外食事業者及び中食事業者における有機農産物等の利用に関する取り組みや今後の展望について等、実需者へのインタビュー形式でお伺いしました。

「オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト」は、オーガニック商材の需要拡大に向け飲食店にターゲットを絞って有機農業(自然栽培)によって作られる有機農産物の利用拡大を考えています。今回は、外食事業者及び中食事業者における有機農産物等の利用に関する取り組みや今後の展望について等、実需者へのインタビューという形式でお話を伺いました。

【お話を伺った方】
・東京療院 東京統括チーフ  岡部様
・ナチュラルカフェ&レストラン 椨の木  店長 望月様
・ナチュラルカフェ&レストラン 椨の木  シェフ 金子様

【聞き手】
・オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト 山田

お客様にオーガニックを説明するとしたら・・・?

―お客様にオーガニックを説明する場合どのようにされていますか?

当店は、もともとオーガニックに興味を持ってきている方が多く来店しているが、お客様によってはオーガニックも有機は別じゃないか?と思われている方もいらっしゃるので、もし、会話の中で説明するとすれば、一番わかりやすいのは、まずはオーガニック=有機栽培ということからでしょうか。

有機JASの認証を受けたものがオーガニックであること、あとは環境に及ぼす影響力が少ない作物の育て方である、というようなこと。

まず土を大事にしている。土に、作物を養うちからがある。太陽と水と、土のちからでできているので、その力を発揮するために、化学的なものはできるだけ使わないでいこうと。より自然なかたちでやっていく、その結果、そういったものを減らして、できるだけ使わない・・・というカタチになるんだと思います。

メニュー作りで大切にしていること

―メニュー作りで大切されていることをお聞かせください。例えば、メニューやそのネーミングなどについて。

まずは、メインとなる野菜の生産者の名前を頭につけて、〇〇さんの・・そのあと魚のムニエルとか肉のローストとか、生産者の方を主役にした、その、作ってくださった野菜を主役にしたものとして、メニューのネーミングをつけるとか。

以前なんですが、旬の野菜もいろいろあるが、それをひとつのプレートに5種類ら6種類を、いろいろな調理法で作り盛ったメニューがあって、それは「大地の恵みの野菜たち」とつけました。“たち”とつけたのは、野菜たちは生きているんだという意識で。あくまでも野菜を大事にする、食べてみて美味しい、メニューを見てああそうなんだ、というお客様の認識のもとでさらに美味しくなる・・・ということを意識していました。

やっぱり、いい野菜は味も美味しいので、あまり味付けをコテコテせず、野菜の味を引き立てるような調理をするよう心がけています。野菜本来の持っているチカラと、まぁ、当店で扱っている野菜は“野菜の生命力”、と私たちは表現するんですけれども、そこが他のお店との違いなので、お客様にはよく説明をしている。お客様の健康を願うことを第一に、こういった食材を使って調理していることをお伝えしています。

野菜以外の食材

―用いられる食材はどのように選ばれているのでしょう。野菜以外についてもお聞かせください。

魚で言えば天然物か養殖物かとかその場に応じてですが、まずは本物だったら本物を組み合わせていくというところ。調味料も大事です。オリーブオイルももちろん、醤油とか砂糖、味噌そういったものが野菜を引き立たせるし、肉や魚を引き立たせる。うちのパティシエもそういった食材を使ってお菓子を作っていて、料理もデザートも、優しい味だね、とお客様からお褒めの言葉をいただきます。

食材が揃わなかったら?

―メニューを固定化した場合、食材が揃わない場合どうされていますか?

近年、異常気象の影響もかなりあり、旬の時期がかなり昔とは変わってきました。すでにここ数年そういうことが起きているのを実感しています。食材に関しては、幸いMOAは全国の生産者様の情報網があるのですが、いつどこでどういうのが採れて、何が出荷できるのかがわかります。MOAのネットワークで日本全国に生産者様がいらっしゃるので、気候もカバーできる地域もあります。そういう利点もあるし、生産者さんから直接仕入れているので、普通の市場で仕入れるよりも選択肢は多いと思います。タイムリーにわからない場合もありますが、基本的には固定せずに、その日に仕入れたもの、その時期に採れたものを組み合わせてメニューにします。

飲食店での原価率やFL率

―飲食店での原価率やFL率をどのように考えておられますか?

