フランス発の高級スーパーマーケット、といえば「Monoprix(モノプリ)」。食料品をはじめ、衣料品や生活雑貨まで、様々な商品を扱っている。チェーン展開していて多数店舗はあるが、シャンゼリゼ通りに面した店舗が有名だ。この店舗は衣料品を中心としているが、角の小道を入ったところに、食品が販売されている別棟がある。

この別棟食料品売場の一番奥が、青果コーナーとなっているのだが、Monoprix(モノプリ)のPB、BIOシリーズの黄色と青色をメインカラーとしたPOPや、アイキャッチなどで、BIOの売り場が一目でわかる。また、そのラインナップを見て驚いた。右の壁に設置された冷蔵コーナーすべてがBIO。ざっと見て売場全体の3割ほどがBIOの野菜や果物で占められていた。

単身者でも購入しやすい、小分けにパックされたものが多い。コンビニ風の売り場だが、小規模のビオ専門ショップより、むしろ品揃えは充実しているかもしれない。

日本でも最近のスーパーでは「有機JAS」認証のコーナーが設けられているところもあるが、たいていは目立たない場所でひっそりと展開されている。そのため、品揃えが悪く欲しいものがない。(見つからない&探せない)鮮度もいまいち。→高い→売れない→鮮度が落ちる→在庫をあまりもたない→品揃えが悪い・・・という循環に。

Monoprix(モノプリ)のように、思い切って3割以上はオーガニックに!というくらい大胆に売場を作らないと、なかなか一般の消費者が有機野菜を購入するという行動へとつながらない。有機野菜の良さや美味しさが伝わらず、結果、有機(オーガニック)が広がらない。

Monoprix(モノプリ)ではPB製品を数多く展開しているが、BIO(オーガニック)のシリーズがある。パッケージデザインもPOPで可愛らしい。なんと、スープや野菜のピューレなど冷蔵の加工品までBIO認証!お菓子も手頃な価格のBIO製品がずらり。

Monoprix(モノプリ)に、PBのBIO(オーガニック)製品がたくさんあることに驚いたのはもちろんだが、これに加えて一般のメーカーによるBIO認証製品も豊富に取り揃えている。BIOの野菜、パン、菓子、飲料、冷蔵品、総菜類なども、すべてがここで揃うのはうれしいかぎりだ。

日本でも、イオンのPBのトップバリュ グリーンアイ オーガニックが出ていたり、高級スーパーの成城石井のPBでオーガニックのものが出てきたりと、専門店ではない一般のスーパーやコンビニがオーガニックのPB品を企画、生産する時代になってきた。また、有機野菜や一般の有機製品の取り扱いも増えてきている。しかし、それはまだ全体から見たらごくわずかだ。

専門店のように、すべてをオーガニック&ナチュラルにする必要はないのだが、やはり中途半端では、「売れない悪循環」に陥ってしまう。そんな、有機は売れない・・・と思っている一般のスーパーやコンビニ、百貨店の方、パリへ行くことがあれば一度Monoprix(モノプリ)食品売り場をチェックしてみてほしい。有機と有機でないものとの品ぞろえのバランス、PB製品の品揃え、商品企画力など、参考になることがたくさんあると思う。

※Monoprixの店舗すべてが本記事の内容と同じとは限りません。視察等、その旨各自ご判断の上お願いします。

この記事を書いた人

オーガニックプレス編集長 さとうあき

インターネットが急速に世に広まりつつあった2002年、長年身を置いてきたオーガニック業界からEC業界へと転身。リアル店舗時代からIT化時代の変遷、発展への過程を経験し、独自の現場的視点をもつ。2010年、業界先駆けとなる“オーガニック情報サイト”誕生を実現した。「オーガニックプレス」はその確かな目で選択された情報を集約し蓄積。信頼性の高いコンテンツを提供し続けている。

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