代替肉などプラントベースフードのクオリティーは年々アップしているものの、見た目や味を本物に近づけるため様々な原料を使い加工度も高くなりがちに。逆にできるだけオーガニック原料で作ろうとすると、使用可能な素材も限られリアルな食感や味の再現が難しい。そんな中、オーガニックでありながら味も見た目もハイクオリティーな製品が、BIOFACH 2024の会場で注目されていた。
アメリカで開催される展示会Natural Products Expoでは、ハンバーガーのパティやナゲットといったファストフード、朝食用のベーコンをプラントベースにした製品が多かった。欧州の企業が多く集まるドイツ開催のBIOFACHでは、ソーセージの他、ハムやサラミ、パストラミのような食肉加工品(コールドカット・シャルキュトリ)のプラントベース製品が多く見られ、代替肉カテゴリーのラインナップにその土地の食文化が表われていたのも印象的だった。
以前は代替肉に使われる主な原料といえば大豆や小麦たんぱくが主流だったが、最近はソイフリーやグルテンフリーにするべく、えんどう豆由来のプラントベースフードが増えている印象だ。
ドイツのWheatyはヴィーガン製品のパイオニア的ブランドで、小麦由来タンパク質の“セイタン”をベースとした代替肉加工食品などを多く展開している。そんなWheatyの製品ラインに、小麦製品を避けたい人のためエンドウ豆タンパク質をベースにしたコールドカットが登場。砂糖無添加、パーム油不使用、オーガニック認証のヴィーガンハムだ。
私たちが食べなれているハムに比べ、ほんの少し薄いかもしれないが、見た目はまさにスライスハムそのもの。食感もパサパサせずしっとりとして完成度は高い。サンドウィッチの具材にしたら、言われなければヴィーガンだとは気づかないかも?
モナコに拠点を置くFit FoodのVegan Deliシリーズは、オーガニック、ハラル原料を使用したヴィーガンコールドカットをラインナップ。こちらも大豆ではなくえんどう豆タンパクをベースとしている。
焼いたり揚げたりせずそのまま食べることが多いハムやサラミを、ここまでリアルに近づけてるのはすごい。
しかも、オーガニックで。
この記事を書いた人
オーガニックプレス編集長 さとうあき
インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。