一昔前までは海外旅行のお土産の定番、アメリカではお酒のおつまみやおやつに人気のビーフジャーキー。アメリカ産牛肉は、BSEの発生を受けて、2003年12月に輸入が禁止された。あれからすでに20年も経過しているが、いまだにアメリカで生産された牛肉加工食品、ビーフジャーキーは日本には持ち込めない。もちろん、アメリカのスーパーに行けば、変わらずビーフジャーキーは販売されているし、オーガニックビーフや、グラスフェッドビーフで作ったものもある。

近年のアメリカではヴィーガンやベジタリアン人口が爆発的に増え、健康意識の高まりと環境への配慮からプラントベースの食事をとる層が増えたこともあって、お肉を使わないPlant Based Jerky(プラントベースジャーキー)も様々な種類のものが販売されるようになった。

2022年3月には、あのBeyond Meat(ビヨンド・ミート)社とペプシコーラのメーカーPepsiCo(ペプシコ)が設立したジョイントベンチャー、PLANeT Partnership(プラネット・パートナーシップ)から、「Beyond Meat Plant-Based Jerky」が発売された。オリジナル、ホットスパイシー、テリヤキの3種のフレーバーで、1袋当たりのタンパク質は10グラム。NO GMOs,NO SOY, NO GLUTEN

Beyond Meat® Plant-Based Jerky Original
Ingredients:Water, Mung Bean Protein, Brown Sugar, Pea Protein (Peas Are Legumes. People with Severe Allergies to Legumes Like Peanuts Should Be Cautious When Introducing Pea Protein Into Their Diet Because of the Possibility of a Pea Allergy. Contains No Peanuts or Tree Nuts), Natural Flavors, Gluten Free Oat Bran and Fiber, Salt, Expeller Pressed Canola Oil, Onion Powder and Less than 1% of Vegetable Juice Color, Vinegar, Lemon Juice Concentrate, Pomegranate Concentrate, Spice, Garlic Powder, Citric Acid, Sunflower Lecithin.

Beyond Meat 同様に、豆類がベースとなっている。オーガニックではないが、比較的ナチュラルな原料構成。常温での流通が可能だそうだ。

大豆由来や小麦蛋白(グルテン)など、王道の代替肉がベースになっているものから、エンドウ豆や緑豆などの原料、ジャックフルーツや野菜まで、植物由来のジャーキーはたくさん発売されているが、そんな中でも、最近人気なのがキノコを原料とした、マッシュルームジャーキーだ。言わずと知れたローカロリー、健康食材のキノコ類は、食物繊維が豊富で整腸作用にも優れている。うま味成分“グアニル酸”が豊富に含まれていて、乾燥することでより旨みが凝縮されるので、噛みしめる度に旨味が口に広がる。弾力のある食感はジャーキーに最適な食材だ。


Spiced Bacon
Ingredients: King Oyster Mushrooms, Organic Coconut Aminos, Organic Brown Sugar (Organic Sugar, Organic Molasses), Garbanzo Beans, Green Peas (Sweet Peas, Water, Sugar, Salt), Black Beans, Water, Molasses, Sesame Oil, Garlic Powder, Apple Cider Vinegar, Pineapple Juice, Tomato Paste (Tomatoes), Organic Chickpea Miso (Organic Handmade Rice Koji (Organic Rice, Koji Spores [Aspergillus Oryzae]), Organic Whole Chickpeas, Sea Salt, Water), Onion Powder, Contains 2% or Less of Organic Yeast (Organic Yeast, Organic Rice Flour, Sea Salt), Liquid Smoke (Water, Natural Hickory Smoke Flavor), Rosemary, Sea Salt, Black Pepper. Spice Seasoning (Brown Sugar, Spice, Salt, Natural Smoke Flavor, Turmeric, Spice, Rice Hull, Sunflower Oil).

Country Archer Provisions のプラントベースジャーキーは、KING OYSTER MUSHROOMS、エリンギを使用している。エリンギはオーガニックではないが、調味料など一部の食材はオーガニックのものを採用。大豆、グルテン、人工保存料、MSGは不使用。1食分あたり3gの食物繊維が含まれる。フレーバーは、BBQ、Teriyaki、Spiced Baconの3種がある。

なんと、同社はもともとはヴィーガン食品メーカーではなく、本物の牛肉を使用した伝統的なビーフジャーキーを作っているメーカーだ。特にグラスフェッドビーフジャーキーと、ミートスティックが知られている。新たにプラントベースの製品に参入し“フレキシタリアンとベジタリアンの両方が気に入るクリーンラベルのスナック”として、プラントベースジャーキーを発売した。

ZESTY THAI MUSHROOM JERKY
Ingredients: Organic dried shiitake mushrooms, avocado oil, organic coconut sugar, water, Himalayan Pink Salt, organic thai seasoning (*garlic, *onion, *lemon Peel, *cayenne, *tomato powder, *coriander, *paprika, *citric acid, *basil, *black pepper, *cilantro, *white pepper), organic chia seeds.
*Organic

Pan’sMUSHROOM JERKYは、オレゴン州ポートランド発のメーカーPANCO FOODSが製造するヴィーガンジャーキーで、創業者のパン氏がマレーシアに暮らす親戚を訪れ旅をしたときに、仏教徒で菜食主義の家族による手作りのスナックを食べたことがはじまり。椎茸は味が良いだけでなく満足のいく食感があるだけでなく、ビタミンや食物繊維、抗酸化物質の宝庫であることもわかり、この革新的な食べものを広めたいと思ったそうだ。

メイン食材の椎茸は、オーガニックだ。アボカドオイル以外、調味料もオーガニックを使用しており、現在はOriginal、Applewood BBQ、Salt & Pepper、Zesty Thaiの4種のフレーバーを展開している。

他ブランドでは、オーガニック認証の製品や、規格外のきのこをアップサイクルしたものなども製品化されている。繊維にそって裂ける感じや噛み応えがあるところも、ビーフジャーキー風。噛みしめるたび、天然のうまみ(UMAMI)がぎゅっと詰まっているのも感じられて、とても美味しい。新しくて美味しいプラントベースフードとして、米国でトレンドになるのも納得!

日本では昔から出汁としても使われてきた椎茸だから、私たちにとっては親しみやすい味。有機JASオーガニックの国産椎茸を使ったプラントベースジャーキーも、作れそう!?

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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