オーガニック業界の成長が堅調なドイツ。その中で食品小売業者によるスーパーマーケットがオーガニック製品の取り扱いを拡大し、売上を伸ばしています。ドイツオーガニック食品業界団体(BÖLW)の報告によると、対象となるスーパーのオーガニック製品の2018年の売上は8.6%も伸び、そのシェアはオーガニック市場全体の59%に及んでいます。

そんな中、ドイツ最大の流通グループ「Edeka-Gruppe(エデカグループ)」が昨年10月にオーガニック専門のスーパーマーケット「NATURKIND(ナトゥアキント)」をオープンさせ話題となりました。

Foto:EDEKA

グループ全体の売上高は536億ユーロ(約64兆3,200億円)、スーパーマーケット「EDEKA(エデカ)」やディスカウントストア「Netto(ネット―)」を含む総店舗数は11,308店を誇る最大手が満を持してのオーガニック業界への参入となります。

以前よりエデカではオーガニックPBブランド「EDEKA Bio」を幅広く展開し、認知度を上げています。また、近年では大手オーガニックスーパーの「ALNATURA(アルナトゥラ)」や、ヴィーガン専門スーパーの「Veganz(ヴェガンツ)」のPB製品も取り扱うようになり、サステナブルな姿勢を積極的に発信しています。

エデカ店舗に並ぶ「EDEKA Bio」の製品

今回オープンしたパイロット店舗はドイツ北部のハンブルクと南部のディンケルスビュールの2店舗。どちらも直営ではなく、グループ加盟企業によって独立運営されています。今後、「NATURKIND」ブランドで30店舗ほどの出店が計画されているそうです。

ハンブルクにあるNATURKINDの店舗

エデカグループは「オーガニック志向の消費者の多くは専門店で集中的に買い物をする。この店は新しい固定客をつかむことができるだろう。パイロット店舗をオープンできて誇りに思う。」とプレス発表でコメントしています。

実は大手流通グループによるオーガニックスーパーの店舗展開は今回が初めてではありません。

エデカといわばライバル関係にある大手スーパー「REWE(レーヴェ)」を傘下に持つ「Rewe-Gruppe(レーヴェグループ)」も2009年から「Temma(テンマ)」というオーガニックスーパーチェーンを展開していました。一時期はドイツ国内で9店舗まで店を増やしましたが、業績不振のため2017年に撤退。7店舗は完全閉店、ケルンにある2店舗のみ売却され、現在は別会社によって店名はそのままに運営されています。

Foto:REWE

立地の悪さとコンセプトの弱さが不振の原因と業界内では言われていますが、レーヴェグループ側はこの経験を屋台骨であるスーパーマーケット事業に還元できたと好意的に見ています。実際、撤退前までの過去2年間でオーガニックPBブランド「Rewe Bio」の商品数を100点から600点まで増加。これによって「Rewe Bio」の売上は4年前に比べて70%も上がったとレーヴェのスポークスマンは語っています。

この先行例を参考にエデカはオーガニック事業をどう進めていくのか。すでにオーガニックPBブランド「EDEKA Bio」の商品数を440品目まで増やす計画を発表しており、レーヴェと同様の思惑も透けて見えるだけに、今後の動向に注目です。

この記事を書いた人

神木桃子(こうぎももこ)

ドイツ在住オーガニックライター
オーガニック専門店を運営する会社での販売・バイヤー職、地域産品のコンサルタントや販売を行う会社での営業・バイヤー職を経て、2014年秋よりドイツに移住。商品企画から流通、販売まで幅広い経験を積んだエキスパートならではの視点で、ドイツのオーガニック&サステナブル情報を発信している。3歳になる娘を子育て中。

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