一般的な考え方で言えば40%程度で考えなければならないところですよね。ランチとディナーでも考え方は変わってくると思います。

食材の原価で言うと、最近、オリーブオイルなど、調味料類もかなり値段が高騰してるので、なかなか大変ですね。かといって品質は下げることはできないので。価格を見直すことも必要になってきます。

こういうご時世ですから、仕方ないにしてもここは引けないよ、というところは引かない。それで味が変わるとしたら値段というところより味を優先します。味は全然違ってきます。一番味の違いがわかりやすいのは油、オリーブオイルかもしれないですね。もちろん、野菜も絶対譲れない。全然違いますから。

食品ロスのこと

食材は基本的に、全て無駄にせず使い切っています。ほとんどロスは出ない。野菜のクズとかは冷凍して、ブロス、野菜の出汁をとって、ソースの水分の調整に使ったり、スープの土台に使ったりもします。配合バランスを考えたら本当のスープとしても使えると思います。

―食品ロスに関連して、規格外の野菜について

生産者から直接届く野菜に関しては、不揃いなものが届くことも、あります。人参とか、形が違ったり少し割れていたり。ただ、そんなにロスが出ているわけでもないと思います。モノにもよるしメニューにもよって変わってきますが、皮ごと調理するとか、切り方を変えるとか、揚げ方を変えるとか。例えばじゃがいもの皮が固い場合でも、剥かずに調理法を変えることによって対応するときもあります。

盛り付け、見せ方なども、逆にナチュラルな感じが出たりもしますしね。むしろそれが喜ばれたりして。

野菜にあわせるんです。それも料理をするうえでの楽しみというか、醍醐味のひとつでもありますよね。

オーガニック飲食店の運営

―最後にオーガニック飲食店を運営されることについてお聞かせください。

私どもがこのレストランを行なっている最も重要な点として、生産者の支援ではないかと考えています。そして健康のこと、環境のこと。家庭での食が一番、大事なので、そこをひっくるめた、食の考え方とか生活とかを後押ししたいというのはありますよね。食とか農業が、地球とか人の未来に対しては非常に大事なので、そこはやっぱり気付いてほしい。でも、やっぱりまずは「美味しい」というのが大事かなと思います。

男性1人で来店される場面も増えてきていますし、年齢層も幅広いです。パーティーや多人数の予約もあります。インバウンドもあり、近くのホテルからかはわかりませんが来店される外国の方もおられるようになりました。ヴィーガンやグルテンフリー、アレルギーの方もいらっしゃいますから、慎重に、できる範囲のところでそういったご要望にも対応させていただいています。

本日は有難うございました。

今回の事業ではキャッチフレーズを考え出したいという想いがあります。“いただきますオーガニック”は冠タイトルですが、「当たり前の中の、ちょっといい選択」をイベントや展示会で伝えてきました。

わたしたち「オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト」の事業のターゲットを飲食店に絞った理由としては、メニューはPOP同様かもしれませんが、来店した方々と会話の機会があるからです。量販店、小売店では商品が並んでいて、かごに入れてレジで支払う。近年は会話が少なくなってしまいました。その反面、飲食店は今日のメニューについてなど、直接お客様と面と向かい会話ができる。お話合いができる。皆さん飲食店の皆様が一番お客様の直前にいるというか、接点があると思うんですよね。よくレストランは非日常の場とされます。そこで美味しいだけでなく何かを得ていただければと思っています。

―オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト 山田

ナチュラルカフェ&レストラン 椨の木

「自然そのままの生命力ある美味しい野菜を食べて、楽しみながら健康になって頂きたい」という生産者の方達の想いを大切に、シェフ、サービススタッフが心をこめてお料理を提供いたします。 食べることで元気になり、体も癒される自然野菜の力をぜひ体験してください。

オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト

国産の有機農産物をもっと利用、知っていただくこと。それは「まず、食べてみる」そこで全国にある飲食店さまに有機野菜や有機農業からできた加工品・調味料を使ったお料理を食べてみることからオーガニックを知ることができるのではと考えました。

ワークショップ、セミナー、マッチング(商談会)を東京・大阪で開催を予定しています。わかりやすく、「でも、難しいんでしょう」と思われている方も心配ありません。ぜひご参加ください!

また、BtoBサイトではお店を経営されている方にも有機野菜の扱い方から、マッチングで生産者との出会いの場をご用意いたします。お店のメニューにオーガニックを加えていただくことが今回の私たちのミッションです。

オーガニック飲食店等普及推進プロジェクト
https://www.organic-btob.com/

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