうのを知ったんです。オーガニックどうのとかにかかわらず、生産者と消費者との間にいるものとして、お客様に想いを伝えないといけない・・・。という意味で、私自身オーガニックも知ろうと思って、レストラン認証をとって。実はそこから勉強しようという意識になっただけなんですよ(笑)。

オーガニックに興味があってチャヴィさん(の野菜)を選んだっていうよりは、逆なんです。チャヴィさんに出会って、有機を選んだという感じなんです。お店を始めたいと思っていたところ「そうかリノベーションまちづくり」を知り知りましたそれこそがチャヴィさんとの出会いです!(田中)

―最初に出会ったチャヴィさんの野菜は何ですか?

最初はたぶん、人参だと思います。

まだ都内の飲食店で働いている頃、ゆくゆくは地元でお店やりたいと思っていたので、良い生産者さんいたらいいなと、常にアンテナはって調べていた中で、チャヴィさんがヒットしました。チャヴィさんでは収穫体験もされていることを知り、姪っ子をだしにして収穫体験をしに行ったのがきっかけですかね。その時に人参を引っこ抜かせてもらった。持って帰って葉っぱもついてたので、葉っぱも一緒に天ぷらにして食べたりしたと記憶しています。(田中)

―美味しかったですか?

美味しかったっていうか・・・。うーん、その時はオーガニックという意識も特になく、知らずに畑からそのままのかたちのものを、姪っ子とかに体験してもらうというのはとても貴重なことだな、いいなと思いました。(田中)

―収穫体験して自分で採って食べる野菜は、それだけで、美味しさのレベルが一ランク上がりますよね。

飲食店がお客様と畑をつなぐ

―お客様にオーガニックを説明するとしたら・・・?

うちにくるお客様は、オーガニックレストランとうたってはいても、それを知らない人もいるし、ふらっと入ってくる人もいるので。中には野菜嫌いという人もいるし、ヴィーガンの人とか外国の方とかも、最近なんかちょこちょこ、いらっしゃったりとかもします。

特定の野菜が嫌いで「春菊嫌いだったけど、なんかここのやつは食べれた」とかって言って気になってくれて。うちではサラダとかにして出したりとかしてたんですけど、「サラダでも美味しいんだね」みたいな話をして。それで、お客様が実際にスーパーで春菊を買ってサラダ作って食べたら「自分で作ったけどなんか違うんだよね・・・」ってまた言いに来てくれて。「チャヴィさんの春菊じゃないとダメですよ!」なんて言ったら、実際にチャヴィさんのお店まで買いに行ってくれた人もいます。

何かのきっかけで野菜や食材に興味を持つことがあったりするので。その興味を持った段階で、こちらの方としても色々情報を提供できればいいなとは思ってます。

そういう人をちょっとずつ増やしていくことが、やっぱり大事かなっていうのは、日々やってて思うことではありますね。(田中)

メニュー作りで大切にしていること

―オーガニックレストランのメニュー作りで苦労される部分はありますか?

予定していたメニューがあったとしても、その野菜がその日は入って来ないとかもあるので、そういう意味での苦労というのはあるかもしれませんね。でも、前菜はお任せで盛り合わせにしてるので。

いつも来るお客様とかは、もう特に何も考えずにとりあえずこれを頼んでもらって。そこで「あ、今こういう野菜出てるんだね」みたいな感じでその時期の野菜を知るみたいなところがあるので。たまに「今日盛り合わせ何があるの?」みたいな感じで聞いてくる方もいらっしゃいます。

ですから、食材がそろわなかったとしてもそれは苦労というよりは、お客様との会話にもつながったり旬を感じてもらうことができたりと、ポジティブな部分でもあります。

あとは、どうしても野菜中心のメニューになってしまうので、お肉のメニューないの?とかすごい言われますね。あと魚系とか。なかなかいい食材が揃わないこともあります。(田中)

もし食材が揃わなかったら?

―欠品とかは黒板のメニューに書かなければいい

そうですね。平日はお客様が少ない時とかもありますし、小さなお店なのでそんなにたくさん食材を用意しておけないので。日持ちもしないしですし、その日にある品数とかも少なかったりするんですけど、もし欠品してしあったり途中で食材がなくなってしまったら、黒板のメニューを消して、また食べたかったら、じゃあ明日作るから明日来てねっていう言い方をしたりします。(田中)

オーガニックを広げていくために必要だと思うこと

―行政や流通、業界団体に期待することは?

