世界的な課題である“持続可能な食”につながるエシカルフードアクションについて考え、行動していく共創型プラットフォーム「Tカードみんなのエシカルフードラボ」(CCCMKホールディングス株式会社)による「未利用魚活用プラットフォーム」を通じ、未利用魚「アイゴ」「コノシロ」を使った商品が誕生!

愛媛県八幡浜・千葉県船橋の漁業関係者やメーカー、流通企業の「こだわりや」「信濃屋」、エシカルな食を生活に取り入れているT会員とともに、未利用魚を使用した「アイゴあふれるオイル漬け」と「コノシロやわらか煮」を開発。2023年7月5日(水)より販売を開始しました。

「未利用魚」とは、さまざまな理由で獲れても有効に活用されていない魚のことを指します。そのなかでも「未利用魚活用プラットフォーム」では、認知度が低くマイナーな魚種、食べる文化がない魚種や、処理に手間がかかったり鮮度管理が難しい等の理由で、本来は美味しいのに捨てられたり低価格で取引されている魚種を活用の対象としています。(再生産の重要性を鑑み、幼魚は対象に含めません)

CCCMKホールディングスが2018年に実施した「五島の魚プロジェクト」を通じ、豊かな環境に恵まれた海を持つ日本だからこそ、さまざまな工夫により付加価値をつけることで生活者の共感を得ながら「未利用魚」を活用することができ、ひいては海の恵みや持続可能な漁業、日本の食文化の未来を築いていく可能性があると認識。「未利用魚活用プラットフォーム」では、「五島の魚プロジェクト」で得た経験を活かし、一地域、一企業だけでは、解決が難しかった社会課題に対して、T会員や、行政や地元事業者などの地域関係者、流通企業などさまざまな知見を有するステークホルダーとともに取り組みが進められました。

2022年7月29日(金)に、プロジェクトをともに進めていくためのパートナーを決めるキックオフ・マッチング・セッションを開催し、愛媛県八幡浜と「信濃屋」、千葉県船橋と「こだわりや」がそれぞれ地域と流通としてマッチングが成立。その後商品の企画開発、製造、販売へのステップを踏んできました。

なお、商品開発の過程においては、Tカードのさまざまなライフスタイルデータをもとに、約1.3億人のT会員の中から導き出された、エシカルな食を生活に取り入れているT会員の方々にも生活者として参加をいただき、マルチステークホルダーで対話を重ねながら取り組みを進めてきました。対象地域でのフィールドワークや商品プロトタイプの開発、試食セッションなどを実施し、商品のターゲット層、利用シーン、味、パッケージなどの検討にあたっては、Tカードのビッグデータを活用し、社会課題解決に向けたデータの価値創出にも努めています。

コノシロやわらか煮

船橋漁港にあがる江戸前(東京湾)のコノシロを、生姜としょうゆ、酒、みりん、てんさい糖のみで味つけし、ふっくらやわらかな煮魚に仕上げました。クセがなく上品なコノシロの味わいを引き立てるため、甘さは控えめ。生姜のさわやかな香りとあいまって、後味もスッキリとして、食べ飽きないのが特徴です。

毎日のごはんのおかずはもちろん、お酒のおつまみに、お弁当のおかずにもぴったり。封をあけてお皿に出すだけで一品ができあがり、温めるとさらにおいしくいただけます。製造日から1年間保存が可能なので、少し多めに購入し、栄養価の高いおいしい保存食としてローリングストックするのもおすすめです。

小骨があたるなどで利用が限定されていたコノシロを、船橋の漁師さんの協力と海光物産の下処理の技術、エスエスフードの骨まで食べられる加工技術、こだわりやの商品開発の経験によって、おいしくアップデートしました。

さらに適正価格で販売するエシカルフィッシュの取り組みは、新しく、持続可能な漁業のスタイルとしても注目されています。

コノシロやわらか煮

■原材料名:原材料名:コノシロ(船橋漁港)、料理酒、生姜(千葉県)、醤油、本みりん、砂糖(てん菜(北海道))、(一部に小麦・大豆を含む)
■内容量:1尾
■メーカー小売希望価格:474円(税込)
■商品取り扱い店舗:オーガニック・自然食品 こだわりや 全店

アイゴあふれるオイル漬け

地元の食材を長年扱うオーシャンドリームの松浦さんと、食の楽しさ、おいしさを追求する信濃屋の岩崎さんのコラボによって誕生した、新感覚のアイゴのオイル漬け。“アイ”ゴの名前が象徴するように、“愛”媛産の原材料をたっぷり使用し、“愛”にあふれる人たちが一丸となってつくりあげました。

白身魚の中でも濃厚な旨味をもつアイゴは、火を入れてもかたくならないのでオイル漬けには最適。アイゴやみかんの皮、ナッツのおいしさが溶け込んだエキストラバージンオリーブオイルごと、たっぷりバゲットなどにのせてお召し上がりください。完成度の高さは、これまでアイゴが未利用魚とされてきたことに驚きを感じるほどで、オレンジワインなどの複雑な味わいにもよく合います。

また、加工の段階で出るアイゴの骨や頭は、魚のアラを飼料や肥料にリサイクルする加工業者に回収してもらっています。これによって商品づくりにおける魚の廃棄ゼロを実現しました。「海に未利用魚という名の魚はいない」とは八幡浜の漁師さんの言葉ですが、人間の考え方ひとつで、魚は未利用にも心身の栄養にもなります。まずはアイゴをおいしく食べることから、海の未来に貢献しませんか?

アイゴあふれるオイル漬け

■原材料名:アイゴ(愛媛県産)、オリーブオイル、たまねぎ、ミックスナッツ(アーモンド、カシューナッツ、くるみ)、薄口醬油(愛媛県製造)、にんにく、しょうが、みかんの皮(愛媛県産)、甜菜糖、白ごま、食塩(クリスマス島製造)、黒胡椒、鷹の爪(一部に小麦・大豆・ごま・アーモンド・カシューナッツ・くるみを含む)
■内容量:120g
■メーカー小売希望価格:935円(税込)
■商品取り扱い店舗:信濃屋 六本木ヒルズ店にてまずは先行発売。7月中旬以降より全店展開を実施。

プロジェクトメンバー

【千葉県船橋市】
■プロジェクトリーダー:海光物産株式会社
■メンバー:株式会社エスエスフードインターナショナル、船橋市漁業協同組合
■流通:株式会社こだわりや
■対象の未利用魚:コノシロ

■コノシロについて:幼魚のうちはシンコ、コハダとして江戸前寿司の代表的なネタで高値で取引されるが、成魚になると小骨が口にさわりやすく、加工に手間がかかるため、値がつかない。独特の「ドット柄」が好みではないという人も・・現在、飼料などとして使われることが多いが、取引価格はかなり低い。

【愛媛県八幡浜市】
■プロジェクトリーダー:株式会社オーシャンドリーム
■メンバー:愛媛県庁水産課、八幡浜センチュリーホテル
■流通:株式会社信濃屋食品
■対象の未利用魚:アイゴ

■アイゴについて:藻場の海藻が消失してしまう「磯焼け」の一因が、アイゴの捕食行動によるものだという指摘もあるほど、漁業者からも問題視されている魚。流通しない原因として、アイゴは太く鋭い棘があり、毒腺を持っていて食用の処理が難しいことが大きい。また特有の臭いを防ぐためには適切な鮮度処理・加工が必要となることから、ほとんどの地域で食用になっていない。

CCCMKホールディングス株式会社
https://www.cccmkhd.co.jp/

▽未利用魚活用プラットフォーム
https://ethicalfoodlab.tsite.jp/project2/

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