和食、洋食に並んで、もはや日本人の食生活にすっかり溶け込んでいる、アジアンフードやエスニックフード。タイやベトナム、インドネシアやフィリピン、さらに中国、台湾、韓国、インドなどの調味料や食材、レトルトなどの加工品、飲料や菓子など、日本の輸入食材専門店や、一般のスーパーマーケットでも、気軽に購入することができる時代となった。ところが、日本で購入可能な「メイドインアジア」のオーガニックまたは100%ナチュラルな製品は、まだまだ少ないのが現状だ。いざ、日本で購入しようとすると、オーガニックなものはもちろんのこと、生産者の顔が見えるもの、生産方法や製造工程が明確なもの、添加物を使用していないものを探すのは困難なのだ。こんなに、食卓のグローバル化が進んでいるというのに・・・。

もちろん全くないわけではなく、自然食品店やオーガニックスーパーに行けば、種類は少ないが購入することができる。添加物不使用のカレールゥやレトルトカレー、化学調味料不使用で無かん水の即席ラーメン、化学調味料不使用の中華料理の調味料など、国内の農産物を使用し、国内加工の工程を経ているものもあれば、海外の有機食材を使用して商品化されているものもあるのだが、いわゆる「日本人に好まれる味」のものであって、「本場の食材」「本場の味」であるものは圧倒的に少ない。フォーや生春巻きなどベトナム料理に使う、ヌードルやライスペーパーといった食材。インド料理などにあう海外の豆類や、グリーンカレーやインドカレーなど本場の味のレトルトカレー・・・すでに身近なエスニック食材なのに、オーガニックのものが、みつからない。

海外のオーガニックスーパーなどに行くと、その土地独自の製品を発見することがある。中国や台湾では、薬膳などでも古くから使われてきたクコの実や松の実、ハスの実、ゆり根、キクラゲといった食材や豆板醤などの調味料、腐乳や豆鼓などの発酵食品、、、など。漢方&薬膳食材、豆板醤などの調味料で、その土地の有機認証を取得したものもたくさんある。

そんなアジア有機食品との出会いがあるたびに、ああ、これが日本で購入できたらと感じているのだが、いまだに有機の輸入食品は欧米からのものがほとんど。パスタ関連やオリーブオイル、チョコレートなどはどんどん増えている気がするものの、アジア発オーガニック食品は増えてこないし、日本のオーガニック加工食品の商品企画開発もまた、後れをとっているのは何故なのか。そういえば、有機の焼き栗や落花生、干しイモ、穀類や蕎麦やうどんなどの麺類など、中国産の有機食材を使った日本の有機食品は増えてきてるようだが、、、

本場のオーガニック・アジアンフード、オーガニック・エスニックフードに商機あり!?だと、個人的には思っている。今後の市場拡大に期待したい。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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