 

「そうかリノベーションまちづくり」や今回の農林水産省 国産有機農産物等需要拡大支援事業「オーガニック飲食店普及推進プロジェクト」に関わったこと。業界団体の方とか行政の方とかと、一般にうちにくるお客さんとは、何ですかね・・・。世界が違うというか。なんでこんなかけ離れてるんだろうなっていう感覚をすごく感じますね。

それを縮めるきっかけって、オーガニックの野菜とかに触れてもらうのももちろん大切だとは思うんですけど、やっぱり結局は人と人とみたいなところが一番で。

例えば、チャヴィさんは先日も飲みに来てくれたりしたんですけど、もううちのお客様もみんな知ってるから。そういう、作ってる人とが関わると、一気に興味が出て他の人にも紹介してくれたり、自分でも「うん、美味しいよね」みたいな感じで言ってくれたりするので。

もうちょっとやっぱり、このやってる人たちと一般の人たちとが近づいていかないと。(田中)

―消費者とこっち側(行政や業界側)との距離があるってことですよね。具体的には?

例えば、ニーズを行政側は把握してない、しきれてない。

業界の人たちの話だけ聞いてるから、飲食店のように実際のお客様の、例えば興味のある人たちがすごくいるところと、そうでもない人たちがごちゃごちゃになったところでも、ちゃんとそれは成り立つんだよってことは知らないわけです。でも、本当はその方が、僕らとしてはきっかけ作りにもなるし良いと思っているのですが。

オーガニックの認知拡大のためにターゲットを絞ってしまうと、そこに溝が生まれてしまって距離が生まれる。逆に広まっていかないっていうのは結構ある話じゃないかなって、僕は思います。(中山)

〜田中さん、お客様が来店されたので調理場へ〜

―消費者の声が 1番聞けるのは、この中ではやっぱり飲食店

もう飲食店ですよ。絶対そうなんです。

消費者は素直じゃないですか?まずかったら残すし。美味しくない野菜だったりするとね、残こしちゃったりするんで。

スバルのお客様で結構何回か来られている方たちは、わざわざ書かなくてもチャヴィの野菜がどっかにあるみたいな感じで、もうなんか共通の認識になってるから。

そういう風に壁が取り払われていくのが、飲食店のすごくいいところ。僕ら農家だけがいくら頑張ろう!って言っても、それは絶対取り切れない壁になってくるから。その壁をやっぱりなくせるのはやっぱりお野菜だったり。それで会話になるきっかけを作ってもらえる。

「この野菜、ちょっと美味しくない」「これいつもとちょっと違うよね」とか。さっきも話が出ましたけど、スバルさんが作った料理を自分の家で真似したら全然違う。同じ野菜を使っても全然違うと、じゃあどうしてるの?っていう話が聞きたくて、またスバルに来たりとか・・・。

そういう“リピートのできる関係性”が生まれたりとか、それが今度、面になって僕らのところにも波及してきたりとかっていう方が、農家としてはすごく有機的なことにもなって、それが 1番理想のかたちになってるのかなと思っています。(中山)

野菜とお酒のバル スバル

「野菜とお酒のバル スバル」は、美味しい有機野菜をメインとしたお食事とアルコールをカジュアルに楽しめるバルです。メイン食材であるお野菜は、地元の有機農家チャヴィペルト(ChaviPelto)さんから仕入れ、季節のおつまみを作っています。オーガニックレストランJAS認証店。

オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト

国産の有機農産物をもっと利用、知っていただくこと。それは「まず、食べてみる」そこで全国にある飲食店さまに有機野菜や有機農業からできた加工品・調味料を使ったお料理を食べてみることからオーガニックを知ることができるのではと考えました。

これからもオーガニックな食材を取り扱う飲食店へのインタビュー取材、コンサルティング行なって参ります。わかりやすく、12月11日(金)・12日(土)には他業種へのアプローチとして展示会「セラピーワールド東京」へグループ出展します。内容は「いただきます、オーガニック」とします。セミナーやワークショップも検討中です。「でも、難しいんでしょう」と思われている方も心配ありません。ぜひご参加ください!

また、BtoBサイトではお店を経営されている方にも有機野菜の扱い方から、マッチングで生産者との出会いの場になる情報をお伝えします。お店のメニューにオーガニックを加えていただくことが今回の私たちのミッションです。

オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト
https://www.organic-btob.com/

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